満月。
陽が落ちても月明かりが窓から差し込み、どことなく明るさを感じる夜。
実際には照明をつけているのですが、部屋の中の影がやわらいで見えるような気がします。
そんな夜は、つい手を動かしたくなります。
七夕が近づくこの頃。
このところ進めていた、和紙の「梶の葉飾り」と「五色の短冊」づくりの続きを。
新暦の七夕と旧暦の七夕のあいだ
新暦の七夕は、梅雨の只中にあることが多く、星空を眺めるには少し気まぐれな季節です。
けれど旧暦の七夕は、夜空が澄み星がよく見える頃に訪れます。
2026年の旧暦七夕は8月19日。
まだ、もう少し先ですが、夏の終わりと秋の始まりを感じる頃合いです。
七日目の月は舟のかたち
月の巡りで考える「旧暦」の七夕は、いつも「七日」に訪れます。
それは、空に上弦の月(半月)が浮かぶとき。
昔の人々は、半月の細い弧を舟に見立てていたようです。
その月の舟に乗って天の川を渡り、織姫に会いに行く彦星。
なんとも切なく美しい情景を思い描きます。
水盤に映る星月夜と針仕事の願い
今ではあまり知られていませんが、旧暦の七夕には、針仕事の上達を願う風習がありました。
水盤に水を張り、星や月を映して静かに祈る。
自然の景色と日々の暮らしが重なりあう習わしに、心惹かれるものを感じます。
満月の夜から七夕へ
梶の葉飾りを整えて、短冊に願い事を託す。
満月の明るさのなかで始めた手仕事が、 少し先の夜空へ気持ちをつないでくれるようです。
新暦の七夕を迎え、旧暦の七夕を待つあいだ。
日に日に暑さが厳しくなるなかでも、ゆるやかなひとときを折に触れて愉しんでいきたいと思います。
utakata design
愛知県犬山市出身。国宝・犬山城のある町で育つ。美術大学で空間デザインを学び、インテリア業界で約20年の経験を積む。2022年、フリーランスとして独立。現在は森の近くで、旧暦を意識した暮らしを実践中。