動詞は「文の要」です。動詞によって「文」ができ、複雑な内容も表現できるようになります。ある意味では、「動詞を究めれば、英語は8割方終わり」と言ってもいいかもしれません。基本概念・基本動詞のイメージ理解から、構文・イディオム・複雑な文法事項へと知識・理解を広げていって、「動詞のエキスパート」を目指すとよいでしょう。動詞の基本概念としては、時制・相・文型・態・法の5つが挙げられます。
(1)時制と相
「時制」(過去・現在・未来)と「相」(基本形・完了形・進行形・完了進行形)はセットで覚えましょう。
ちなみに動詞の活用(形が変わること、特に原形・過去形・過去分詞の3つを動詞の「3主要形」と言います)について見ると、規則動詞と不規則動詞の2つに分けることができます。
規則動詞=動詞の原形に-ed, -dを付けて規則的に過去形・過去分詞を作る。大部分の動詞はこれに属します。
不規則動詞=これは動詞ごとに覚えていくしかありません。代表的な活用の型として、次のようなものがあります。
①A―B―B型~send(送る)―sent―sent, make(作る)―made―made, catch(つかまえる)―caught―caught
②A―B―A型~come(くる)―came―come, run(走る)―ran―run
③A―B―C型~begin(始まる)―began―begun, drink(飲む)―drank―drunk
④A―A―A型~cut(切る)―cut―cut, shut(閉じる)―shut―shut
現在形に関しては「3単現(3人称・単数形・現在)のs」のルールが重要です。これも規則的に-s, -esをつける場合と、have→has, be→isのように不規則に変化する場合とがあります。
完了形の4用法(完了・結果・経験・継続)も押さえておく必要があります。次の2つの文を比較しておきましょう。
My sister has gone to America.(私の妹はアメリカに行ってしまった。結果~今、ここにはいない)
My sister has been to America.(私の妹はアメリカへ行ったことがある。経験)
(2)文型
「文型」の理解は最重要チェックポイントです。たいていの英文は5つの文型のいずれかで理解されるので、「文型を押さえればたいていの英文は読める」ということになります。「文型」とはまさしく「文のパターン」ですが、これは「文の要素」のうち、主語(S)・述語動詞(V)・目的語(O)・補語(C)の4つ(これを「文の主要素」と言います。これ以外の「文の要素」としては、修飾語Mがあります)の組み合わせで分類されるものです。
①第一文型(S+V、この文型を取る動詞を「完全自動詞」と言います。)
Some children are skating on the ice.(何人かの子供が氷の上ですべっている。)
②第二文型(S+V+C、この文型を取る動詞を「不完全自動詞」と言い、この補語はS=Cであるため、「主格補語」と言います。)
John is a fine skater.(ジョンはスケートの名手だ。)
③第三文型(S+V+O、この文型を取る動詞を「完全他動詞」と言います。)
He took his sister to the lake with him.(彼は妹を湖へ一緒に連れて行った。)
④第四文型(S+V+O+O、この文型を取る動詞を「授与動詞」と言い、最初に来る目的語を「間接目的語」、次に来る目的語を「直接目的語」と言います。第三文型への書き換えが要注意です。)
John gave her some advice.(ジョンは彼女に助言をした。)
→John gave some advice to her.(第三文型、たいていの動詞は前置詞toを取りますが、forを取るものとしてbuy買う, choose選ぶ, cook料理する, find見つける, get得る, leave残す, make作る, order注文する, sing歌う、などがあり、ofを取る動詞としてask頼む、があります。)
⑤第五文型(S+V+O+C、この文型を取る動詞を「不完全他動詞」と言い、この補語はO=Cであるため、「目的格補語」と言います。第四文型との見極めのポイントはこのO=Cにあります。)
She found skating very easy.(彼女はスケートをやってみると、とても易しいことが分かった。)
(3)態
動詞には自動詞(目的語を取らないもの、動作がそれ自体で完結)と他動詞(目的語を必要とするもの、動作対象が必要)の2つがありますが、これが文型の違いのみならず、「態」(能動態・受動態)というものを生みます。受動態の作り方のルールを次の文で確認しておきましょう。
George wrote this poem.(能動態:ジョージがこの詩を書いた。)→This poem was written by George.(受動態:この詩はジョージによって書かれた。)
by以外の前置詞を取る受動態、感情を表わす受動態など、頻出のものをイディオムとして暗記しておきましょう。
be covered with~(~で覆われている)
be filled with~(~でいっぱいである)
be interested in~(~に興味がある)
be known to~(~に知られている)
be made of (from)~(~で作られる、ofは材料の形が製作物にとどまっている場合、fromは材料・原料が変形して元の形をとどめていない場合)
be surprised(驚く)
be pleased with (at)~(~が気に入る、~を喜ぶ)
be disappointed in~(~に失望する)
be satisfied with~(~に満足する)
be excited(興奮する)
be shocked at~(~にショックを受ける)
be delighted(喜ぶ)
be astonished (amazed, frightened)(驚く)
be injured (hurt, wounded)(ケガをする)
be accustomed to~(~に慣れている)
be drowned(溺死する)
be burned down(全焼する)
be acquainted with~(~と知り合いである)
(4)法
最後に「法」ですが、動詞による表現の仕方の違いを表わしており、直説法・命令法・仮定法の3つがあります。ここまでの例文は直説法(事実をそのまま述べる)ですので、命令法(命令形で述べる)と仮定法(反実仮想=実際の事実とは違う状況を仮定して述べる)について、次の例文でルールを確認しておきましょう。
Come here, John.(ここへ来なさい、ジョン。命令法は動詞の原形から始まります)
Be quiet.(静かにしなさい。動詞には一般動詞とbe動詞の2種類があります。)
Don’t come in here now.(今ここへ入ってはいけない。否定命令文はDon’t, Neverで始めます。)
Never be afraid of it.(決してそれを恐れるな。)
Let me know by telephone.(電話で知らせて下さい。1人称・3人称に対する間接命令として、「Let+目的語+動詞の原形」<~に…させよ>という形があります。)
I could write a better answer, if I had more time.(もっと時間があれば、よい答案が書けるのに<実際には時間がないので、書くことができない>。仮定法過去=動詞の過去形を使った現在における反実仮想:if+主語+動詞の過去形<be動詞は主語にかかわらずwere>~, 主語+助動詞の過去形+動詞の原形~)
I could have written a better answer, if I had had more time.(もっと時間があったなら、よい答案が書けたのだが<実際には時間がなかったので、書くことができなかった>。仮定法過去完了=動詞の過去完了形を使った過去における反実仮想:if+主語+動詞の過去完了形)~, 主語+助動詞の過去形+動詞の現在完了形~)