こんにちは、書道家の秀峰です。
実は4月から、マーケティングの学習を続けています。
「筆文字」は、衣食住のように生きる上で絶対必要なものではありません。
しかし、その衣食住の選択や印象を大きく左右する――そんな力を持った“手段”だと私は考えています。
詳しいお話はまた別の機会にブログでご紹介しますが、
これからも皆さまの新たな挑戦を後押しできるよう、真摯に筆文字と向き合っていきたいと思います。
ウォッカの筆文字ラベル制作のご依頼
先々月、合同会社EL様から、新作ウォッカの販売に伴う筆文字ラベルの制作をご依頼いただきました。
合同会社EL様は、神奈川県湯河原の無農薬栽培や有機農法で育てたオーガニック果実を原料に、こだわりのジンやウォッカを手掛けておられます。
私自身、いつかお酒のラベル文字を書くことを夢にしていましたので、ご縁をいただけたことに感謝しております。
新作ウォッカのテーマについて
ご依頼のウォッカの名前は「傷心」。
当初は、失恋してバーカウンターでひとり静かにグラスを傾ける――そんな、どこか弱々しく切ない情景を思い描いていました。
ところが、届いたインパクトのあるイメージ画像を見た瞬間、「この強さに、弱々しい文字では負けてしまう」と感じ、そこから力強さをもたせたパターンも考えてみることにしました。
制作過程と提案
ご要望は「怒りを表した傷心」と「悲しみを表した傷心」。
そこで、A案とB案を「怒り」、C案とD案を「悲しみ」として分類しました。
A案とB案では、行き場のない怒りを表現。
まるでモノに八つ当たりするような、荒々しい感情を筆に込めています(ちょっと物騒ですが…笑)。
C案は、心身ともにズタボロになった姿を、D案は、少し強がりながらも一人でしっぽりとグラスを傾ける姿をイメージしました。
ちなみに、A〜C案では割れた筆を使用。
割れた筆は、爪で引き裂いたような荒れた線を描くことができ、場面によっては効果的です。
最終的には、イメージ画像やコンセプトとのバランスから、A案をご採用いただきました。
最終案について
イメージ画像の持つ強いインパクトに合わせ、荒々しい筆致を採用。その力強さが背景の雰囲気とよく調和しています。
また、今回は背景が黒ベースのため、文字を白く加工。ラベル全体のコントラストが際立ち、より印象的な仕上がりになりました。
「甘さ、苦さ、始まりと喪失――恋に宿るすべての感情を閉じ込めました」
商品情報の紹介文で一番好きなフレーズです。
皆様にもぜひご賞味いただきたいです。
おわりに
割れた筆を使ったり、白文字に加工したり、両極端な感情を描き分けたり…。
今回のご依頼は表現の幅が大きく、そのぶん非常に貴重な経験となりました。
「こんな筆文字、お願いできるかな?」
筆文字が活躍する場面は、思いがけないところにも広がっています。
「こんなこと聞いても大丈夫かな…」
もちろん大歓迎です。ぜひ一緒に、最適な方法を考えていきましょう。
情景や想いを、筆にのせて形にします。
ご依頼・ご相談は、下記サービスページよりお待ちしております。