おはようございます。
熱もひき風邪もなんとか落ち着いてきたようです。
みなさんもくれぐれもご自愛下さいね。
今日は私がずっと悩んできた(というか今も悩んでいる)仕事のリソース(時間)の配分について若い頃の経験談をもとに話そうと思います。
社会経験が長い人には当たり前の話だと思いますが、若い頃に戻ったつもりで読んでいただければ幸いです。
私が今の会社で働き始めたのは2006年で最初はべつの企業からの派遣社員として勤務しました。2008年に正規登用され今に至ります。
私は半導体の製造業務に従事していました。
当時私の職場の半導体需要は右肩上がりで、とにかく「作れ、作れ」のイケイケの状態でした。
与えられた環境(装置・人数)の中で一枚でも多くの半導体を作るのが私たち製造メンバーの共通の目標でした。
また、ノルマ以上の成果を出すのが大きなやりがいでもありました。
「管理する」という業務の重要さと現実
派遣社員のころは良かったのですが、正社員登用されたあとはただ生産をしていればいい、という訳にはいきません。
いろいろな「管理」の業務も並行して任されるようになりました。
いろいろな管理業務を任されましたが、分かりやすいものとして「備品管理」を例にさせて下さい。
半導体の製造をするにも現場ではいろいろな消費資産を使います。それこそ材料となる高額な薬品から、現場で使う紙やら、テープやらゴミ袋まで…。
いろいろな読者さんがいらっしゃると思うので「備品管理」の大切さを説明させて下さい。
例えたかだか数十円のゴミ袋でも会社の資産です。
ゴミ袋一枚、いつ何にどのように使われたのか、把握しなければなりません。
その為、エクセルで作られた電子データの台帳に使用者が使用量と自分の名前を書き、使用者がそのゴミ袋をどのように使ったか責任を持つ…。
こうして会社のすべての資産が適切に使用されていることを「管理」することにより、会社の利益に貢献することはもちろん、コストの面でお客様に還元することもできます。
また、社員が不正に備品を私的流用するなどという不祥事を防ぐことにもつながるのです!
…という建前でやっていましたが、お察しの通り数十円のゴミ袋などまともに管理などされてませんでした。
現場のメンバーは生産の作業で忙しく、ましてやゴミ袋の管理に割ける時間もなく、また、しっかり管理しようという意識もありませんでした。
ゴミがいっぱいになったら誰かがいつの間にかゴミ袋を交換して台帳の入力をあと回しにしたあげく忘れる、というのが日常茶飯事でした。
実際、生産遅延により納期が遅れればその影響は何億の損失という影響になるケースもあります。
「ゴミ袋の管理をちゃんとやっていたので生産が遅れました」などという言い訳は現実的にはありえない話なのです。
さて、この時30歳くらいだった若武者まんさんはどうやってこの課題を乗り越えたのでしょうか。
お恥ずかしい話、かなり頭を悩ませました。
なぜかと言えば、私はずっとブラックな環境で働いていたので、こういうどうでもいい仕事は「定時」が過ぎてから「サービス残業」して処理していたからです。
しかし、今の会社は世間にも名の知れた大企業です。建屋への入退出時間は厳密に管理され、時間外の労働が人事にバレれば「違法労働」ということで上司も職場もヤバいことになります。
結論を言えば「備品管理業務はちゃんとやらない」でした。ズッコケないで下さい。ただの事実です。
もちろんメインとなる生産業務は職場の中でも一、二を争う成果を出すよう努めました。
しかし、上司としては「管理業務」をしっかりやることも社員の大切な責務です。
上司は時々台帳をチェックしました。月末に帳尻を合わせるように一度に大量に「出庫」されているゴミ袋を見て「これ…管理されてないよな?」と呼び出されて注意されました。
「おかしいですね~、たまたま職場内のゴミ箱すべてが同じタイミングで一杯になったんじゃないでしょうか?」とかとぼけたことを言ってしのいでいました。
しかし、しつこく上司に追求された若武者まんさんは「重要装置を放り出して台帳入力をしている奴がいたら、私ならそいつを叱り飛ばしますよ!」と昭和のおっさんにありがちな逆ギレをして乗り切りました。
上司は困った顔をしていたと思いますが、私はドヤ顔でその場を立ち去ったかと思います。
結局ゴミ袋の「備品管理」について言えば毎日夜中の決められた時間(私の職場は24時間稼働の工場でした)に在庫と台帳が合っているかを確認するというつまらない「管理」方法を実施していました。
数が合わない場合は台帳入力を忘れた犯人捜しをして無事解決、という訳です。
ちなみに私は生産業務については職場でも高い成果をあげていた、と自負していますが、年一回の業務評価ではいつも真ん中程度の評価でした。
基本的に高い評価をうけていたのは「生産業務」はそこそこで「管理業務」をしっかり行った人たちでした。
正直に言って当時の私は不平をならしていたと思います。
まんさんはどうすべきだったか、そしてみなさんはどうすべきか
しかし、今となってはなぜ私が高い評価を受けられなかったかはよく分かります。
たとえ生産業務が第一の重要案件だったとしても、その他の業務を0点で出してこられては上司としては評価をつける訳にはいかなかったのでしょう。
ではまんさんはどうすべきだったのでしょうか。
今なら少しだけマシな対応を考えられます。
ゴミ袋が管理出来ていない状態に対して何のアクションも取らなければ100年たっても管理できていない状態が続きます。
それは仕事として「0点」です。しかし、改善のためにアクションを起こせば(それがどんなに荒唐無稽なアイデアであっても)、状況が改善する可能性はあります。これなら「100点」ではないにしても上司としても10点、20点と点数を付けることができます。
たいていの上司は「100点」を出さないとほめてはくれませんが(これは日本人の特性でしょうか、とてもよくない慣習だと思っています。いずれ別の記事で書かせて下さい)、「0点」よりははるかにマシです。
46歳になった私がパっと考え付く対策はこんなところでしょうか。
・月に平均何枚くらいのゴミ袋を使用しているのかデータを出し、いっその事ゴミ袋の管理をやめてしまう
⇒却下(大量のゴミ袋の使用があった時、その理由が追えない)
・ゴミ袋のそばにタブレットPCを設置して台帳入力の手間を減らせるようにする
⇒却下(コスパに見合わない/根本的な入力漏れの解決にならない)
・電子キーによる金庫で管理し、台帳の入力などしなくても誰がいつゴミ袋を持ちだしたか分かるようにする
⇒却下(コスパに見合わない)
・ゴミ袋の電子管理をやめて紙台帳による管理にする。紙台帳ならゴミ袋の近くにおいておく事で入力漏れを減らすことができる
⇒却下(結局使用量を集計する必要があるので電子データへの転記はしなければならず二度手間になる/根本的な入力漏れの解決にならない)
…どれも却下です。
…では無駄でしょうか。
実は多少意味があって、それは対策に対してダメな理由が知見として積みあがるという「成果」を生み出しています。
例えば誰かが持ち出して家のゴミ捨てに使いでもしない限りゴミ袋の使用量が大きく変動することなど通常ありません。
本当に人手が足りない時、月の使用量は平均どれくらいなのかのデータを持っておけば「異常」があった時にすぐに気付けます。完璧な「管理」には程遠いですが、「0点」よりはマシです。
また、ゴミ袋の値段より管理する人件費の方が高いのは明らかなのですから人件費のランニングコストを積み上げればタブレット端末や電子金庫を購入する予算を組んでもらえる可能性も出てきます。(ゴミ袋を例にしましたが、その他の備品も管理していますから人の工数はバカにできません)
私がやるべきだったことは自分の人的リソース(時間)を使わず、(例えショボいアイデアだったとしても)しっかり管理する為のアクションプランを提案し続ける、ということでした。
俗にいうPDCAサイクルを回しているか否か、です。
当時の若い私にはそれが理解できていませんでした。
蛇足ですが、「管理業務」をしっかりやっている人たちは現場のメンバーには総じて不人気でした。
私は無意識的に現場の仲間たちに嫌われるのが怖かったのだとも思います。それで会社の意向よりも仲間の意向を汲んだやり方をしたのだとも思っています。
その点についてはビジネスマンとしてはほめられた態度ではありませんが、自分の性格の特性上やむを得なかったのではないかと今でも思っています。
さて、転じてみなさんが同じ状況だった場合はどうでしょうか?
同じようにショボいアイデアでも出し続ければ評価してもらえるでしょうか?
それはやはり、どのような環境で働いておられるかによって大きく変わります。
サービス残業は違法行為です。
しかし社会の一部ではそれがまかり通っている事実があり、簡単に抜け出せない現実に身をおいておられる方もいます。
そんな方に「採用されなくてもあきらめずにアイデアを出し続ければいつか報われます」などというきれいなアドバイスは何の役にも立たないかもしれません。
「サービス残業して解決しろ」ともアドバイスできませんが、直属の上司や職場の同僚の雰囲気から何の仕事にどれくらいの比重を置けば良いかはアドバイスできるかもしれません。
あなたの置かれてる環境により、私のアドバイスは変わります。
もしかすると寄り添って差し上げることしかできない場合もあるかもしれません。
しかし、少なくともあなたの置かれている状況はずっと身をおくべき状況か、逃げるべき状況かくらいの判断はできます。
仕事でのお悩み、ぜひ一度私にご相談なさってみるのはいかがでしょうか?