キャリアの歩み方|資格という、点を編む

キャリアの歩み方|資格という、点を編む

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おはようございます。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表の工藤でございます。今日のテーマは、「資格を取ってからが、本当の学びが始まる」についてです。

一生懸命勉強して資格を手に入れたものの、「さて、これを一体どう使えばいいんだろう」と立ち止まってしまったことがあります。多くの人が、「資格さえあれば仕事ができるようになる」と思いがちですが、実際のところ、資格はあくまでスタートラインに立ったばかりの「点」にすぎません。

なぜ、資格の知識だけでは現場で通用しないのか

テキストや試験勉強で学ぶ知識は、言わば「きれいな世界」の正解です。哲学者スチュアート・ドレイファスとヒューバート・ドレイファスが提唱した技能習得モデルによると、技能の習得は「初心者」から「達人」に至る5段階を経て進みます。初心者の段階では、与えられたルールに沿って一つひとつ判断しますが、実際の現場(仕事や相談の場)では、教科書通りにいかない例外や、人の複雑な感情が絡み合う生々しい問題が次々と起きます。机の上で覚えた知識をそのまま当てはめようとしても、手も足も出なくなってしまう。そんなジレンマに直面するのは、学びが足りないからではなく、知識という「骨組み」だけで戦おうとしているからなのだと思います。

知識に、人生経験という「厚み」を重ねていく

心理学者デイヴィッド・コルブが提唱した経験学習サイクルでは、学びは「具体的な経験」「振り返り」「抽象化(概念化)」「新たな状況での実践」という4つの過程を繰り返しながら深まっていくとされています。資格の取得は、ゴールではなく「器」を手に入れた状態です。その器に、これから自分自身の人生経験や日々の試行錯誤という「厚み」を重ねていくことで、はじめて立体的な専門性へと育っていきます。

その重ね方には、いくつかの道筋があると思います。一つは、過去の失敗や挫折体験を、取得した資格の専門用語や理論というレンズを通して捉え直してみることです。「あのときのあのトラブルは、こういう心理メカニズムだったのか」と過去が言語化されることで、単なる昔の失敗が、自分だけの説得力を持つエピソードに生まれ変わります。二つ目は、日々の小さな違和感や試行錯誤を素材にすることです。現場で「うまくいかないな」「なぜだろう」と感じた違和感をそのままにせず、立ち止まって知識と照らし合わせてみる。教科書の理論と現実のギャップにもがきながら考え抜いたプロセスこそが、自分を本当の意味でプロフェッショナルにしてくれます。そして三つ目は、隣接する別の学びを掛け合わせることです。一つの資格という縦軸に固執せず、あえて少し離れた分野の学びを広げてみる。複数の知識が交わるとき、自分にしか出せない視点が生まれ、専門性にさらに深みが増していきます。

おわりに

「資格を取ったのに、まだうまく活かせない気がする」と不安になる必要はありません。それは、未熟だからではなく、まだ学びを深めている途中だからです。

資格という骨組みに、これまでの人生や日々の試行錯誤という大切な経験を少しずつ重ねていけば、それはやがて、あなたにしかない立体的な専門性へと育っていきます。目の前の人と向き合い、悩み、立ち止まったそのすべての時間が、あなたを本当のプロフェッショナルにしてくれます。その重ね方を、これからの、くみキャリ学院では一緒に考えていきたいと思っています。

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出典
・Dreyfus, S. E., & Dreyfus, H. L. (1980). A Five-Stage Model of the Mental Activities Involved in Directed Skill Acquisition. University of California, Berkeley.
・Kolb, D. A. (1984). Experiential Learning: Experience as the Source of Learning and Development. Prentice-Hall.
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