「頑張る子」だった私が、自分を見失った理由

「頑張る子」だった私が、自分を見失った理由

記事
コラム
物心ついた頃から、私は「頑張る子」でした。

私の両親は外資系製薬会社の研究者でした。
家庭の中では、物事をはっきりと「Yes」か「No」で考えることが多く、日本特有の「まあ、どちらとも言えないよね」という曖昧さは、あまりありませんでした。
そんな環境の中で、私は両親から医者になることを期待されて育ちました。

両親に認めてもらうために、
「もっと頑張らなきゃ」
「良い成績を取らなきゃ」
そう思いながら、一生懸命勉強していました。

でも、今振り返ると、
「頑張る方向を、自分自身で決めていなかった」
ことが、私の人生に大きな影響を与えたのだと思います。

私は、絵を描くことも、絵を見ることも大好きでした。
一時期は、美大への進学も考えていました。
でも、いつしか私は、
「絵が好きだから描く」のではなく、
「コンクールでトップの賞を取れるような絵を描く」ことを求められるようになりました。
美大に行きたいと言えば、
「絵では食べていけない」と言われました。
そしていつの間にか、絵を描くことが好きではなくなってしまい、
ある日突然、絵が描けなくなりました。
筆を持つことも、絵を見ることも嫌になり、美術の世界から完全に離れました。
大切にコレクションしていた油絵道具も、キャンバスも、全部捨てました。

中学生の頃には、もう一つの「好き」がありました。
ラジオで「ジェットストリーム」という番組を聴くのが大好きでした。
番組を聴きながら、
操縦席から見える空。
夕焼け。
雲の上から見える景色。
そして、世界中の知らない街。
そんな景色を想像する時間が、私にとって最高に幸せな時間でした。
「パイロットになりたい。」
そう思いました。
けれど、
「危険だから」
「地元を離れるのか」
と、両親から止められました。

そして私は、いつしか
「好き」よりも「正解」を選ぶようになりました。

「私は何がしたい?」
ではなく、
「何をすれば認めてもらえる?」
「どうすれば失敗しない?」
「もっと頑張らなきゃ。」
そんなことばかり考えるようになりました。

そして、頑張ることそのものが、目的になっていきました。
いつしか、
親が望む人生を、自分の夢だと思い込むようになっていました。
ついには、
「自分が何をしたいのか分からない」
そんな状態になりました。

夢がなかったわけではありません。
むしろ、夢はあった。
でも、夢を持つたびに、
「これは現実的じゃない」
「危険だから」
「それでは食べていけない」
と理由をつけて、少しずつ手放してきたのです。

そうしているうちに、
自分の本当の気持ちが分からなくなってしまいました。

でも、大人になった今だからこそ、私は一つの大きな気づきを得ました。
親の期待通りの人生にはなりませんでしたが、
私は、大学・大学院へ進学し、大学研究員になりました。
その過程で臨床医学や心理学、接遇などにも興味を持ち、自分で学ぶようになりました。
そして、社会人になってから臨床検査技師になるという選択もしました。

それは、誰かに決めてもらった道ではなく、私自身が選んだ道でした。
私は大人になってから、
少しずつ「自分で選び直す」経験をしてきたのです。

もちろん、今でも心残りはあります。
一番大きな心残りは、パイロットになること。
飛行機に乗るたびに、
「この景色を操縦席から見てみたかったな」
「世界中を飛び回ってみたかったな」
そう思います。
でも、今はそれを「叶えられなかった夢」として終わらせたくありません。
空への憧れも、世界を見てみたいという気持ちも、今の私の中にまだ残っています。
だから今の私には、
「いつか、自分が心から誇れる仕事を築いて、その仕事を通して得た自由で、世界中を旅してみたい。」
そんな新しい夢があります。

もしかしたら、
夢は一度諦めたら終わりではなく、
大人になった自分がもう一度拾い直してもいいものなのかもしれません。

もしあなたも、
「自分がやりたいこと」が分からなくなっているなら。
「こうあるべき」を頑張り続けていませんか?
「他人の夢」を「自分の夢」だと思い込んでいませんか?
誰かの期待に応えようとして頑張り続けると、自分の声が聞こえなくなることがあります。

私自身も、ただ良い成績を取るために頑張り続け、
いつしか「頑張ること」が目的になって、自分を見失いました。
だから今は、
「私はどうしたい?」
と、自分に問いかけるようにしています。

遅すぎることなんて、きっとありません。
あの頃できなかった選択を、
今の自分が選び直すことだってできる。
私もまだ、自分の「好き」や「やってみたい」を、一つずつ拾い直している途中です。
もしあなたも、自分の気持ちが分からなくなっているなら、
一人で答えを出そうとしなくても大丈夫です。
一緒にゆっくり、あなたの心にある想いを紐解いてみませんか。

私は、研究者として培ってきた「整理する視点」と、これまでの自分自身の経験を生かして、あなたの考えを整理するお手伝いをしています。
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