キャリアの歩み方|仕事の外側で、キャリアを耕す

キャリアの歩み方|仕事の外側で、キャリアを耕す

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学び
おはようございます。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表の工藤でございます。今日のテーマは、「仕事の外側で、キャリアを耕す」についてです。

「リスキリング」や「キャリアアップのための資格取得」という言葉を、日常のあちこちで耳にするようになりました。ビジネスパーソンとして常に新しい知識を吸収し、仕事の成果に繋げていくことは、現代のキャリアにおいて大切な側面のひとつです。ですが、ふと立ち止まったとき、私たちは「仕事のため」以外の時間で、いったい何に心を動かされ、何を学んでいるでしょうか。

大人の学びにおける、理想と現実

世間では学び直しの機運が高まっていますが、実際の生活者の意識や調査データを見ると、興味深い実態が浮かび上がります。民間企業の調査によると、社会人のうち、今後の学習意欲がある層は47%、直近1年以内に学習経験がある層は45%です(ベネッセコーポレーション『社会人の学びに関する意識調査2022』)。半数に届かないこの数字からは、「学びたい」という気持ちと、実際に動き出すことの間に、ある程度の距離があることがうかがえます。

さらに同調査では、「学ぶことは人生を豊かにする」という項目への同意率が、学習意欲がある層で89.7%、学習経験はあるが意欲はない層で76.1%、学習意欲も経験もない層で52.9%と、学びへの向き合い方によって差が見られます。資格や昇進に直結する学びだけでなく、学ぶこと自体への向き合い方そのものが、日々の感じ方と結びついているのかもしれません。

経験を再定義する、大人の学び

では、仕事とは直接関係のない場所で何かを学ぶとき、私たちの内側では何が起きているのでしょうか。

教育学者のマルコム・ノールズは、成人教育学(アンダゴジー)の中で、大人の学びの最大の特徴は「これまでの自分の人生経験が、学びの最も豊富なリソース(源泉)になる」という点にあると説いています。子どもの頃のように「用意された正解を覚える」のではなく、「日々の暮らしの中での違和感や、自分自身の問いを解決するために知識を接続する」。つまり、大人の学びとは、知識をただ詰め込むことではなく、「自分のこれまでの経験に、新しい意味づけをし直すプロセス」そのものです。

さらに、心理学者デシとライアンの「自己決定理論」に照らしてみると、「会社に言われたから」「資格手当がほしいから」という外発的な動機による勉強は、時に窮屈な苦行になりがちです。しかし、「自分が純粋に知りたい」「自分の世界を広げたい」という自律的な選択に基づいた学びは、たとえそれが目の前の業務に直結しなくても、その人自身の足腰を強くし、結果としてキャリア全体をしなやかに支えてくれます。

おわりに

組織の看板や「〇〇会社の誰々」という肩書きを離れたとき、自分の中に残るものは何でしょうか。

仕事の外側で、自分の内側から湧き出る興味に従って何かを学び、味わうこと。それは、効率や生産性とは違う軸で、自分の感性や人生を豊かに耕していく営みです。そうした日々の小さな探求の積み重ねこそが、長いキャリアを歩んでいく上での、静かで確かな支えになると私は考えています。

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出典
・株式会社ベネッセコーポレーション「社会人の学びに関する意識調査2022」(2022年8月4日発表)
・Knowles, M. S. (1970). The Modern Practice of Adult Education: Andragogy Versus Pedagogy.
・Deci, E. L., & Ryan, R. M. (1985). Intrinsic Motivation and Self-Determination in Human Behavior. Plenum.
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