こんにちは、イラストレーターのmococi(モコチ)です。
創業に関する講座を受ける機会があり、これからの働き方や自分が大切にしたいことについて改めて考えるようになりました。
日々の仕事に追われていると、つい後回しになってしまいがちな“事業の軸”や“方向性”。
でも、自分がどんな価値を提供したいのか、どんな想いで活動しているのかを明確にしておくことは、日々の判断を助けてくれる大切な指針になります。
今回の記事は自分自身の頭と心を整理するためのまとめですが、同じように事業の方向性に悩んでいる方にとってもヒントになる部分があれば嬉しいです。
フリーランスとして活動していく中で、一番の土台となるのが「経営理念」。
まずは、この“経営理念”から考えてみたいと思います。
■経営理念と行動指針
経営理念とは、事業者の活動方針の基礎となる「基本的な考え方」です。
行動指針や目的などを明文化し、果たすべき使命や基本姿勢を表明するものです。
ではなぜ、経営理念が大事かといいますと、
・私の「目指すこと」がはっきりする
・顧客に、私が「提供したいこと」を伝える
・取引先、パートナーに私の「やりたいこと」を理解してもらう
・従業員(一緒に働く仲間)と「心を一つ」にする
からです。
こうした意義を踏まえて、私自身の活動方針についても整理し、経営理念・行動指針・ビジュアルスタイルを明文化しました!
1、経営理念
経営理念を考えるうえで、
①どんな商品を②そんなやり方で③どういう方々に価値を提供するのか、という3つの要素を意識して考えてみました。
「最適なタッチと上品でやわらかい世界観で形にし、暮らしと心を彩るビジュアルを届けます」
▶暮らしと心を彩るビジュアル
・イラスト・ビジュアル全般
・やわらかく、品のある世界観が特徴
▶伝えたい想いを、最適なタッチと上品でやさしい世界観で形にし
・クライアントの「想い」や「メッセージ」を丁寧にくみ取る
・メディアや目的に応じて、リアル〜デフォルメの「最適なタッチ」を選定
・自分の作風を活かして視覚化
▶暮らしと心を彩る:人々(=生活者・読者・視聴者・クライアント)
・ライフスタイル誌、広告、コラム、WEBなど、メッセージ性を重視する媒体の読者や視聴者
・その媒体を制作する編集者・広告主・制作担当者(=クライアント)
2、行動指針
▶伝えたい想いを視覚化
・11年の営業経験で培った“汲み取る力”を駆使し、クライアントの想いやメッセージを深く理解し、心に届くビジュアルに落とし込みます。
・どんな要望にも丁寧に耳を傾け、クライアントの本質的なニーズを把握し、最適な表現方法を選択します。
▶リアルからデフォルメまで
・ターゲットやコンセプトに応じた最適なタッチで、リアルな描写からデフォルメまで柔軟に対応します。
・メディアや広告に合わせて、「最適なビジュアル表現」を提案し、視覚的なインパクトを与えるデザインを実現します。
▶締切はしっかり、やりとりは柔軟に
・納期厳守で、スケジュールに合わせた進行管理を徹底します。
・同時に、クライアントとのやり取りは柔軟に行い、進行中も安心していただけるよう、常に誠実で丁寧な対応を心がけます。
経営理念を定めたことで、
「どんな想いを持って事業をしているのか」「誰にどんな価値を届けたいのか」が明確になってきました!
しかし、理念だけでは道筋がぼんやりしてしまいがちです。
実際に事業を成長させていくためには、私自身の事、私の周りの事、私の競合相手の事、を分析することが大事です。
そこで次に、経営分析のためのフレームワーク(枠組み)について考えていきたいと思います。
■フレームワーク
自分の立ち位置や強みを客観的に把握することはとても大切な事です。
代表的なビジネス分析フレームワーク「SWOT分析」「PEST分析」「3C分析」「5フォース分析」を使って、自分の事業を整理してみました。
1、SWOT分析
SWOT分析は一番頻繁に使われる分析方法になるので、まずはSWOT分析で自分の強み・弱み、外部のチャンスとリスクを整理していきたいと思います。
SWOTとは、ビジネスや自己分析に使われるフレームワークで「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4つの視点から自分や事業を客観的に整理する方法で、内的要因(強み・弱み)と外的要因(機会・脅威)を把握することで、戦略の方向性を見出すフレームワークの事です。
▶S(強み)|自分の中にある強み
・デフォルメ〜リアルまで幅広い画風に対応
・シンプルでおしゃれな表現が得意
・Webサイトを整備済みで営業ツールとして活用できる
・ココナラで200件以上の実績、評価5.0
・元メガバンク営業の経験があり、ヒアリング・提案に強い
・丁寧で安心感のあるやりとり、納期管理もしっかり
・SNS・noteなど発信も行っている
・Webクリエイター能力認定試験(エキスパート)取得
・イラストレーション協会で継続的に学び中
・artbook cut2024掲載
・PTA活動経験を活かした実績あり
・補助金や展示会など外部リソースを活用できる
▶W(弱み):自分の中にある課題やリスク
・営業・制作・経理をすべて1人でこなしている
・PTA案件など受注時期に偏りがある
・SNSやnoteの更新頻度にムラがある
▶O(機会):社会や市場のチャンス
・ココナラが法人向けに強化され、ビジネス案件が増加中
・年鑑など掲載による広告効果
・PTA業務の外注化が広がっている
・地域の商店街・小規模事業者に販促ニーズがある
・フリーランス法の整備により働く環境が改善されつつある
▶T(脅威):社会や業界のリスク
・クラウドソーシングや副業参入で競争が激化
・無料素材やAI画像の台頭で価格競争が起きやすい
・ココナラなどでの価格比較で単価が下がるリスク
・他のクリエイターの戦略に合わせる必要性も
かと自分を分析しました。
ですので、
強みを活かすために、SNS更新の頻度や営業活動を計画的に進める。特に営業ツールとしてWebサイトを活用し、ポートフォリオを整理して、クライアントのニーズに応じた提案力をさらに強化。
弱みを克服するために、業務の効率化を進め、外注やパートナーシップを活用して負担を減らす。また、受注時期の偏りを防ぐために、スケジュール管理を徹底し、全体の業務量を均等に分ける方法を考える事をしていこうと思います。
ここまでで、私の強み・弱みや市場が整理できたかと思います。
足りないのが“競合”という分野。
そこで、次に「3C分析」という分析をしていきたいと思います。
2、3C分析
3Cとは、ビジネスの成功要因である「3つのC」Company(自分の強み弱み)Customer(顧客・市場Competitor(競合とその特徴)の視点から分析するフレームワークで、この3つを整理することで、自分に合った戦略や価値の打ち出し方が見えてきます。
Company(自分の強み弱み)とCustomer(顧客・市場)は先程のSWOT分析で理解してきたので、ここではompetitor(競合とその特徴)について考えていきたいと思います。
▶ompetitor(競合とその特徴)とは?
・同業のイラストレーター:自分と似たテイスト・ターゲット層に向けたスタイルを持つ人たち。価格や納期の面でも競争が起きやすい。
・企業や広告代理店のデザイナー:社内にイラスト制作の体制を持っており、外注の機会が限られる場合がある。
・AIや自動生成ツール:画像生成AIやテンプレートツールの進化により、一定のイラストニーズを手軽に満たせるようになってきている。
▶自分ができることは?
・“汲み取る力”を活かした差別化:11年の営業経験を活かし、要望を丁寧にくみ取り、信頼される対応力で差をつける。
・オリジナリティとブランドの強化:やさしく上品なタッチと一貫した世界観で、自分らしさを明確にし、ファンやリピーターを増やす。
・品質と信頼のある進行管理:丁寧なやり取りと納期遵守で、安心して依頼してもらえる関係を築く。
と自分自身を分析しました。
3、PEST分析
ここからは補足的なフレームワークになりますが、併せて考えていきたいと思います。
最初のSWOT分析で世の中の動きについては考えましたが、こちらはより詳細に外部の動きを分析するものとなります。
PEST分析とは、自分の力では変えられないマクロ環境(世の中の流れ)を、政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の4つの視点から整理し、チャンスやリスクを見極めるためのフレームワークです。
PEST分析をもとにした環境把握と今後の行動を考えてみました。
▶ P(Politics):政治・法制度
フリーランス法の施行により、発注者との契約環境が整備されつつあり、著作権保護やクリエイター支援の制度も徐々に充実している。
→ 今後は、法制度に対応した契約書の整備や、安心して働ける環境づくりに取り組む
▶ E(Economy):経済
副業・フリーランス人口の増加により市場は拡大傾向にある一方、景気や広告予算の影響を受けやすいという不安定さもある。
→ 市場の動きを注視しながら、需要のある分野(PTA活動の外注化やウェルビーイング関連のイラストなど)に対応できるサービスを柔軟に提供していく
▶ S(Society):社会・文化・価値観
働き方の多様化やPTA業務の外注化が進み、「多様性」「ウェルビーイング」などの価値観に共感が高まる中、やさしく上品なビジュアルのニーズも増えている。
→ 自分の得意とする温かみのあるテイストを活かし、共感を呼ぶテーマやビジュアルを積極的に発信・提案していく
▶ T(Technology):技術
AIによる画像生成技術の急速な進化、SNSやクラウドツールによる業務効率化、Canvaなどテンプレートツールによる代替の可能性など、技術革新が進んでいる。
→ AIやSNSを積極的に活用し、効率的な制作体制と新たな表現手法を取り入れることで、競争力を高めていく
このように社会の変化を身近にとらえて、事業に反映していきたいと思います!
4、5フォース分析
3C分析で競合の事を分析しましたが、外部からの圧力・影響(Force)など、競合や業界全体の状況を詳細に分析する方法になります。
5フォース分析とは、自分の属する業界の競争環境を、業界内の競争・代替品の存在・買い手の交渉力・売り手の交渉力・代替品の存在新規参入という5つの視点から分析し、自分のビジネスがどのような影響を受けるかを見極めるためのフレームワークです。
業界内の競争:既存の競合他社
フリーランスが非常に多く、価格・スピード・納期などで競争が激しい
売り手の交渉力:仕入れ先の交渉力
独自性・信頼・実績があれば価格や条件交渉もできる
買い手の交渉力:顧客の交渉力
価格比較が簡単な時代で、単価を下げられる圧力も強い
新規参入の脅威:業界へ新規参入
SNS、Canva、副業イラストレーターの登場で参入障壁はかなり低い
代替品の脅威:業界の外から
無料素材、ストックイラスト、AI画像など「外注しない選択肢」も増加中
という事が考えられます。
こういった視点で、どういう影響が出てくるかというのを考えていきたいです。
ここまで、
・SWOT分析 → 強みとチャンスを見つけ、戦略の軸を作る
・PEST分析 → 社会の変化に対応し、未来に備える
・3C分析 → 誰に、何を、どう届けるかを明確にする
・5フォース分析 → 業界の中でどう立ち回るかを見極める
について考えてきましたが、たまに立ち止まって「今、自分はどこに立っているか?」を見つめるためのツールとして、これらの分析を活用していきたいと思います。
■経営資源の確保
事業するにあたって経営資源が十分に確保されているか考えていきます。
人:私、従業員、業務委託者
もの:店舗、WEBページ
金:自己資金、借入金など
情報:業界の業務知識、動向など
+外部との関係も重要
これを自分に当てはめると、
人:私、業務委託者
もの:WEBページやスキルマーケット
金:自己資金、必要に応じた経費
情報:イラストレーション協会による情報やSNSからの情報収集
+外部との関係:商工会議所・イラスト仲間・同業コミュニティ
これらの必要資源も都度確認していきたいと思います。
こうして事業の全体像を俯瞰してみることで、自分にとって大切なものや、これからの方向性がより明確になってきました!
今回の記事が、同じように模索中の方にとっても何かヒントになれば嬉しいです。
次回は、「私は何を軸に、どこで誰に価値を届けていくのか?」を明確にするために、どのように事業を展開していくべきか(事業ドメイン)について自分の考えをまとめていきたいと思います。