整体やマッサージに行くと、
その場では楽になる。
肩が軽くなる。
首が動かしやすくなる。
呼吸もしやすくなる。
でも、数日するとまた戻る。
気づくと肩が上がっている。
首が重い。
奥歯を噛んでいる。
呼吸が浅い。
寝る前になっても身体の力が抜けない。
そんな状態が続くと、
「また戻った」
「自分の姿勢が悪いのかな」
「もっと強く揉んでもらわないとダメなのかな」
と思ってしまうことがあります。
でも、戻ってしまう身体を、すぐに責めなくてもいいかもしれません。
肩こりや首こりが戻る人の中には、
筋肉が硬いだけではなく、身体がいつもの“守り方”に戻っている人がいます。
たとえば、
気を張る。
肩を上げる。
奥歯を噛む。
呼吸を浅くする。
首の後ろを固める。
胸やみぞおちに力を入れる。
これは、怠けでも気合い不足でもありません。
身体が日常の中で、無意識に自分を守ろうとしている反応かもしれません。
だから、ただ肩を揉んで楽になっても、
日常に戻るとまた同じ守り方に戻ることがあります。
ここで大切なのは、
いきなり「力を抜こう」としないことです。
力を抜けるなら、もう抜けています。
でも、抜けない。
それは身体が、まだ
「力を抜いても大丈夫」
「肩を下げても大丈夫」
「呼吸を深くしても大丈夫」
「首をゆるめても大丈夫」
と受け取れていない状態かもしれません。
この状態で無理に緩めようとすると、
身体は逆に守ろうとして固まることがあります。
だから、肩こり・首こりが戻る人には、
強く変える前に“安心できる入口”が必要です。
私が大切にしているのは、
身体に対して無理に変化を起こすことではありません。
身体が受け取れる範囲で、
小さく、やさしく、
「もう少し力を抜いても大丈夫かもしれない」
と感じられる時間を作ることです。
私はこれを、安心入力という考え方で見ています。
安心入力は、強く揉むことではありません。
無理に伸ばすことでもありません。
姿勢を正しく固めることでもありません。
まずは、身体が今どこで守っているのかに気づく。
肩は上がっていないか。
奥歯を噛んでいないか。
呼吸は浅くなっていないか。
首の後ろに力が入っていないか。
胸やお腹が固まっていないか。
そこに気づくだけでも、身体は少し変わる入口を持てます。
寝る前にできる小さな入口があります。
仰向けでも、座った姿勢でも構いません。
片手を胸、またはお腹にそっと置きます。
押さなくて大丈夫です。
揉まなくて大丈夫です。
呼吸を深くしようと頑張らなくて大丈夫です。
ただ、手の重さを身体に預けるように置いて、
今の呼吸を感じます。
浅ければ浅いままでいい。
詰まっているなら、詰まっているままでいい。
その状態で、
「今は少し休んでも大丈夫」
と身体に伝えるように、1分だけ置いてみます。
これだけで劇的に変わる、という話ではありません。
でも、身体が守り続けている人にとっては、
この小さな安心の入口が大切になることがあります。
肩こり・首こりは、肩だけの問題ではないことがあります。
目の疲れ。
アゴの噛みしめ。
呼吸の浅さ。
胸の固さ。
気を張るクセ。
休んでも抜けない緊張。
それらが重なって、肩や首に出ていることがあります。
だから、肩だけを揉んでも戻ることがある。
この場合に必要なのは、
もっと強く揉むことではなく、
身体が守らなくても大丈夫だと感じられる入口かもしれません。
整体やマッサージが悪いわけではありません。
楽になるなら、それは大切な入口です。
でも、楽になってもすぐ戻るなら、
その身体にはもう一つ別の見方が必要かもしれません。
楽になることと、戻りにくくなることは少し違います。
戻りにくくなるためには、
身体が安心してその状態を受け取れることが大切です。
戻ってしまう身体を責めなくて大丈夫です。
その身体は、今まであなたを守るために頑張ってきたのかもしれません。
肩が上がるのも、
首が固まるのも、
呼吸が浅くなるのも、
身体なりの守り方だったのかもしれません。
だからこそ、無理に変える前に、
まずは身体が安心できる入口を作る。
そこから、戻り方は少しずつ変わっていきます。
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