周波数を合わせる――心を切り替える技術
前回の記事で、著者デービッドさんの提唱する「メンタルの体温」という考え方をご紹介しました。
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前回の記事で、著者デービッドさんの提唱する「メンタルの体温」という考え方をご紹介しました。
心の温度を高く保つことで、自信と自己肯定感が生まれ、困難に立ち向かえる――。
ただし、実際のビジネスシーンでは、心の温度を「上げる」ことよりも「維持する」ことの方が難しいのではないでしょうか。
今回のテーマは、その鍵となる「周波数」です。
脳波と心のチューニング
私自身、デービッドさんの原稿を編集していて「周波数」という言葉が出てきたとき、最初は正直ピンときませんでした。物理の授業で習ったような難しいイメージを持ったからです。
しかし彼の説明はとてもシンプルでした。人間の脳は常に電気信号を出していて、そのリズム=周波数が心の状態を映し出す。
α波:リラックスや集中のとき
β波:緊張やストレス下での思考のとき
θ波:瞑想やひらめきのとき
これをラジオのチューニングに例えればわかりやすい。周波数が合っていないと雑音しか聞こえないように、心の周波数が低いとネガティブな情報ばかりが入ってきて、さらに不安や焦りを強めてしまうのです。
デービッドさんの“ヤングギャング時代”
周波数の力をもっとも強烈に感じたのは、自身の過去の体験だったとデービッドさんは語ります。
少年期、彼は家庭環境の問題もあり、荒れた生活を送りました。高校を中退し、ギャング仲間と過ごす日々。「奪うしか生きる道はない」と考えていたその頃は、まさに低い周波数に囚われていたといいます。
ところが19歳で来日し、仙台に移り住んだとき、目の前に広がる“日本の周波数”に衝撃を受けたそうです。
バスで「椅子を倒してもいいですか?」と声をかけてくれる人の優しさ、見知らぬ人が温かく迎えてくれる安心感。これまでの世界とはまったく違う「高い周波数」の空気を浴び、心のチャンネルが切り替わる感覚を得た。
そこから彼は「ここなら何かを成し遂げられる」と確信し、起業へと歩み出しました。
ビジネスパーソンの私たちも、実は同じです。職場や人間関係の「周波数」に無意識に影響され、気づかぬうちに心が冷えていく。だからこそ、意識的にチャンネルを合わせ直すことが必要になります。
稲垣啓太選手の“エゴ”との戦い
もう一つ印象的だったのは、ラグビー日本代表・稲垣啓太選手のエピソードです。
大学時代、主将を務めながらもチームを二部降格に導いてしまったシーズン。責任感という名のエゴに縛られ、仲間や監督の視線ばかりを気にして、自分のプレーに集中できなかったと振り返っています。
「キャプテンらしくあらねば」という思いが周波数を下げ、プレーの質を落としてしまった。
しかしその失敗をきっかけに、彼は“自分のパフォーマンスにフォーカスすること”へ切り替えました。その後、世界の舞台で活躍する強靭なメンタルを手に入れたのです。
ビジネスの現場でも同じです。「上司にどう見られるか」「部下に格好よく見せたい」といったエゴは、私たちの周波数を下げます。逆に、やるべきことに集中することで心のノイズが消え、周波数は整い、メンタルの体温も安定していきます。
周波数を高める習慣
デービッドさんが推奨する周波数を上げるための小さな習慣は、とてもシンプルです。
音楽を聴く:好きな一曲で一瞬にして心を切り替える
自然に触れる:散歩や窓からの景色でもよい
尊敬する人と会う:ポジティブな人の周波数に共鳴する
私自身も編集の仕事に追われ、気持ちが焦っているときには、まず散歩をして外の空気を吸うようにしています。10分歩くだけでも周波数が切り替わり、頭の中のノイズが消えていくのを感じます。
今日からできる実践
周波数を意識してみると、心の温度を上げる方法が一気に広がります。
たとえば、会議で気持ちが沈んでしまったとき、席を立って外の空気を吸う。休憩時間に好きな曲を一つ聴く。尊敬する同僚と数分話す。――それだけで「メンタルの体温」は確実に上がるのです。
あなたが今、低い周波数に囚われているとしたら、まずは環境を変え、心のチャンネルを合わせ直してみてください。
「今いる場所や人の空気が、自分の心の状態を作っている」――そう気づくだけでも、周波数をコントロールする第一歩になります。
👉 次回予告:「朝のルーティンが一日を決める」
ロケットスタートを切るための実践的な方法を、アスリートの習慣とともにご紹介します。』