「遺言書なんて、お金持ちが作るものでしょ?」
そう思っている方は少なくありません。
しかし実際には、相続でもめる原因は財産の多さだけではありません。
家族構成や財産の内容によっては、遺言書があることで家族の負担を大きく減らせることがあります。
今回は、遺言書はどんな人に必要なのか、そして今からできる準備についてわかりやすくご紹介します。
① 遺言書は本当に必要?と迷う人はとても多い
「遺言書って資産が多い人だけが作るものでは?」
そんなイメージを持っている方は少なくありません。
結論からいうと、遺言書が必要かどうかは財産の多さではなく、家族の状況によって変わります。
たとえ財産がそれほど多くなくても、不動産がある、子どもが複数いる、再婚しているなど、家族の状況によっては話し合いが難しくなることがあります。
反対に、家族全員が納得して相続できる状態であれば、大きな問題にならないケースもあります。
大切なのは、「うちは大丈夫」と思い込むことではなく、一度自分たちの状況を整理してみることです。
② 遺言書がないことで起こり得ること
遺言書がなくても相続の手続きはできます。
しかし、誰が何を相続するかは家族全員で話し合って決める必要があります。
話し合いがスムーズに進めば問題ありませんが、意見がまとまらないと相続手続きが止まり、家族の負担が大きくなってしまいます。
実際に、家庭裁判所で成立した遺産分割事件を見ると、「財産が多い家庭ほど争っている」というわけではありません。
裁判所の司法統計によると、遺産分割事件の約76%は遺産総額5,000万円以下で、約34%は1,000万円以下となっています。
つまり、「うちは財産が少ないから大丈夫」とは言い切れないのです。
例えば、
・実家を誰が相続するのか決まらない
・預貯金が解約できず、生活費や介護費用の準備が遅れる
・兄弟姉妹で考え方が違い、関係が悪くなってしまう
こうしたケースは決して珍しくありません。
遺言書は財産を分けるためだけではなく、残された家族が迷わず手続きを進められるようにするためのものでもあります。
③ 遺言書を考えたほうがよいケースとは?
すべての人に遺言書が必要というわけではありません。
ただし、次のようなケースでは一度検討してみることをおすすめします。
・子どもが2人以上いる
・自宅などの不動産がある
・再婚している
・子どもがいない夫婦
・特定の人に多く財産を残したい
・家族に認知症など将来的な不安がある
これらに当てはまる場合は、事前に意思を残しておくことで、家族の負担を減らせる可能性があります。
遺言書は「財産をどう分けるか」を決めるだけではありません。
「家族が困らないようにするための準備」と考えると、その大切さがイメージしやすいでしょう。
④ 今日からできる相続準備
「まだ遺言書を作るほどではないかな」と感じる方もいるでしょう。
そんな方は、まず家族と話をすることから始めてみてください。
例えば、
「実家は将来どうしたいと思っている?」
「大切にしている財産はある?」
「もしもの時は、どんな希望がある?」
このような会話をしておくだけでも、お互いの考えを知るきっかけになります。
そのうえで、財産を書き出したり、エンディングノートを作成したりすると、自分に遺言書が必要かどうかも判断しやすくなります。
相続準備は、元気なうちだからこそ落ち着いて進められます。
早めに始めることで、将来の選択肢も広がります。
⑤ まとめ
遺言書は、お金持ちだけが作るものではありません。
家族構成や財産の内容によっては、将来のトラブルを防ぎ、残された家族の負担を大きく減らせる可能性があります。
実際に相続で話し合いになるケースの多くは、決して大きな資産を持つ家庭だけではありません。
だからこそ、「うちは大丈夫」と思い込まず、一度ご自身やご家族の状況を整理してみることが大切です。
相続の準備は、財産を残す人だけでなく、残される家族への思いやりでもあります。
少しずつ準備を始めることで、将来の安心につながるはずです。
何から始めればよいかわからない場合は、一度状況を整理してみることがおすすめです。
私はFP2級保有・金融機関勤務経験を活かし、終活や相続準備に関する確認ポイントを整理する『終活チェック診断』サービスを提供しています。
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