変わること・変わらないこと ~場づくりを通じて~

記事
コラム

 一度変わったはずなのに、また元に戻ってしまった!と、人や組織に対して思うことはよくあることではないでしょう。

 (良い方向に)変わったと思った時は何か希望に満ち溢れるような感覚になるものですが、元に戻ってしまった、と思う時はとてもがっかりしたり、希望が打ち砕かれたような気持になったり…。

 人や組織にかかわる仕事をしていると、しばしばそのようなことに遭うものです。なぜ本当に変わることがこんなにも難しいのか?自分に対しても、他者や組織に対しても思います。

 私は私自身が誰か他者や組織を「変える」ことができるとは思っていません。「変わる」ようにはたらきかけをすることはできると思っています。ですので、人の心の動きや、集団の力の作用、時間がもたらす機会、はたらきかける側のあり様、等についての知識を身につけ、深め、適切に実践するよう、日頃から自分を律することを大事にしています。

 コントロールよりもファシリテートに重心をおくようにしています。もちろん、コントロールも時と場合によっては必要ですが、私の中心はファシリテートです。人も組織も自律的に自らの行動を選択することを目指したいので、ファシリテートを尽くして、後は委ねる、根気強く待つことも含めて、委ねます。


クルト・レヴィンの有名な「B=f(P・E)」がいつも私の意識の中にあります。その人の行動(B)は、その人のパーソナリティ(P)と環境(E)の相互関係で生み出される、という考え方です。

 よく、「あの人は、**な人だからね。」というパーソナリティに注目する言説を耳にします。それ自体は良いも悪いもありませんが、その人の行動がなぜそうなっているのかを見るには、足りていません。「あの人は、**な人だからね。こういう場を作ってあげると、行動が変わるかもしれないね。」と、環境にも着目して、その人の行動変容を促すはたらきかけを考えることが肝要です。

 しかし、その時の行動が変わったとしても、その人のパーソナリティが変わったと簡単に考えてはいけないと思います。その人のパーソナリティと、環境へのはたらきかけ(場づくり、状況づくり)の組み合わせで行動変容が起こった(=変わる)のであれば、その環境をしばらくは維持しなければまた元の行動に戻る(=変わらない)のです。しばらくは、と言ったのは、人は行動した結果から学ぶことができるので、その学びをきっかけにして一度起こった行動変容が定着することを期待して、環境維持に時間をかける必要があるということです。

 さらに、その人の「変わる」が維持されることで、その人の価値観が揺さぶられ、あるいは熟成され、パーソナリティの変容にまで影響が出てくるかもしれません。ちょっとのはたらきかけ程度では期待をしてはいけないと思いますが、「人は変わることができる」ということを信じることは、はたらきかける側のあり様として大事なことだと思います。

 *

みなさんはいかがでしょうか。その人に何かはたらきかける時に、その人のパーソナリティにはたらきかけているのか、それとも環境にはたらきかけているのか、どちらの比重が高いでしょうか。少し言い方を変えてみると、相手を変えようと実力行使をしようとしているのか、相手が変われるように環境を整えたり、自分自身が変わろうとしているのか、どちらでしょうか。 

今回は、変わること・変わらないこと、についてお話しました。私は会社勤めとの複業でライフキャリアデザインカウンセラーとして個人や世帯の職業生活設計や資産設計のお手伝いを志しております。保持資格としては国家資格キャリアコンサルタントとAFP(日本FP協会会員)をコアスキルとして、これまでの会社生活や人生経験で学んできたことを活かして会社内や地域社会に向けた価値創造につなげてまいります。ご関心を持っていただいた方、ご相談事がある方は、どうぞお声がけください。 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す