キャンパスライフ充実編⑤:いろいろなバイトを経験してみましょう。

記事
学び
Strike the iron while it is hot.(鉄は熱いうちに打て。)
「経験によってもたらされることは貴重な知識である。」(アスチャム『教師』)
「人間が賢くなるのは経験によるものではなく、経験に対処する能力に応じてである。」(バーナード=ショー『革命主義者のための格言』)
「経済は大半の人生をつくる術である。」(バーナード=ショー『革命主義者のための格言』)

 本格的に働くのは社会に出てからということになりますので、バイトをする場合は金儲けという以上に社会勉強という要素が強くなります。社会に出てから転職を頻繁に繰り返すのはデメリットもあり(アメリカでは20~30代には普通のことですし、また実力をつけた後にはあり得る話です)、在学中に自分をいろいろと試すのがよいでしょう。学生生活が勉強とサークル活動のみで終わったというのは寂しい話です(逆にバイトだけで終わったとしたら、もっと寂しい話ですが)。社会に出て行くための準備として、バイト体験は貴重なものなのです。経済観念、ビジネスの基本、対人接客のマナー、各種業界の知識など、吸収すべきものはたくさんあります。
 また、将来、目指している職種によっては、在学中にバイトからその仕事に入っていくことが不可欠な場合があります。例えば、医療スタッフの中で人気のある診療放射線技師などは、国家試験の合格率が低く、難しい試験でもあることから、学校で学んでいる段階から現場に出て、専門的知識や技術を習得する人がけっこういます。また、放送業界であれば、バイトで現場に入り込み、仕事を覚えつつ、人脈を広げて口コミとコネで卒業後の仕事につなげていくことは普通に行われています。
 いずれにせよ、多様な職業経験、豊富な職歴は早い時期であればあるほど、人間性を豊かにする点でプラスに働きやすいのです。

【ポイント】
①肉体労働も頭脳労働もどちらも経験しましょう。
 なるべく多くの職種に挑戦しましょう。肉体労働で工事現場に出るもよし、展示会のセッティングや解体に携わるのもよし、市場で夜通し働くもよしです。頭脳労働で定番の家庭教師や塾講師もよし、事務や入力作業もよし、ネット・ビジネスに関わるのもよしです。1つの道に深く通じるスペシャリストになることも重要ですが、複数の分野にまたがるジェネラリストになることも武器になります。経済学の巨人ケインズも、一見スペシャリストの最たる例に思われる経済学者も、ジェネラリストでなければならないことを強調していました。直接体験した世界は机上の理論や書物が与える以上のものを教えてくれるでしょう。

②苦手な分野、不得手なジャンルにも飛び込んでみましょう。
 ここで重要なことは、得意な分野を伸ばすだけだと、個性がいびつになることもあり得るということです。むしろ20代のうちは何事も経験と思って、苦手な分野、不得手な分野に積極的に飛び込むべきでしょう(40代になると不可能とされ、転職や根本的方向転換の最終リミットは30代とされます)。人間関係が苦手な人なら対人関係を避けるのではなく、逆に一定期間、接客業で1から鍛えられる方がその後のためです。体力仕事が苦手な人なら、何ヶ月かデパートで売り子をするだけでも訓練になります。
 自分自身の成長のためには、得意分野を伸ばすことと不得意分野を克服することという2つの道があるのですが、若い時期であればあるほど後者に力を入れ、30代を過ぎてくれば前者にシフトしていくのが理想です。「金儲けの神様」と称される邱永漢は、「20代の時の仕事は一生の仕事にはならない」とも言っています。ハーバード大学を中退し、若くしてマイクロソフト社を立ち上げ、世界を席捲したビル=ゲイツのようなケースはむしろ例外的と言えるかもしれません。

③失敗が問題なのではなく、責任を取ることが重要。
 ベンチャー・ビジネスは資本主義社会の発展のカギを握るとされますが、そのベンチャーの本質は「トライアル・アンド・エラー(試行錯誤)」にあります。とんでもない失敗をして精神的に追い込まれるケースがたまにありますが、問題なのは失敗したことにあるのではありません。悔やんでいるヒマがあったら、すぐに対処に向かわなければなりません。つまり、失敗はある意味では避けられないものですが、失敗したらすぐに責任を持って対処し、事態収拾をすることが重要なのです。失敗すれば落ち込みやすいものですが、こうした基本的対処を積み重ねていくと、「失敗のプロ」になります。実は「最も失敗した人が最も成功する」のであり、早く成功したければたくさん失敗を重ねることが必要になるのです(いわゆる「名医」と呼ばれる人ほど、たくさんの人を犠牲にしていると言われます)。

③バイトのし過ぎに注意。
 バイトはあくまで社会勉強の一環で、収入は二の次です。投資が順調に進んだ場合やビジネス・チャンスをがっちりつかんだ場合は別ですが、バイトに追われて生活がそれを中心として動くようになると、本末転倒です。注意しましょう。本格的に稼ぐのは社会に出てからです。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す