【季節の空間づくり 08】梅雨の前に空間の湿度を整える

【季節の空間づくり 08】梅雨の前に空間の湿度を整える

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旧暦では夏の入口、新暦でも5月の終わり。
体感も、日ごとに「夏」へ傾いていくのを感じます。

それをはっきり教えてくれるのが、空模様です。
突然ざっと降る雨が、まるで夏のスコールのように感じる日もあります。
雨上がりの空気は熱を含んで、肌にまとわりつくようで、息苦しさを覚えることさえ。

住んでいるエリアの気候もあるのかもしれませんが、最近は「梅雨が来る前から、湿度と付き合っている」そんな感覚が続いています。

梅雨に入ると、家の中で過ごす時間が長くなります。
だからこそ、本格的な雨の季節が始まる前に、空間の湿度を整えておきたいと思いました。

季節の花を迎えて空気に「今」を宿す

まずは、目に見えるものをひとつ。
紫陽花を一輪、深い紫色が美しいガラスの器に活けました。

この季節になると、紫や青の花が少しずつ増えてくる気がします。
雨を抱えた空気の中で、色だけがすっと澄んで見える。

花の色が入るだけで、部屋の空気に「今の季節」が宿ります。

窓を開けられない日こそ空気を動かす

次に、目に見えないもの。

窓を大きく開けられない日でも、風の通り道を意識して、扇風機やサーキュレーターを回す。

空気が動くと、同じ室温でも体感が変わるようです。その小さな差が、梅雨の時期の心地よさにつながります。

雨音とお茶が暮らしの輪郭をつくる

そして、雨音が聞こえる日は、お茶を一杯。
その日の湿度や気分に合わせて、日本茶にするか、コーヒーにするか、ハーブティにするか。

どれを選ぶか考える時間も、暮らしを整える小さな作業だと思っています。

蒸し暑さで息が詰まりそうな日は、香りのあるものを。
ただ静かに落ち着きたい日は、湯気のやわらかい日本茶を。

湯気の立つ音、器に触れた指先の温度。
湿った空気の中に、温度の輪郭が生まれると、気持ちまでほどけていきます。

梅雨じたくは、何かを増やすのではなく「暮らしを軽くすること」。
余分な湿気や匂いが溜まらないように「空気の居場所をつくること」。

そんなふうに考えるようになりました。

小さな工夫ひとつで、憂鬱になりそうな一日が、少しだけ贅沢に感じられます。

utakata design 松田 ともみ
愛知県犬山市出身。国宝・犬山城のある町で育つ。美術大学で空間デザインを学び、インテリア業界で約20年の経験を積む。2022年、フリーランスとして独立。現在は森の近くで、旧暦を意識した暮らしを実践中。


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