Googleスプレッドシートは、「無料のExcel代わり」以上の価値があります。「単なる表計算ツール」の枠を超えたツールですよね。特にデータの自動化、さらにはチームでの仕事において非常に強力な武器になります。
でも、使い始めたばかりの人、パソコンに苦手意識のある人の場合、躓くことも多いですよね。その一方で、生成AIの登場で、ひとりでも解決できる部分は増えてきたと言えます。ある程度の基礎知識があり、ちゃんと質問できる人なら、困りごと、結構解決できるんですよ。
Googleスプレッドシートの良いところやどんな使い方ができるのかを踏まえた上で、生成AIとの付き合い方をすこし考えてみることにしましょう。
Googleスプレッドシートの良いところ
1. インストール不要で迷子になりにくい
ソフトのインストールなし
バージョン違いのトラブルなし
「起動方法が分からない」も起きにくい
ブラウザで開くだけ、これが本当に楽です。
2. 見た目がシンプルで直感的
画面がごちゃごちゃしていない
Excelより「押すボタンが少ない」印象
基本は「クリックして文字を打つ」だけ
最低限の操作だけでもちゃんと使えます。
3. 自動保存&どこからでもアクセス
保存し忘れがない
PC・スマホ・タブレット、どこからでも編集できる(ブラウザさえあればOK)
OSを選ばない(Windows / Mac / Linux全部OK)
バージョン履歴で過去の状態に戻せる
失敗しても大丈夫という安心感があります。また、外出先でサッと確認・修正できるのが便利。クラウドならではの安心感も。
4. 無料で使える
Googleアカウントさえあれば基本機能は無料
個人利用ならコストゼロで十分強力
コスパの良さは圧倒的です。
5. 外部サービスとの連携が強い
Gmailやカレンダー、Google スライド、Googleドキュメント、Googleフォーム、Google Apps Script、Looker Studioなどと連携可能
Googleドライブで一元管理
APIやWebhookを使って自動化も可能
ChatGPTや外部ツールとの連携も柔軟
“データのハブ”として使えるのが魅力で、ちょっとした業務自動化が簡単にできます。
6. 関数・自動化が強い
Excelにはない、Webベースならではの便利な関数が豊富
IMPORTRANGE、QUERY、ARRAYFORMULA など独自関数が便利
特別な用途向けの関数も
例えば、IMPORTXML / IMPORTFEED 関数を使えば、Webサイトから最新のニュースや価格情報を自動で取得できます。また、GOOGLEFINANCE 関数を使えば、株価や為替レートをリアルタイムで取得できます。
7. Google Apps Scriptで本格的な自動処理も可能
Google Apps Script (GAS) というプログラミング言語を使えば、さらに可能性が広がります。
「毎日決まった時間にメールを送る」
「スプレッドシートの内容をカレンダーに登録する」
「LINEやSlackに通知を飛ばす」
といった自動化が、自分でサーバーを用意しなくても簡単に構築できます。
また、それなりに「データベース」的な使い方もできます。
8. 複数人で同時編集できる
リアルタイムで共同作業が可能
誰がどこを編集しているかが一目でわかる
コメントや提案モードでコミュニケーションもスムーズ
これはExcelにはない“クラウド前提の設計”が生み出す強みですね。
9. 共有が簡単で権限管理も細かい
リンク共有、メール共有がすぐできる
閲覧のみ、コメントのみ、編集可能など権限を細かく設定できる
チームでの運用がとても楽になります。
初心者が困るのはどんなとき
さて、本当にいろいろな可能性のあるGoogleスプレッドシートですが、覚えることや理解したほうが良いことがたくさんあるし、簡単には理解できないことも多いですよね。困りごととその解決策を整理してみました。
1. なんとなく使ってるけど「これで合ってるか不安」なとき
見よう見まねで作った表、動いてはいるけど理由は分からない、壊したら直せない気がするという状態で使い続けている人、かなり多そうです。
これ、変なことを一切しない、自分が理解できていないような操作を一切しないで使い続けるならOKです。でも、スプレッドシートって、自分の好きなように機能を追加したりできるのがいいところですよね。
解決策:これからも使い続けるスプレッドシートなら、構造や仕組みを頑張って理解した方が良いです。勉強する必要があります。仕方がありません。
2. 毎回同じ作業を手作業でやっていて疲れたとき
コピー&ペースト、並び替え、転記を気合いでやっているけどもう嫌だということありますよね。
解決策:スプレッドシートで用意されている関数で参照したり、Google Apps Scriptと呼ばれるプログラミング言語を使って自動化しボタン1つで終わる形にします。Google Apps Script はプログラミング言語の中では入門しやすいものですが、これはちょっとハードル高いですね。プロに頼むのが無難かもしれません。
3. 関数が出てきた瞬間、思考停止するとき
あとから数字を入れるだけで済むように、セルに関数を設定したいということありますよね。でも、IF、VLOOKUP、QUERY みたいな関数、このあたりで「無理!」となる人、めちゃくちゃ多いです。
また、自分で数式をいじっていて、突然 #REF! や #ERROR! が出て、どうしても直せないということもありますよね。複雑な数式のミス探しは「暗号解読」のような苦行です。
解決策:一番良いのは「無理!」と思わず頑張って勉強することです。そうすれば、仕事を続けていく上での財産になりますから。でも、やっぱり無理とか、今は時間が取れないというときはプロに頼みましょう。
4. 「見た目がわかりやすく使いやすい」土台がほしいとき
上司に出す、お客さんに見せる、社内共有するというときには「イマイチと思われたらどうしよう」とか「ミスがあったら怖い」と思うことよくありますよね。
解決策:まず自分で勉強しましょう。関数や Google Apps Script の学習に比べれば見た目の部分の学習はハードルが低いです。そうすれば「入力していい場所」と「関数が入っているから触ってはいけない場所」の色分けを自分でしたり、保護をかけることもできるようになります。「もう時間がない」とか、やはり「自信がない」、「壊すのが怖い」という場合はプロに依頼しましょう。(でも、あなたが会社勤めで上司からの命令で行っている仕事なら、本来会社が責任を持ってあなたのサポートをするのが筋です。外部のプロに依頼する場合はコストは会社負担であるべきでしょう。)
5. 説明を読んでもわからないとき
手順を調べる、マニュアルを読むのはしんどいという人もたくさんいますよね。こういうのは人それぞれですから。
解決策:それでも自分で勉強するのが一番です。でもやっぱり自分にはそういうのは向いていないという人の場合、将来を見据えて、「Googleスプレッドシートのような表計算ソフトを使いこなせるようになることを頑張ってくれる人」を事務スタッフとして雇うのが良いです。今後生成AIが普及すればするほど、パソコンスキルの高い事務スタッフが必要になります(生成AIが使えるスタッフと使えないスタッフとでは生産性の差がとてつもなく大きくなります。)まあ、でも、これはそんなに簡単にできることでもないかもしれません。すぐには対応できない場合はとりあえずプロに頼みましょう。
6. 社内に詳しい人がいない・頼みにくいとき
詳しい人がいるのに忙しそうで聞けない、何度も聞くのが気まずいとか、そもそも詳しい人がいないことも。
解決策:どう聞けばよいのかちゃんとわかっている場合は、適切な聞き方で生成AIに質問してみましょう。でも、得られた回答を読んでも意味がわからないということもありますよね。生成AIを当てにするなら土台となる知識を日頃から少しづつ身につけておく必要があるんです。とりあえず一時しのぎをしたい場合はプロに頼みましょう。
困りごとを生成AIで解決するには
さて、やっと本題に入ることができます。
自分で勉強する、プロや周囲のわかる人に頼むというのがこれまでの解決策でしたが、生成AIの登場で状況が少し変わってきました。
生成AIは「的確な」質問をするとかなり正確な答えを返してくれます。
でも、知りたいことを、順序立てて、誤解されないように十分詳しくきちんと生成AIに説明することが大事なんです。
「何がわからないのかが、わからない」状態で質問してもだめです。曖昧な質問をし続けてもだめです。正しく伝える力、まあ、国語力ですよね。
また、回答を理解できるためにはある程度の国語力やITに関する基礎知識が必要になるのも事実。テクニカルなことは無視して良いので、土台や基礎概念を日頃から少しづつ勉強しておくのが良いです。
いくつかの良い聞き方の例
以下の例では、質問の仕方がよくわかるように、あえて生成AIに質問するほどではない簡単な処理を尋ねています。
ケースA:計算式を知りたい
「A2からA10までの数字の合計を、B1のセルに出すための数式を教えてください。初心者なので、数式をコピーしてそのまま貼り付けられる形でお願いします。」
ケースB:特定の条件で見た目を変えたい
「B列に日付が入っています。今日より前の日付のセルだけ、背景を赤色にする方法を教えてください。メニューのどこをクリックすればいいか、手順を1つずつ解説してください。」
ケースC:エラーが出て困っている
「スプレッドシートで #VALUE! というエラーが出てしまいました。A1(数字)とB1(文字)を足そうとしているのが原因でしょうか?解決策を教えてください。」
上の3つの例では、以下のことを意識して質問しています。
・やりたいことを具体的に
・状況や前提を伝える
・どこでつまずいているかを書く
・必要に応じて求める答えの形式を指定
知っておくと良いこと
「初心者です」と宣言する
Googleスプレッドシート初心者です」、「Excelは少し触ったことがあります」、「関数はほとんど分かりません」と伝えておきましょう。
これだけでも、AIは専門用語を避けたり、操作手順(「表示」メニューから「〇〇」を選んで…など)を詳しく説明したりする傾向があります。
表の構造を言葉で伝える
「1行目は見出しで、A列が氏名、B列が年齢です」のように、表のレイアウトをはっきり説明すると、AIはより正確な数式を作れます。
専門用語は無理に使わない
初心者ほど「用語を正しく書かなきゃ」と思いがちですが、やりたいことを日本語で書くのが正解です。
「うまくいかない、回答が理解できない」ときは追加質問をする
一発で完璧を狙わなくてOKです。追加質問をしましょう。
例えばAIが教えてくれた数式を使ってもエラーが出た場合は、そのエラーをそのままコピペして「〇〇というエラーが出ました」と伝えてください。AIは自分の間違いを修正するのはかなり得意です。また、どうしても回答が理解できない場合は「もう少し簡単に説明してください」、「関数を使わない方法はありますか?」などと聞いてみるのも一つの手です。
自分でうまく質問文を考えられないときにとりあえず使うテンプレート
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Googleスプレッドシート初心者です。
【やりたいこと】
〇〇したいです。
【シートの構成】
A列:〇〇
B列:〇〇
【困っていること】
△△が分かりません。
できれば、操作手順を1つずつ教えてください。
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このテンプレート、「困っていること」の部分をもっと具体的に書きたいところですが、全体としてはちゃんと話の流れを作って順を追って質問しています。
ですから、手始めの質問としては問題ないです。返された回答をよく読んで次の質問につなげましょう。
いかがでしたか?生成AIを使ったことがない人、とりあえず上のテンプレートを利用して試してみると良いかもしれません。生成AIと上手に会話をしていくと、Googleスプレッドシートの使い方の理解も深まります。勉強になるんです。ただし、個人情報や機密情報は送信しないでくださいね。お客様の個人情報が入力されているデータとか、絶対に送信しちゃだめです。