「また上がったのか…」という、あの小さなため息から
久しぶりに朝マックに立ち寄り、ソーセージマフィンの値段を見た瞬間、正直こう思いました。
「え、もうこの値段?」
2022年の春ごろ、たしか100円だったはずです。
それが130円、150円、180円と、半年単位で記憶を更新していく。
たかがマフィン、されどマフィン。
値段の上昇に、どこか生活全体がじわじわ圧迫されていく感覚を覚えた人も多いのではないでしょうか。
そして私はその瞬間、なぜか出版業界のことを思い出していました。
ソーセージマフィンと、紙の値段は同じ歩幅で上がっていた
実はこの数年、出版の現場ではとても大きな変化が起きています。
それが「用紙代の高騰」です。
体感ではなく、数字として。
3年前と比べて、紙の値段は約2倍になっています。
時期もほぼ同じ。
ソーセージマフィンが値上がりを始めた頃から、紙も静かに、しかし確実に上がり続けてきました。
私は出版業界に30年以上いますが、ここまで一気に上がった経験はありません。
しかも厄介なのは、本は値上げ以外に打つ手がほとんどないという点です。
本屋で感じる「違和感」の正体
もし最近、本屋に行く機会があったら、ぜひ棚を眺めてみてください。
この2年ほどで出た本を中心に。
かつて1400円くらいだった本が、1700円。
文庫本なのに1000円超え。
「高くなったな」と感じるその違和感は、気のせいではありません。
そしてそれは、本離れを加速させる要因の一つだと、業界内では言われています。
出版社が慎重になるのは、才能の問題ではない
それでも「本を出したい」という人は後を絶ちません。
過去に数冊出して、“先生”のように振る舞っている人もたくさん見てきました。
ただ、はっきり言えるのは、もうそんな時代ではないということです。
フォロワーが何万人いても、本を出したからといって買ってくれる人はほんの一部。
これは出版の現場にいる人間なら、痛いほどわかっています。
一方で、フォロワー数は多くなくても、熱烈なファンがいる人には、今もチャンスが転がっています。
「出版が決まった人」は、運がよかっただけかもしれない
「最近、出版が続々決まっていて」
そう話す出版プロデュース関係者の言葉を聞くことがあります。
けれど正直、私はそれを鵜呑みにしていません。
部分的な事象を切り取っているだけだと感じるからです。
実際には、
・ちょうど売上が足りない月だった
・似たテーマの本がベストセラーになっていた
・新しい切り口として社内で話題になった
こうしたいくつものラッキーが重なって、出版が決まるケースがほとんどです。
「その人がすごかったから」だけではないのが現実です。
だからこそ、次の一手は電子書籍だと思っている
ここ数日、中小の印刷会社や、私がスタートを切った講談社の先輩たちから、
紙の調達や発注のリアルな話を聞く機会がありました。
そこで改めて思ったのです。
紙の本は、すぐになくなることはない。
けれど、最初の一歩として選ぶべき手段ではなくなりつつある。
だから私は、
電子書籍で、スピーディーに、きちんとしたレベルでデビューすることを勧めています。
自分の存在、事業、考え方を、まず世の中に出す。
そこから次のフェーズが始まる。
次につながるのは「売られ待ち」ではない人
その先にあるのは、
紙の本かもしれないし、
セミナー登壇、
メディア露出、
まったく別の仕事かもしれません。
共通しているのは、自分から動いた人が次のチャンスをつかんでいるということです。
スピード感を持って考え、動く。
それが、今の時代の現実です。
さて、
あなたは次のフェーズに進むために、どの一手を選びますか?