キャリアの歩み方|キャリアとは、実務と学びの両軸

キャリアの歩み方|キャリアとは、実務と学びの両軸

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おはようございます。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表の工藤でございます。今日のテーマは、「キャリアとは、実務と学びの両軸」についてです。

社会人になってから資格の勉強を始めると、学生時代とは違う難しさや、一方で、違うやりやすさを感じることがあります。この違いは、何によって生まれているのでしょうか。

大人の学びは、何によって支えられているのか

アメリカの成人教育学者である、マルカム・ノールズは、1980年の著作で、大人の学習(アンドラゴジー)には、子どもの学習(ペダゴジー)とは異なる特徴があると論じました。自己決定性(大人は自ら方向を決めたい)、経験の蓄積(それまでの経験が学びの土台になる)、レディネス(社会的な役割に関わる必要性を感じたときに学ぼうとする)、学習への方向づけ(すぐに使えることを学びたいと感じる)、内的動機(外からの評価より、内側からの動機で学ぶ)という特徴です(Knowles, 1980; 1984)。

つまり、大人の学びやすさは、「自分で決めている」という感覚や、「これまでの経験と結びつけられる」という土台から生まれているのかもしれません。例えば、資格の勉強を始めた社会人の方が、「実務で感じていた疑問が、テキストを読んで初めて言葉になった」と話されることがあります。

最初の一歩は、どう踏み出せるのか

一方で、学生時代のように、誰かが決めた範囲や順番を学ぶことに慣れていた人にとっては、「何を、どう学べばいいのか」を自分で組み立てる必要がある分、最初の一歩に戸惑うこともあるのかもしれません。この戸惑いを乗り越える鍵も、同じ理論の中にあるのかもしれません。経験の蓄積がすでに学びの土台になっているのであれば、テキストを冒頭から順番に読み進めるのではなく、まずは「今の仕事の中で、どこに疑問を感じているか」「これまでの経験から、何を学べばいいのか」を先に言葉で表してみる。今の時代であれば、それをAIに尋ねてみることもできますし、そこで見えてきたものを、どの資格や検定、大学などで学べば裏付けになるのか、答え合わせのように確認していく、という進め方もできます。範囲や順番を、誰かに決めてもらうのを待つのではなく、自分の経験を起点に、仮に決めて、進みながら整えていく。アンドラゴジーが「自己決定性」を大切にしているのは、こうして自分で決めて、調整しながら進めること自体が、学びだと考えられているからだと思います。

おわりに

社会人になってからの資格の勉強は、学ぶ範囲や順番を誰かに決めてもらうのを待つのではなく、今の実務の中で感じている疑問を起点に、自分なりに学び方を決め、進みながら整えていくことで、難しさを乗り越えやすくなるのだと思います。一方で、業務独占資格のように、先に学び、資格を取ってから実務にあたるものもあります。正解はありません。

学生であれば、先に学び、その後に実務を経験する。社会人であれば、先に実務を経験し、その後に学びを入れる。どちらから歩みを進めても、間違いではないのだと思います。いずれにしても、キャリアにおいて、実務と学びの両軸を持つことが大事なのだと思います。

出典
・Knowles, M. S. (1980). The Modern Practice of Adult Education: From Pedagogy to Andragogy. Prentice Hall/Cambridge.
・Knowles, M. S. (1984). Andragogy in Action: Applying Modern Principles of Adult Education. Jossey-Bass.

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