“助けてもらうと、すぐお返ししなきゃと思う”あなたへ。心理学が教える“借りをつくれない心”のほどき方

“助けてもらうと、すぐお返ししなきゃと思う”あなたへ。心理学が教える“借りをつくれない心”のほどき方

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コラム

親切にされると、うれしいより先に落ち着かなくなる

仕事を手伝ってもらった。
食事をごちそうしてもらった。
困っているときに、誰かが話を聞いてくれた。
本当なら「ありがたいな」で終わってよいはずなのに、「今度は私が何か返さなきゃ」と考えてしまうことがあります。
相手が何も求めていなくても、借りをつくったような気持ちになる。
そして、お返しができるまで、どこか居心地が悪い。
人の好意を受け取ることが、なぜか負担になってしまう人がいます。

“もらったまま”でいることが不安なのかもしれない

臨床心理学では、人との関係の中で、どのように助けられ、どのように頼ってきたかという経験も大切にします。
何かしてもらったら必ず返すよう教えられてきた。
人に迷惑をかけないことを大切にしてきた。
頼ったあとに嫌な顔をされた経験がある。
そんなことが重なると、好意をそのまま受け取ることに不安を感じる場合があります。
「ありがとう」だけでは足りず、すぐ対等に戻さなければ安心できないのです。
それは礼儀正しいというだけでなく、人に支えてもらうことへの緊張なのかもしれません。

お返しではなく、「ありがとう」で止めてみる

もちろん、感謝を形にすることは素敵なことです。
ただ、毎回すぐ同じだけ返さなくても、人間関係は壊れません。
何かしてもらったら、まず「助かりました」「うれしかったです」と伝えて、そこで一度止まってみてください。
相手がしてくれたことを、少しそのまま受け取ってみるのです。
いつか自分に余裕がある日に、別の形で誰かを助けることもできます。
人との関係は、毎回きっちり帳尻を合わせる取引だけでできているわけではありません。

“受け取ること”にも、少しずつ慣れていける

誰かに親切にされるたび苦しくなるなら、「返せないと、何が起こりそうなのだろう」と考えてみてください。
嫌われそうなのか。
図々しい人だと思われそうなのか。
相手に支配されるようで怖いのか。
自分でも分からないときは、「人に何かしてもらうと、すぐ返さなきゃと思ってしまう」と話してみるのも一つです。
言葉にしていくうちに、自分がずっと“迷惑をかけない側”でいようとしてきたことに気づく場合があります。
誰かを支える力と同じように、誰かの好意を受け取れることも、人とつながるための大切な力なのだと思います。

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