○はじめに
職種によっては、長時間座り続ける、デスクワークが主の方も多くいるかと思います。しかし、労働時間中のほぼ全ての時間、という長時間で座り続けることは健康に及ぼす影響は意外と大きいものです。今回は、座りっぱなしが体にどのような影響を与えるのかと、それを軽減するための対策をご紹介します。
○座りっぱなしの体への影響
1.筋肉と骨格への影響
長時間座り続けると、背中、肩、首の筋肉が固まりやすくなります。これは、座っている姿勢がこれらの部位が緊張し続け、血流を悪化させるためです。また、慢性的な座位は腰痛の主な原因の一つとされています。悪い姿勢で力がかかり続けることで、椎間板(脊椎のクッションの役割を果たす組織)に傷をつけてしまうことがあります。これにより、姿勢の悪化だけでなく、慢性的な背中や首の痛みを引き起こす可能性があります。
2.循環器系への影響
座位は身体の活動量を大きく下げているので、全身の血流が悪化しやすいです。特に下半身の血流は座っているときに顕著に低下し、これが静脈血栓のリスクを高めることがあります。長年にわたる、長時間の座位は、全体的な運動量の低下に影響しますので、身体の代謝機能等も低下し、生活習慣病のリスクを高めるとも関連付けられています。
3.代謝への影響
座り続けることは、運動量が少ないということ。カロリー消費量が少なくなり、体重増加を引き起こす要因となります。また、運動量や活動量の減少は、筋肉量の減少を招き、基礎代謝量も低下し悪循環を生じてしまいます。
○対策方法
1.定期的に動く
上記のリスクを減らすためには、定期的に休憩を取り、動くことが重要です。少なくとも1時間に一度は立ち上がり、5分間は歩き回るかストレッチを行うことがおすすめです。これにより、筋肉の緊張を和らげ、血流を改善し、代謝活動を促進します。また、目の疲れを防ぐためにも、視界を遠くに変える時間を設けることが大切です。
2.適切な姿勢の維持
デスクワークを行う際には、適切な姿勢を保つことも大切です。イスに深く座り、背もたれを使って背中を支えるようにし、足は床にしっかりとつけましょう。また、モニターは目の高さに設置し、画面から目は40cm以上離れましょう。キーボードやマウスは腕が自然に伸びる位置に置くことで、肩や腕の負担を減らすことができます。
3. デスクワークのバリエーションを加える
同じ姿勢で長時間作業を続けることは、体に多くの負担をかけるため、作業様式に変化を持たせると良いです。座る位置を定期的に変えたり、スタンディングデスクの導入などが効果的です。これにより、体の一部にかかる負荷が分散され、体が楽になるかと思います。
○さいごに
仕事上、座り続けることは避けられないかもしれませんが、紹介した対策を取り入れることでその健康リスクを軽減することが可能です。小さな行動が大きな違いを生むため、ぜひ参考にしてみてください。