ご家族を亡くされたあと、相続の手続きを始めると、多くの方が同じところでつまずきます。
銀行の窓口で分厚い戸籍の束を提出し、返却を待ち、次の銀行へ持っていって、また提出する。
証券会社、法務局、年金事務所と続くうちに、平日の午前中が何日も消えていきます。
この繰り返しをなくすための制度が「法定相続情報証明制度」です。そこで使うのが、法定相続情報一覧図です。
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【1】法定相続情報一覧図とは
亡くなった方(被相続人)と相続人の関係を、1枚の図にまとめたものです。
この図と戸籍謄本等の束を法務局に提出して申出をすると、登記官の認証文が付いた写しが交付されます(不動産登記規則247条)。
この写し1枚が、戸籍の束の代わりになります。
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【2】何が変わるのか
□ 戸籍の束を持ち歩かなくてよくなる
窓口で出すのは一覧図の写し1枚だけです。原本を預けて返却を待つ必要もありません。
□ 必要な通数を無料で交付してもらえる
何通お願いしても費用はかかりません。銀行3行と法務局に同時に出したければ、4通請求すればよいのです。
手続きを並行して進められます。
□ 5年間は再交付を受けられる
一覧図は法務局に保管され、申出日の翌年から起算して5年間、当初の申出人となった方が無料で再交付を受けられます。
手続きが長引いても、戸籍を集め直す必要はありません。
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【3】どんな手続きで使えるのか
・不動産の名義変更(相続登記)
・銀行預金の解約、払戻し
・株式や投資信託の名義変更
・生命保険の死亡保険金の請求
・相続税の申告
・年金の手続き
多くの相続手続きで、戸籍一式の代わりとして受け付けてもらえます。
ただし提出先によっては別途必要となる書類がありますので、事前に利用先へご確認ください。
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【4】相続税の申告に使う場合の注意
一覧図には相続人の続柄を記載しますが、ここを「子」とだけ書いた一覧図は、相続税の申告書に添付する書類として認められません。
実子か養子かが分かるように、「長男」「長女」「養子」のように記載しておく必要があります(相続税法施行規則16条3項)。
申告に使う可能性が少しでもあるなら、はじめから具体的な続柄で作成しておくことをおすすめします。あとから作り直すのは手間です。
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【5】ご注意いただきたい3つの点
① 戸籍集めが不要になるわけではありません
一覧図を作るには、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍が必要です。
省けるのは「何度も出し直す手間」であって、集める作業そのものは残ります。
② 相続放棄をされた方も記載されます
一覧図は戸籍の記載に基づいて法定相続人を明らかにする書類です。相続放棄や遺産分割の結果、実際には財産を受け取らない方も載ります。
③ 戸籍を提出できない場合は利用できません
この制度は戸籍を前提としています。被相続人や相続人が日本国籍を有しないなど、戸除籍謄抄本を提出できない場合は使えません。
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【6】作成は行政書士に依頼できます
一覧図の作成と法務局への申出は、ご自身でもできます。
ただ、戸籍の読み取りと相続人の確定には慣れが必要な場面があり、住所や氏名の表記が住民票と一致していないという理由で補正になることも珍しくありません。
当事務所では、お手元の戸籍謄本等から法定相続情報一覧図を作成し、データでお届けしています。戸籍が不足している場合の収集や、法務局への申出の代理も承っております。
「うちの場合はどうなるだろう」という段階でも構いません。ご購入前のご相談だけでも歓迎です。
ことぶき行政書士事務所
行政書士 堀部 晶子
東京都行政書士会所属/登録番号 第18081890号
※取扱いは法改正や法務局の運用により変わることがあります。手続きの際は管轄の法務局にご確認ください。
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