【暮らしのエッセイ02】畳の上で、呼吸をととのえる

【暮らしのエッセイ02】畳の上で、呼吸をととのえる

記事
デザイン・イラスト
私は、畳の部屋でヨガをしています。ヨガを始める前には、まずお香を焚きます。煙が静かに立ち上り、レースのカーテン越しに柔らかな光が差し込む。

その空間で、呼吸を意識しながらからだを動かすひととき。それは、私にとってかけがえのないものの一つです。

茶道とヨガ、呼吸でつながる

今はすこし離れていますが、12年ほど茶道に触れていました。意外に思われるかもしれませんが、茶道とヨガは似ています。

その要素の一つが、呼吸です。

お茶を点てる一連の所作を呼吸に沿わせると、心地よくからだが動きます。ヨガもまた、呼吸を大切にする時間です。

そしてもう一つ、畳の上で過ごすという所作そのもの。茶室は床座の文化であり、正座をし、低い位置でからだを使います。ヨガも同じように、床の上でからだと向き合う時間です。

畳の目と、からだの関係

畳の上でヨガをしていると、困ることもあります。それは、畳の目に沿ってやや滑ってしまうことです。

たとえば、ダウンドッグのように手足で踏ん張るアサナを取るとき、畳の目の方向によっては姿勢が安定しません。
そのため、しっかりからだを使うときは、グリップ力のあるヨガマットを併用しています。

必要に応じて道具を使い分ける。
無理をしないことが、続けるために大切なのだと思います。

なぜ、畳の部屋を選んだのか

和室という空間が、ヨガに向いていると思ったからです。
余計なものを減らした和室には静けさがあり、茶道で慣れ親しんだ感覚に近い。

床座の文化が根づいた空間は、からだを低い位置に置くことを自然に受け入れてくれる気がします。

正直に言うと、毎日続けられているわけではありません。
仕事が忙しいとか、体調が思わしくないとか、なんだかんだ言い訳を重ねて。

でも、この畳の部屋があることで、また戻ってこられる。
空間が、私を呼び戻してくれるのです。

インテリアコーディネーターという仕事は、空間がどう人に影響するかを考える機会が多いのですが、自分自身の暮らしでもそれを実践したいと思っています。

呼吸をととのえることは、空間をととのえることと似ているかもしれません。
必要なものを選び、不要なものを手放す。
そして、そこにある静けさを受け入れる。

完璧でなくても、続けられる場所があれば、それでいい。畳の上で、そんな時間を過ごしています。

utakata design 松田 ともみ
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す