キャリアの受け止め方|自己決定を、自分のものにする

キャリアの受け止め方|自己決定を、自分のものにする

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おはようございます。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表の工藤でございます。今日のテーマは、「自己決定を、自分のものにする」についてです。

就職活動の面接で、「数ある企業の中で、なぜ当社を志望されたのですか」と尋ねられ、答えに詰まってしまう学生に出会うことがあります。自分で決めたはずの志望動機なのに、どうして、うまく言葉にできないのでしょうか。

「自己決定とはどういうことなのか」

心理学者エドワード・デシとリチャード・ライアンは、1985年に「自己決定理論」を体系化しました。この理論では、人には「自律性(自分の行動を自分で選び、コントロールしたいという欲求)」「有能感(自分の能力を発揮し、物事にうまく対応できているという感覚を得たいという欲求)」「関係性(他者と尊重し合い、認め合える関係の中にいたいという欲求)」という3つの基本的な欲求があるとされ、中でも自律性は、単に自分一人で選んでいるということだけでなく、その選択を自分自身が納得し、自分のものとして引き受けている感覚を指す、とされています。

たとえば、同じように自分の意思で会社を決めた学生が二人いたとしても、一人は「この会社でなら、自分のやりたいことができると思ったから」と話し、もう一人は「なんとなく良さそうだったから」としか話せないことがあります。前者は、選択の理由を自分自身の言葉で引き受けられている状態、後者は、選んではいても、その理由がまだ自分の中で十分に消化されていない状態、と言えるのかもしれません。自己決定理論に照らすと、前者のように、自分の選択を自分の言葉で引き受けられている状態は、自律性という考え方と重なる部分があるように思います。

根拠を自分の言葉で正確に示すこと

では、なぜ、自分で決めたはずなのに、その理由をうまく言葉にできないことがあるのでしょうか。私は、「自分で決めた」という感覚と、「なぜそう決めたのかを言葉にできること」は、別の力なのかもしれないと思っています。選ぶという行為自体は自分でしていても、その理由を、他人にも伝わる形で言語化する作業は、また別に必要になります。もしかすると、多くの学生は、決める瞬間に「なんとなく良さそう」という直感的な感覚だけで進んでいて、その奥にある理由まで、自分自身の言葉にする機会を持たないまま、面接に臨んでいるのかもしれません。

おわりに

私は、自己決定とは、一人で決めることだけではなく、自分の選択の理由を、自分自身の言葉で確かめ、納得しながら引き受けていくことなのかもしれないと思っています。そして、その理由は、一人で黙って考えているだけでは、なかなか言葉にならないことも多いように思います。誰かに話しながら、自分の中にある「なんとなく」を、少しずつ言葉にしていく。そうした対話の積み重ねが、自己決定を後押ししてくれると、私は思っています。


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出典
Deci, E. L., & Ryan, R. M. (1985). Intrinsic Motivation and Self-Determination in Human Behavior. Plenum.(自己決定理論、自律性・有能感・関係性という3つの基本的心理欲求の出典)
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