文における「主語」「述語」、品詞における「名詞」「動詞」の理解こそ、「英文法の最眼目」

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 「文の要素」をS(主語)、V(述語)、O(目的語)、C(補語)、M(修飾語)に分類し、その組み合わせから5つの「文型」のどれかに当てはめて文を理解するという考え方は、世界中でも日本ぐらいしか残っていないのですが、読解上は便利です。第一文型(SV)、第二文型(SVC)、第三文型(SVO)、第四文型(SVOO)、第五文型(SVOC)を見れば一目瞭然であるように、英文は徹頭徹尾「主語+述語」(何がどうした)という形を取っており(これに対して日本文は「主語」がいらない所にその特徴があります)、この「主語」になることができる品詞が「名詞」グループ、「述語」の中核をなす品詞が「動詞」グループです(ちなみに一般的な英文のリズムは「名詞語句」+「動詞語句」+「名詞語句」という三段階のリズムです)。
●「名詞」グループ=「名詞」「代名詞」が中心で、さらに「冠詞」がこれに加わってきます。「数」(単数・複数)、「性」(男性・女性・中性)、「人称」(一人称・二人称・三人称)、「格」(主格・所有格・目的格)という4つの主要概念を持ちます。
●「動詞」グループ=「動詞」が中心で、「時制」(過去・現在・未来)、「相」(基本形・進行形・完了形)、「型」(文型)、「態」(能動・受動)、「法」(直説・命令・仮定)という5つの主要概念を持ち、さらに「助動詞」(一般助動詞・法助動詞)と「準動詞」(不定詞・分詞・動名詞)などが加わってきます。

【日本語は「虫の視点」(地上・移動)、英語は「神の視点」(天上・不動)】
「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった。」(川端康成『雪国』冒頭)
 この文を読んだ日本語ネイティブのイメージは、自分の汽車に乗ったつもりでトンネルの暗闇を想像し、やがて窓の外が明るくなると、真っ白な光景が目に入って来て、雪国に入ったことに気づく、というものである。
“The train came out of the long tunnel into the snow country.”(上記冒頭のサイデンステッカー訳)
 この文を読んだ英語ネイティブのイメージは、上方から見下ろした視点でトンネルから雪国に汽車が出て来る、というものです。地上と天上、主観(当事者の目)と客観(第三者の目)、時間と空間の違いがここには端的に現われており、こうした視点の違いが「主語不要の日本語」と「主語不可欠の英語」の違いともなっています(英語も元々主語がなかったのだが、次第に主語が不可欠な言語となっていったのです)。

【読むと主語・述語、名詞・動詞の主要概念に対する理解が大きく変わる本】
『英語にも主語はなかった』(金谷武洋、講談社選書メチエ)
『英文法の核心』(山﨑紀美子、ちくま新書)
『英語は動詞で生きている!』(晴山陽一、集英社新書)


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