おはようございます。2級キャリアコンサルティング技能士|合同会社たお代表の工藤でございます。
今日のテーマは、「オヤカク」!?「親ブロック」!?保護者を対象とした就活セミナーがある!?
「オヤカク」「親ブロック」という言葉を、ご存じでしょうか。就活の現場で、今まさに広がっている言葉です。
今日は、就活における保護者の関わりについて、データを交えながら書いてみたいと思います。
「オヤカク」「親ブロック」とは
オヤカクとは、企業が学生に内定を出す際、親に同意の確認を求める行為のことです。マイナビの調査によると、就活中の親のうち「オヤカク」という言葉を知っていた人はわずか2.8%だったのに対し、実際に子どもの内定先から「オヤカク」を求められたことがある親は52.4%と、半数を超えていました。つまり、言葉は知らなくても、すでに多くの親御さんが体験している現象だということです。
親ブロックとは、親の意向によって、子どもが内定を辞退することです。特に、長時間労働やパワハラなど「ブラック企業」のイメージがある企業ほど、親から反対されやすい傾向にあるとされています。
データで見る、関与の高まり
保護者の関与が増えているのは、就職活動だけではありません。大学のオープンキャンパスについても、同じ傾向が見られます。
2026年の調査によると、高校3年生の保護者のうち、オープンキャンパスに同行する予定がある人は64%にのぼり、2025年調査の56%から8ポイントも増加しています。同行する保護者が確認したいポイントは、「子どもに合う雰囲気か」が63%で最多、次いで「学費・奨学金」が59%、「通学時間・交通費」が47%と続きます。子ども本人は学びの内容や学生生活に目が向きやすい一方、保護者は学費や通学時間、卒業後の進路といった現実的な面を確認したいと考えているようです。
なぜ、ここまで親の関与が増えているのか
この背景について、いくつかの見方があります。
一つは、情報の非対称性が縮まったという見方です。かつては、学校や企業の情報は本人が現地に行かなければ得られませんでしたが、今は保護者も同じ情報にアクセスできるようになりました。知る手段が増えたことで、関わる余地も増えた、という考え方です。
もう一つは、「ブラック企業」への警戒心の高まりです。長時間労働や不当な扱いに関する報道が増えたことで、保護者が我が子を守ろうとする意識が強まった、という見方もあります。
ここからは、私自身の仮説になりますが、共働き世帯の増加も関係していると思っています。1980年には専業主婦世帯が共働き世帯の約2倍でしたが、1990年代半ばに逆転し、今では共働き世帯が7割を占めています。共働き・共育ての家庭が増えたことで、親子の関わり方そのものが変わってきたような気がします。幼少期は、一日の中で子どもと関わる時間が短くなった一方、その分、子どもに関わる年月そのものが長くなり、就職活動まで積極的に支援する形に変わってきたのかもしれません。
また、両親がともに長く働き続けることを知っているからこそ、社会人としての実感を伴ったアドバイスを子どもも聞きやすくなっている、という面もあるのかもしれません。もちろん、これはあくまで一つの仮説にすぎません。
大学側も、保護者向けセミナーを開催する時代に
こうした流れを受けてか、大学側の対応も進んでいます。全国大学生活協同組合連合会が開催する「保護者のための大学生活入門セミナー」は、進学費用や入学準備の実態などをテーマに扱い、昨年度の満足度は95%だったそうです。個別の大学でも、在学中の学生の保護者を対象にした「保護者就職説明会」を開催している例が見つかりました。
「保護者は蚊帳の外」という時代から、「保護者も情報の受け手」として位置づけられる時代に、少しずつ変わってきているようです。
「関わりすぎ」と「無関心」のあいだで
とはいえ、関わりが増えることが、必ずしも良いことばかりとは限りません。内閣府の資料では、オヤカクについて「学生の職業選択の自由を妨げる行為」という指摘もあります。一方で、就活について保護者に相談している学生は約6割にのぼり、その理由の最多は「悩みを聞いてほしいから」だったという調査もあります。
つまり、学生自身は「決めてほしい」のではなく、「話を聞いてほしい」と感じていることが多いのだと思います。保護者に求められているのは、代わりに決めることではなく、まず耳を傾けることなのかもしれません。
おわりに
「オヤカク」も「親ブロック」も、知らなければ、いざそうした場面に出会ったときに戸惑ってしまうかもしれません。まずはこうした言葉があることを知っておくだけでも、心の準備は変わってくると思います。関わりすぎず、無関心にもならず。その適度な距離感をつかむのは、簡単なことではないと思います。今、どのご家庭でも、親子のちょうど良い距離感をどう測ればいいのか、課題を感じていらっしゃることと思います。まずは、子どもの声に耳を傾ける。傾聴し、共感するところから始めてみるのも、一つの方法かもしれません。