“ただ聞いてほしいだけなのに”と思うあなたへ。心理学が教える“分かってもらうこと”の大切さ

“ただ聞いてほしいだけなのに”と思うあなたへ。心理学が教える“分かってもらうこと”の大切さ

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コラム

解決策を言われると、なぜか余計につらくなる

仕事で嫌なことがあって、誰かに話した。
すると、「気にしなければいいよ」「こうすれば解決するよ」とアドバイスをもらった。
相手は親切で言ってくれていると分かっているのに、なぜか心が置いていかれたように感じることがあります。
「そうじゃなくて、ただ聞いてほしかった」と思っても、それを言うのはわがままな気がする。
でも、人が誰かに話す目的は、問題を解決することだけではありません。
まず自分の気持ちを分かってもらいたいと感じることも、ごく自然なことです。

気持ちは、理解されることで少し整理される

臨床心理学では、気持ちを言葉にし、それを誰かに受け止めてもらうこと自体に意味があると考えます。
「それは嫌だったね」
「ずっと我慢していたんだね」
そんな言葉を返されると、それまで自分でも曖昧だった感情が、少し形を持ちはじめることがあります。
逆に、まだ気持ちが整理されていない段階で解決策を提示されると、「こんなふうに感じる自分が間違っている」と思ってしまうこともあります。
答えを探す前に、まず気持ちがそこにあってよいと思えることが必要な場合もあるのです。

「今日は聞いてほしい」と言ってもいい

誰かに話すときは、「今日はアドバイスより、少し聞いてほしい」と伝えてみても構いません。
それは相手を拒絶することではなく、自分が今必要としているものを伝えることです。
そして、自分自身にも「今は答えを出さなくていい」と言ってみてください。
腹が立った。
悲しかった。
どうしていいか分からない。
まずは、その気持ちをそのまま置いてみる。
十分に話したあとで初めて、「では、これからどうしよう」と考えられることもあります。

答えをもらうためではなく、話す時間があっていい

悩みを相談するというと、何か具体的な助言をもらわなければ意味がないと思う人もいます。
けれど、話しているうちに、自分で「ああ、私はこれがつらかったんだ」と気づくことがあります。
誰かが答えを与えなくても、安心して話せることで心の中が少しずつ整理されることがあるのです。
「何をどうしたいのか、まだ分からない」という段階でも大丈夫です。
結論を急がず、まず今の気持ちを誰かと一緒に眺める。
そんな時間も、心を立て直していくための大切な時間なのだと思います。

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