「この件、Excelに書いてあります」
「チャットでも送りました」
「電話でも伝えたはずです」
それなのに、
「聞いていません」
「どれが最新版ですか?」
「誰が対応する話でしたか?」
というやり取りがなくならない。
中小企業の現場では、こうしたことが珍しくありません。
情報共有の方法は増えているのに、なぜか確認漏れや対応漏れも増えていく。
その原因は、連絡手段が少ないことではなく、同じ情報が複数の場所へ分散していることにあります。
私は中小製造業で、ひとり総務に近い仕事をしています。
総務の仕事では、Excel、メール、電話、口頭、チャット、紙など、さまざまな方法で情報が届きます。
一つひとつは便利でも、記録する場所と確認する場所が決まっていないと、管理する側の仕事は増えていきます。
今回は、Excel・口頭・チャットが混在する職場で情報共有がうまくいかない理由と、改善するときの考え方をまとめます。
連絡手段が多いほど安心、とは限らない
重要な連絡だから、
・電話で伝える
・チャットにも書く
・Excelにも残す
・念のためメールも送る
という対応をすることがあります。
一見すると、何重にも連絡しているため、漏れにくそうに見えます。
しかし、受け取る側からすると、
「どれを見ればよいのか」
が分からなくなります。
電話とチャットで内容が少し違う。
Excelは更新されているが、メールには古い数字が書いてある。
口頭では期限変更を伝えたが、管理表は変更されていない。
こうなると、連絡手段が多いこと自体が、混乱の原因になります。
大切なのは、連絡方法を一つにすることではありません。
どこを正式な記録とするかを決めることです。
Excelは便利だが、連絡管理には弱い
ExcelやGoogleスプレッドシートは、一覧管理や集計にはとても便利です。
ただし、複数人で連絡や依頼を管理しようとすると、次の問題が起こりやすくなります。
・誰が更新したか分からない
・行や数式が崩れる
・確認済みか分からない
・対応中なのか完了なのか分からない
・ファイルを開かないと新しい連絡に気づけない
・誰が担当するのか曖昧になる
管理表へ情報を追加しただけでは、相手が見たことにはなりません。
つまり、
記録したことと、伝わったことは別
です。
Excelを連絡管理に使う場合は、通知、担当者、期限、確認状況、完了状況まで管理できる仕組みが必要になります。
チャットは早いが、重要な連絡が流れやすい
社内チャットは、電話より記録が残り、メールより気軽に送れます。
一方で、投稿数が増えると重要な連絡が流れてしまいます。
送信者は、
「チャットに書いたから伝わった」
と思います。
受信者は、
「あとで対応しよう」
と思ったまま忘れることがあります。
既読機能があっても、
・内容を読んだ
・自分が担当すると理解した
・対応を始めた
・作業が完了した
のどこまで進んでいるかは分かりません。
チャットは会話には向いていますが、期限がある依頼や、完了確認が必要な業務には、別の管理が必要です。
電話と口頭は、記録が残らない
電話や口頭は、急ぎの連絡や複雑な説明に向いています。
その場で質問できるため、文章より早く済むこともあります。
ただし、通話が終わった後に記録を残していなければ、
・誰が伝えたか
・何を依頼したか
・いつまでか
・誰が担当するか
・最終的にどうなったか
が残りません。
本人同士は覚えていても、別の担当者へ引き継ぐことはできません。
電話を禁止する必要はありません。
重要な連絡だけでも、通話後に正式な管理場所へ記録することが大切です。
情報共有で決めるべき5つのこと
連絡方法を増やす前に、次の5つを決めます。
1.正式な記録場所
重要な依頼や変更は、最終的にどこへ記録するのかを決めます。
電話やチャットを使っても構いません。
ただし、あとから確認するときは、この場所を見るという基準を作ります。
2.担当者
「営業所で対応してください」
「総務で確認してください」
だけでは、誰が動くのか分かりません。
個人名まで決められない場合でも、最初に確認する責任者を指定します。
3.期限
「確認をお願いします」
だけでは、今日中なのか、今週中なのか分かりません。
期限がない依頼は後回しになります。
対応期限か、回答予定日を記録します。
4.現在の状態
少なくとも、
・未確認
・対応中
・完了
の3段階があると、状況を把握しやすくなります。
必要に応じて「確認済み」「保留」などを追加します。
5.完了条件
在庫確認なら、在庫数を回答したら完了。
修理依頼なら、修理と動作確認が終わったら完了。
書類依頼なら、提出を確認したら完了。
何をもって終わりとするかを決めます。
新しいシステムを入れる前に、古い運用を減らす
業務改善でよくある失敗が、新しい仕組みを追加した後も、古い方法をすべて残すことです。
例えば、
・新しい入力画面へ登録する
・今までのExcelにも入力する
・チャットでも報告する
・紙の帳票も残す
という運用です。
これでは、業務が減るどころか増えてしまいます。
試験運用中は、新旧の方法を並行して使うこともあります。
しかし、本運用へ移るときは、
・どれを正式な記録にするか
・古いExcelはいつ終了するか
・紙を残す必要があるか
・チャットでは何を送るか
を決めなければなりません。
業務改善は、新しい機能を追加することだけではありません。
不要になった作業をやめることも重要です。
小さな仕組みでも改善できる
情報共有の問題を解決するために、最初から大規模なシステムを導入する必要はありません。
GoogleスプレッドシートとGASを使えば、例えば次のような仕組みを作れます。
・連絡や依頼の登録画面
・宛先担当者の指定
・期限と優先度の設定
・登録時の自動通知
・未確認、対応中、完了の管理
・回答内容の記録
・期限超過者の表示
・管理者用の一覧画面
Excelのような一覧性を残しながら、通知と進捗管理を加えるイメージです。
すべての会話を登録する必要はありません。
まずは、
・別拠点への依頼
・期限のある確認
・納期変更
・設備不具合
・書類提出
・在庫確認
など、漏れると困る連絡だけに絞ります。
こんな会社は見直す価値があります
次の項目に当てはまる場合は、連絡方法ではなく、管理の仕組みを見直す価値があります。
・同じ内容をExcelとチャットの両方へ入力している
・最新版がどれか分からなくなる
・電話連絡の内容を担当者しか知らない
・誰が対応中なのか分からない
・確認のために何度も電話している
・依頼後の状況を送信者が追いかけている
・担当者が休むと引き継げない
・連絡漏れが起きるたびに「注意してください」で終わっている
個人の注意力で防ごうとするより、誰が見ても状況が分かる形に変えた方が、同じ問題を減らしやすくなります。
ココナラで業務に合わせた仕組みを構築しています
ココナラでは、GoogleスプレッドシートとGASを使った業務改善サービスを出品しています。
Excelの集計・転記・通知をまとめて自動化したい方
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現在のExcelや作業手順を確認し、入力画面、管理画面、自動集計、通知、帳票作成などを業務に合わせて構築します。
複数拠点の依頼を完了まで管理したい方
複数拠点の連絡・依頼管理アプリを構築します
店舗、工場、営業所などの連絡を、送信だけで終わらせず、確認・回答・完了まで管理します。
重要なお知らせの確認状況を把握したい方
「聞いてない」を防ぐお知らせ確認GASを構築します
全社、拠点、部署、個人へお知らせを配信し、誰が確認したかを管理できる仕組みです。
自動化できるか分からない方
その事務作業をGASで自動化できるか診断します
現在の作業内容から、自動化できる部分、手作業のままがよい部分、構成案、概算費用をご提案します。
詳しい仕様書は必要ありません。
「今はExcelと電話で管理している」
「この作業をもう少し楽にしたい」
という段階からご相談いただけます。
まとめ
Excel、チャット、電話、口頭には、それぞれ便利な点があります。
問題は、複数の方法を使うことではありません。
正式な記録場所、担当者、期限、現在の状態、完了条件が決まっていないことです。
連絡方法を増やす前に、
・どこへ残すか
・誰が対応するか
・いつまでか
・どこまで進んでいるか
・何をもって完了とするか
を整理します。
これだけでも、確認の電話や二重入力を減らしやすくなります。
情報共有の目的は、送ることではありません。
必要な人が内容を理解し、対応し、仕事が完了することです。
ユウタ|ひとり総務×AI業務改善
中小製造業で総務・管理業務に携わりながら、Googleスプレッドシート、Googleフォーム、GAS、生成AIを活用した業務改善に取り組んでいます。
高額なシステムを導入するほどではないけれど、Excel、電話、手作業のままでは負担が大きい。
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