医学英語論文の書き方マニュアル ―― 誤用しやすい表現とその注意点

記事
学び
英語論文を執筆する中で
「文法的には正しいけれど、学術的な文脈では誤解を招く」
あるいは
「適切な語の選び方に迷う」
といった場面は少なくありません。
今回は、医学英語論文を書く際に特に注意したい表現を3つ取り上げ、
具体例を交えながらその使い方をご紹介します。

1. "Respectively" の正しい使い方
“respectively” は、「AとBはそれぞれCとDである」のように、
複数の項目同士が一対一に対応していることを明確に伝える際に使われます。
✅ 正しい例:
X, Y, and Z like baseball, soccer, and swimming, respectively.
→ Xは野球、Yはサッカー、Zは水泳が好きである。
このように、前後の要素が順番通りに対応していることが条件です。
⚠️ よくある誤用:
X likes baseball and Y likes soccer, respectively.
→ この文は対応関係が文構造上示されておらず、
”respectively”の使用は不適切です。
また、AとC、BとDのように、順番に意味がなく、
単なる「関係がある」というだけでは“respectively”は使えません。
一文の中で並列関係が明確に構築されているかどうか、
が判断のポイントになります。

2. 「関連する」の表現:Associated vs. Correlated
日本語の「関連する」は便利な表現ですが、英語では文脈に応じて適切な語の選択が求められます。
特に“associated” と “correlated” は意味のニュアンスが異なります。

調査・探索段階では:
We examined factors associated with the long-term renal outcome.
→ 長期腎予後に関連する因子を検討した。
→ まだ関連性が確定していない段階では “associated” を使います。
関連性が確認された場合は:
XX was correlated with the long-term renal outcome.
→ XXは長期腎予後と相関していた/関連していた。
→ 統計的に関連があると示された結果には “correlated” が適切です。
このように、研究のフェーズ(探索か、結果か)によって語を使い分けることが大切です。

3. 「死亡率」「致死率」の英語表現の違い
日本語では「死亡率」と「致死率(致命率)」を区別して使いますが、英語論文でも正しく使い分ける必要があります。
🔹 死亡率(mortality rate / death rate)
• 一定期間における死亡者数 ÷ 特定の集団全体の人数
• 例:The mortality rate in the elderly population was 5%.
🔹 致死率(case-fatality rate)
• 一定期間におけるある病気の死亡者数 ÷ その病気の患者数
• 例:The case-fatality rate (CFR) of disease X was 8%.
両者は混同されがちですが、意味合いが大きく異なります。論文では、定義に基づいた厳密な用語選択が求められます。
________________________________________
おわりに
英語論文では、文法や語彙の正しさだけでなく、「文脈に即した自然な表現」が重要です。
特に“respectively”のようなややこしい副詞や、“associated / correlated”のような類義語、あるいは定義に基づいた専門用語の使い分けは、論文の信頼性や読みやすさに直結します。

今後も一見細かいことに見えるけれど重要なポイントを取り上げていきますので、ぜひ参考にしてください。

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら