先日グリーンイグアナの卵塞を診てきました。
この子はホルモン注射ですべての異常卵を自力産卵することができて
体調も食欲も回復。
イグアナの卵塞は冬に多くなる傾向にあるので注意です。
それとは逆に、春から夏にかけて多くなりがちなのがヒョウモントカゲモドキ(レオパ)の卵塞。
昨夏、ヒョウモントカゲモドキの卵管摘出も行ったので飼育数も多いヒョウモントカゲの卵塞について今日はご紹介します。
ヒョウモントカゲモドキの卵塞(卵詰まり)と卵管切除術
ヒョウモントカゲモドキは飼育しやすい爬虫類として人気が高い一方で、メス個体特有の生殖器疾患が一定数みられます。その代表が卵塞です。重症化すると命に関わることもあり、外科手術である卵管切除術が必要になるケースも少なくありません。本記事では獣医師の視点から、卵塞の病態、気づくための徴候、疾患の実態、そして治療法について解説します。
卵塞とは何か
卵塞とは、卵が卵管内に停滞し、正常に産卵できない状態(卵詰まり)を指します。ヒョウモントカゲでは無精卵であっても卵形成が起こるため、オスと同居していなくても発症します。
原因としては以下が複合的に関与します。
低温・不適切な温度管理
カルシウム不足や栄養バランスの乱れ
産卵床(湿度・深さ)の不備
卵管の運動低下や炎症
高齢個体や過剰産卵歴
特に慢性的な飼育環境の不適合は、卵管機能低下を引き起こしやすい重要な要因です。
飼い主が気づくべき徴候
ヒョウモントカゲの卵塞は初期症状が分かりにくく、発見が遅れがちです。以下のような変化が重要なサインとなります。
食欲低下・拒食
腹部膨満、左右非対称な腹部の張り
床材を掘る行動が減る、落ち着きがない
排泄量の減少
体重減少、活動性の低下
進行すると卵管炎、敗血症、卵管破裂などを引き起こし、内科治療では改善が困難になります。
卵塞の実態と診断
臨床現場では、レントゲン検査で卵の存在を確認することが診断の第一歩となります。卵殻形成が乏しい場合や軟卵では、超音波検査を併用することもあります。
軽度であれば環境改善、カルシウム補正、ホルモン療法などの保存的治療が検討されますが、長期停滞例や再発例では外科介入が現実的な選択肢となります。
卵管切除術という治療選択
卵管切除術は、病変のある卵管を外科的に摘出する手術です。卵管のみを切除し卵巣を温存する場合もありますが、再発リスクを考慮し卵巣・卵管同時摘出を選択することもあります。
手術のメリットは
卵塞の根治が可能
再発リスクを大幅に低減
慢性炎症や感染の除去
一方で、麻酔リスクや術後管理の重要性は十分に理解する必要があります。爬虫類麻酔に習熟した獣医師による実施が不可欠です。
まとめ
ヒョウモントカゲモドキの卵塞は、「よくあるが軽視されやすい重篤疾患」です。早期発見であれば内科的対応が可能な場合もありますが、実際には外科手術が必要となるケースも少なくありません。
日常の観察と適切な飼育環境、そして異変を感じた際の早期受診が、ヒョウモントカゲの命を守る鍵となります。
なんで今ヒョウモントカゲモドキの話やねーん!と思った方、すみません。
まだイグアナの相談をここで受けたことがないので、相談数の多いヒョウモントカゲモドキのお話をさせていただきました!
それではまた!