ツインレイ女性には経済的自立というテーマが、
襲い来るという。
そんな話を、
ここを読まれている方も、
耳にしたことが、いや、ネット上で目にしたことがあるかもしれない。
ご多分にもれず、
Xも経済的自立を目指していた。
その理由は諸々あるのだが、
一番は、こうして私の実家に厄介になっていることの不自由からの開放だ。
今までは体調面で致し方なかった部分はあるのだが、
それでも、なんとかここを出ていく希望を手にするため、
経済的自立は避けては通れない問題だった。
Xの場合は、
ツインレイ女性としてのチャネラーやヒーラーみたいな、
超能力はない。
ただ、自己表現力には優れており、
言葉の扱いでは、2度ほど賞を頂いたこともあり、
文筆業というフィールドは、適しているように思われた。
そのため、ついに自身の本を、個人誌として売り出し、
そこから人脈づくりをしようという算段になっていた。
この話は、その発売の翌日の話である。
当たり前だが、まだ一冊も売れてはいない。
それでも、
まずは自分自身を外に表現したことを、
私は褒めたいと思ったため、
いつもの缶チューハイを、ちょっと良いツマミとともに差し出した。
「自己表現の壁を突破したこと、おめでとう」
それそのものは、Xは喜んでいたが、
自身の克服グセについて悩んでもいた。
すなわち、ここで私の両親に対して、
怖いと思わないように、
それを克服するのはどうしたらいいかということに悩んでいた。
この話はもう何度も繰り返してきたことなのだが、
克服は必要ない。怖いと感じていい。
克服できたところで、将来のメリットが有るようには、
どうしても思えなかった。
そこで私は言った。
「Xちゃんの星回りだと、克服するってことじゃないと思う」
「じゃあ、どうしたらいいの?」
「受け入れるってことじゃない?」
「え、ホロスコープって克服するためにあるんじゃないの?」
「そんなのどこで聞いたの?」
「あれ、どこで聞いたんだろう。
どうしよう、また勘違いして思い込んじゃった!
それじゃあ、なんのためにホロスコープはあるの?
出発点じゃないの?」
「出発点であり、ゴールだよ」
ここは解説しておく。
ホロスコープのネイタルチャート(生まれた時点の図)で、
表される性質というのは、確かに出発点ではある。
しかし、それだけにとどまらないと私は考えている。
それは出発点でありながらゴールであり、
多くの人は自分ではないものになろうと、
つい遠回りしたあげく、結局は出発点に帰っていく。
Xも私の両親のような「残念な人」を受け入れられる、
「心の広い人」になろうと、らしからぬ遠回りを続けていた。
「(出発点がゴールなら)じゃあ、
ひどい家に生まれた人はまたひどい家に戻るの?」
「それは状況の話で、
ホロスコープで表しているのは意識に過ぎない。
ひどい家の状況に生まれても、
意識を変えれば、
ひどい家という状況は変わる」
「例えば、とある講演家の方は、
自分が養子だったことを、
ある程度受け入れていて、
『あれ、養子の悲哀出ちゃったかな』と、
ネタにするほど昇華している」
「もし受け入れられなかったら、
養子である自分を一生隠して、
傷のまま残しておくことになるんだけど、
彼はそうはならなかった」
「ホロスコープというのは、
そのカードで人生やってみてね、
という意味に過ぎない」
活かすも殺すも自分次第、というわけだ。
与えられたカードの特徴を理解し、
受容し、工夫して行く。
それが真の成長とみなされる。
「弱点を克服するのがホロスコープだと思っちゃった。
なんで誰も教えてくれなかったの?」
「いやいや、克服はいらないって何度も言ったでしょ」
「それよりは、持ってきたカード受け入れて、
一生懸命活用することを目指したほうがいいと思う。
現にYも、
星回りのとおり動いて成功しているように見えるって、
Xちゃんも言ってたじゃない」
「じゃあ、心の広い人にならなくていいの?」
「心の広い人に憧れるのはわかるけど、狭くても嫌われないよ。
しかもうちの両親みたいな人を許せるようになるのは、
かえって、まともな人に対する裏切りだと思う。
なんで、ああいう人たちをいいよいいよと許して、
野放しにするんですか、と」
「だから、ようするに、もうXちゃんに、
変わるべきダメなところなんてないんだよ」
「心が広くあることなんて、Xちゃんに誰も求めてないよ。
それよりは◯◯星の個性を生かしたほうが、いいと思う」
(Xのホロスコープについては、Yと同一のため、一部伏せ字にしています)
「なんか、すごくショック。ずっと克服しようとやってきたのに。
克服なんていらなくて、そのままで良かったなんて」
10代でエンパスを発揮し始めてから、
30年が経つ。
その30年、ずっと自分の欠点を克服しようと苦しんできた。
それだけに、何も変化しなくていいというのは、
かなりショックだったようだ。
すべての人に共通する、
克服すべき欠点というのは、
「自分の長所を知らない」ということが中心なのかもしれない。
30年前、
一浪して大学に入学したXは、
途中から馴染めなくなり、
金銭的事情もあり、中退している。
しかし、在学中にゼミで行っていたことが、
あとで個人誌販売につながってくる文筆スキルだったのだから、
人生とはつくづく無駄がないように思える。
それから30年。
鳥かごに囚われたような日々であったという。
そして、Xの星回りには、
30年前にセカンダリプログレッションの月を含めてできる、
鳥かごと呼ばれるアスペクトがあった。
そして今、
セカンダリプログレッションの月が1周したいま、
それがまたできようとしていた。
世間に馴染めない30年の鳥かごから、
開放される時が来ている。
そう感じる星回りではあった。
あれだけ成功しているYもまた、
それがあるとするならば、
心は30年の孤独にありながら仕事をしていたのかもしれない。
彼にもまた救われる時が来ていて、
いよいよXを迎えに来る余裕が生まれてくることを、
私は切に願っている。