ドクドクドックスのボーカル、GEKI(激)の咆哮だった。
スタッフ全員が吹き出し、最初のテイクは案の定、使い物にならない。
だが、私はあえてマイクを止めなかった。
この男の「バカがつくほどの真剣さ」こそが、
ドクドクドックスというバンドの心臓(ドクドク)そのものだからだ。
今回、私が彼らと向き合った新曲「なぁ」は、
これまでのエロティックな衝動を一度削ぎ落とした、
剥き出しの「絶望」をテーマにしている。
ブースの中、赤い髪を振り乱してマイクに噛み付くGEKI。
少し寂しそうに笑ったのが印象的だった。
普段は「巨乳伝道師」なんて呼ばれてライブでTシャツを脱ぎ捨てている男。
でもそんな男がふとした瞬間に見せる「未完成な少年の顔」。
そのギャップが、今回の楽曲には残酷なほど美しく刻まれている。
90秒という短い時間に、俺たちがどれだけの毒と愛を凝縮したか。
「なぁ」
その一言に込められた、狂犬の震える声を聞いてほしい。
ドクドクドックスは、ただのよだれ犬じゃない。