この質問に対して、僕は迷わず「仮説思考」と答えるだろう。
知識やテクニック、多彩にツールを扱えることなど、マーケティングに必要なことは数多くあります。
でも、そのすべての根底にあるスキル。
それが仮説思考です。
これが無ければ、どんなに優れたツールを使っても、どんなに豊富なデータがあったとしても意味がないです。
『仮説思考』とは何か?
Wikipediaによれば、仮説とは「真偽はともかく、何らかの現象や法則性を説明するのに役立つ命題」らしい。
んー、難しいっすね。。
これ、要は「きっと○○に違いない!知らんけど。」ということです。
目の前の事実をただ受け取るだけではなく、その背景や因果関係を推測する力。これが仮説思考の本質です。
例えば、あるECサイトでカート離脱率が高いという報告があったとします。
仮説思考ができない人は、その表面上の情報だけ受け取り、「カート離脱率が高いんですね」で終わる。
でも、仮説思考ができる人はこう考えます。
「カート離脱率が高い。もしかしたら決済方法が少ないことが原因かもしれないな。いやもしくは、送料が高すぎるのかもしれない。いや待てよ。送料はトップページに表示してある。カートまで到達している時点で購入意欲は高くて送料は気にしてないんじゃないだろうか?他のデータを見ると、決済画面での滞在時間が短い。ということは、決済方法を見た瞬間に離脱している可能性が高い。やっぱり決済方法の問題かもしれないな。」
このように思考を膨らませ、複数の可能性を検討しながら、自分なりの答えを導き出していく。
これが仮説思考です。
なぜマーケティングに仮説思考が不可欠なのか
それはマーケティングに絶対な答えが無いから。
数学のように「この公式を使えば必ず正解が出る」ということはありません。
同じ施策でも、商材ジャンル、市場環境、ターゲット、タイミング、などによって結果は大きく変わります。
昨日までは効果的だった手法が今日は通用しないなんてこともある。
でも仮説思考が無い人は、この事実を受け入れられません。
この世の中に、上手くいく絶対法則があると、まるで宝を探すように労力・お金・時間をつぎ込んでさまよい続けます。
でもそんなものは無いです。市場は動き続けているし競合も動いている。
完璧な答えを探している時間がもったいない。
だからこそ、仮説思考で「○○だから、きっと××をするといいはずだ!」と暫定の答えっぽいものを作って、小さくトライしてみることが大事です。
そのトライで得た結果から、また更に仮説を作って実行、その結果から仮説実行、というこの一連のプロセスを続けることが大事です。
これが俗にいうPDCAというものになります。
仮説の確度を上げる2つの方法
もちろん、適当に仮説を作って闇雲に実行すればいい、なんてことはありません。
いい仮説を立てるために大切なことは2つ。
1つ目は感覚を磨くこと。
マーケティングには、データで測れない感覚が必要。
消費者心理、市場の空気感、トレンドの兆し。これらは数字だけでは掴めません。
感覚を磨くには、日常的に広告やクリエイティブを観察したり、自分でも消費者として様々な商品やサービスを体験したりして、「なぜこれは売れているのか」「なぜこの広告は印象に残るのか」を考え続けることが重要なんです。
この感覚は過去の膨大な経験とそれに伴う思考を積み重ねた上の暗黙知のようなものです。
だからこそ優秀なマーケターはいつの時代も必要とされる人材になるんですね。
そして2つ目は、確実性の高いデータを活用すること
感覚の大事さを説明しましたが、感覚だけではマーケターは務まりません。
感覚で、「おそらくこうだろう」と思ったことをデータで裏付ける。
もしくは、集めたデータを分析し、そこから消費者心理や市場環境の変化を感覚的に感じ取る。
この両輪があって初めて、確度の高い仮説が生まれます。