実家の片付けをしていて、思いました。
「なんでこんなに疲れるんだろう」と。
物を動かしているだけなのに、体も心も削られていく感覚があります。
私は今、実家と仕事場の2つの片付け現場を抱えています。
それが想像以上に大変なんです。
1. 自宅の片付けをして、思ったこと
1つは、実家。
事の発端は、90歳の父親が自分の将来の介護を見越して、私と部屋を交換して欲しいと言い出したからです。
もう片付けが進展していなくて、1年以上経つでしょうか。
その間に私は、心臓の調子も悪くなり、無理はあまり効かなくなりました。
10年以上暮らした今の部屋は思ったより物が多くて、とりあえずは部屋の荷物を全部2階の空き部屋へ運び込みました。
今度新しく使おうと思った部屋は広いので、そんなに物が沢山あるとは思わなかったのですが、実際に家具を配置してみると、全く置く場所がなく、前から置いてあった自分の荷物を処分する必要性が出てきました。
いざやろうとすると、写真とか、自分が残しておいたものとか、物思いにふけると全く片付けが進まないことに愕然としました。
そこで、箱を3つ用意して
①廃棄 ②保持 ③保留
の3段階での決断をしようと決意して、
「もう決まるのは3秒以内」と決めて、そのくらいの速さで片付けていきました。
それでも――
ただ箱の中に入れて、縛れるものは縛って、袋に入れているだけなのに、異様に疲れるのです。
改めて、片付けをすることの険しさを感じることになりました。
大変なら業者に頼めばいいと思う方もいるかもしれません。
ただ業者に頼むと、何十万もの金額がかかります。
また、私のように2階に物がある場合は、階段の上り下りの分、割り増し料金も発生してくるのが予想できます。
両親も私も老後の生活費が気になるし、この物価高な世の中で、業者を頼める人がどのくらいいるのでしょうか。
そんな訳で、自分で片付けをせざるを得ない状況になった私ですが、どうしても保管しなくてはならない物が出てきてしまい、それをしまう場所もないことに気が付きました。
それであれこれ考えているうちに、押し入れの中はどうかと思ったのです。
しかし押し入れは使っていない布団でいっぱいで、どうしようもなく、処分できる自信もない中で、とりあえず布団を全部出して、使っていない部屋に移動させることにしました。
2階から1階へ布団を下す元気もないので、布団を下へ落下させて、そこから引きずって運ぶという作業を、最近やっと終わらせたばかりです。
実際に部屋の引っ越しが終わったら、処分しようかと考えています。
2. 仕事場のビルを片付けていて、感じたこと
もう1つは、仕事場です。
うちは過疎の街にある、小さな町工場ですが、小さいビルの一角に仕事場があります。
それをこのたび、ある企業の手に渡すことになりました。
その企業がビルを1棟まるごと借り上げてくれることになり、まずは仕事場と事務所を明け渡して欲しいと言われたのです。
しかも期限は、あと2週間。
考えている暇はありません。
処分するものを、とりあえず今は使わない部屋に移動させることにしました。
ただ、うちは両親と私の3人でやっている家業なので、片付けるのもこの3人しかいません。
90歳の父は最近入院から帰ってきたばかりで、時間があるとぼーっとして、YouTubeを見たり、書類を少しシュレッダーにかけたりして、あとは寝ています。
燃えるゴミは出せても、資源ごみの分別は難しく、今までほとんど私がやってきました。
母は認知症で、「捨てるのはもったいない」と言い続けるので、片付けは進みません。
足も不自由で、力仕事もできません。
借りてくれた企業さんは「片付けも手伝うし、処分もするよ」と言ってくれるのですが、「ゴミの仕分けはしておいてね」と言われました。
でも、高齢の父に仕分けは難しい。
そして父は、自分が買ったものをなかなか捨てたがりません。
結局、言い合いを覚悟の上で、私が仕分けをするしかないと思っています。
こうして、片付けは体力だけでなく、精神も削る作業なんだと実感しました。
また、片付けは物だけじゃなく、手続きやお金の問題も一緒に動き出すものなんだと感じました。
3. 「居場所」を失うということ
父にとって、この小さなビルは自分で設計した特別な場所です。
強い愛着があり、整理整頓されていないと機嫌が悪くなる人でもあります。
今日、こんなことがありました。
私が事務で使う書類を台車に載せて、見える場所に置こうとしたら、「見えない棚にしまってくれ」と言われました。
「あとで片付けるから置いておいて」と言うと、父は足をじたばたさせて、無言で抗議してきたのです。
その姿を見たとき、私はとてもがっかりしました。
親が年をとった現実を、強く感じた瞬間でした。
「帰る時にしまっていくから」と説明すると、抗議は止まりましたが、こちらも疲れ切っていて、どうしたらいいのか分からなくなりました。
それでも、棚を1つ整理したので、それで良しとして、出したものはしまって帰りました。
4. 最後に
片付けは、すぐに終わるものではないと実感しています。
だからこそ、全部を一気にやろうとせず、
「今日はこの棚1つだけ」
と決めて、心と体に無理のないペースで進めていくことが大切だと思います。
そして今回のことで、強く感じたことがあります。
片付けは、物の整理ではなく、人生の整理なんだということです。
もし今、同じように片付けで立ち止まっている方がいたら、
「今日はこの棚1つだけ」
それで十分だと思います。
私もこれから年を重ねていく中で、
「いかに物を増やさずに生きていくか」を考えながら、暮らしていきたいと思います。