今日はチーターが寄生虫をおぇっと吐いたと聞いて薬を出してきました。
チーターに多い寄生虫は回虫の仲間で、これがまたほとんどのチーターに
感染しているうえなかなか薬で落ちにくい。
腸管にとどまらずどんどん増えて胃まで感染が及ぶと、
今日のようにおぇっと吐き出すことがあります。
さて、今日はこの回虫の仲間について少し踏み込んだお話をします。
イヌ、ネコで問題になる回虫は主に3種類です。
ネコ回虫、イヌ回虫、犬小回虫。
犬小回虫は別名ライオン回虫Toxascaris leoninaとも呼ばれ、学名にもライオンを表すレオと言う言葉が入っています。
今回チーターに出た回虫も犬小回虫でした。
ネコ回虫・イヌ回虫・犬小回虫の違いはなんでしょうか?
回虫は犬や猫でよくみられる寄生虫ですが、「ネコ回虫」「イヌ回虫」「犬小回虫」は似ているようで、実は虫卵の形や感染のしかた、臨床上の注意点に違いがあります。
まず顕微鏡で見る虫卵の違いです。
ネコ回虫とイヌ回虫の卵はよく似ており、どちらも丸くて殻が厚く、表面がゴツゴツした褐色の卵です。正直、卵だけで「猫由来か犬由来か」を完全に見分けるのは難しく、動物種の情報と合わせて判断します。
一方、犬小回虫の卵は少し違い、楕円形で殻がなめらか、中身がスッキリ見えるのが特徴です。このため、顕微鏡では比較的見分けやすい回虫です。
次に臨床的な違いです。
イヌ回虫とネコ回虫は、特に子犬・子猫で問題になりやすい寄生虫です。お腹が張る、下痢、嘔吐、便に白い虫が混じるといった症状が見られ、重度では発育不良の原因になります。特にイヌ回虫は胎盤感染や母乳感染があるため、生後すぐの子犬でも感染していることがあります。
犬小回虫は年齢に関係なく感染しますが、症状は比較的軽いことが多く、無症状で見つかるケースも少なくありません。
また、人への影響も重要です。イヌ回虫・ネコ回虫は人に感染すると内臓幼虫移行症を起こす可能性がありますが、犬小回虫はそのリスクが低いとされています。
回虫は「よくいる寄生虫」ですが、種類によって意味合いが違うのがポイントです。定期的な検便と駆虫は、動物だけでなく人の健康を守ることにもつながります。