キャリアの捉え方|与えて、満たされる

キャリアの捉え方|与えて、満たされる

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学び
おはようございます。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表の工藤でございます。今日のテーマは、「与えて、満たされる」についてです。

学びを通して得た知識やスキルを、「自分のもの」として抱え込んでいるうちは、どこか息苦しさがあります。その知識を、必要としている誰かに手渡した瞬間、自分自身の心も一緒に満たされ、学びが何倍にも楽しくなっていく。そんな感覚を覚えることがあります。この変化は、一体どこから生まれるのでしょうか。

ギバー(与える人)の成功と、自分の野心

組織心理学者であるアダム・グラントは、著書『GIVE & TAKE』の中で、人を「テイカー(受け取る人)」「ギバー(与える人)」「マッチャー(釣り合いを保つ人)」の3つに分類しました。興味深いのは、周囲に惜しみなく与えるギバーが、成果の梯子の「最下位」だけでなく「最上位」にも多く集まるという事実です。その違いを生むのは才能ではなく戦略であり、成功するギバーは、他者に貢献しながらも、自分自身の野心や目標の追い方をしっかりと持っているとされています。誰かのために動きながらも、自分の意思や成長を犠牲にしないこと。科学的な研究の視点からも、「与えること」と「自分の願いを大切にすること」は決して矛盾しないことが示されています。

誰かに手渡したときに、自分が満たされる理由

一方で、キャリアコンサルタントとして多くの方と向き合い、また自分自身も学びを深める中で、この研究の背景にある感覚が、とてもよく分かります。資格の勉強や知識のインプットに追われているときは、どこか必死で、息が詰まるような感覚を覚えることもあります。けれど、そこで得た知識を「これを必要としているあの人にお伝えしよう」「分かち合おう」と誰かに手渡した瞬間、不思議と自分の肩の力がスッと抜けていきます。誰かの役に立てた喜びはもちろんですが、それ以上に「自分がそうしたくてしているんだ」という純粋な温かさが、自分自身の心をも深く満たしていくのです。

おわりに

世間では「利他」と「利己」は対極にあるものとして語られがちです。しかし、私たちが誰かのお役に立ちたいと願うとき、その根底にあるのは「自分がそうしたい」という紛れもない自身の意思や希望です。人様のお役に立ちたいと動くこと自体が、自分の最も深い願いを叶える行為であるならば、それは利他の顔をした「自分の望みの成就」であり、だからこそ両者は完全に一体の「利他己」として成り立っています。

自分をすり減らすわけでも、自分のためだけに囲い込むわけでもなく、その両方がフェアに巡る「利他己」の循環。その温かい流れの中に身をゆだねながら、今日も自分と隣の人たちのために、おだやかな学びの歩みを続けていきます。

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出典
・Adam Grant, Give and Take: A Revolutionary Approach to Success (2013, Viking)
・アダム・グラント(楠木建 監訳)『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』三笠書房、2014年
※「利他己」は、工藤久美子による造語です。

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