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驚き、戸惑い、そして「なぜ自分が」と思ったかもしれません。
けれど少し時間がたつと、「そもそもなぜこの依頼を受けたのか」と自問するはずです。
依頼が来ると嬉しいものです。評価も売上も伸ばしたい、スケジュールを埋めたい。その気持ちが先に立ち、内容の確認や顧客の期待の線引きを曖昧にしたまま仕事を始める。
ここにクレームの芽が潜んでいます。
納品後に「思っていたのと違う」「もっとやってくれると思った」と差分が露呈するのです。
修正の往復、返金交渉、低評価――時間もメンタルも削られます。
断ることは相手を突き放すことではなく、顧客の期待を裏切る結果を未然に防ぐ行為です。
断る経験を積むほど、
「自分がどんな価値を提供でき、どんな顧客と相性が良いか」
がはっきりしてきます。
その輪郭が明確になると、説明や見積もりの段階からズレを減らせ、同じ価値観を共有できる依頼が集まる。
結果として満足度の高い顧客に集中でき、評価やリピートが安定していきます。
一見「売上を逃す」ように見えて、実はサービスの本当の価値を磨き、信頼を積み上げる行動。
「無理をしない」
「完成図が描けない依頼は受けない」
といった静かな基準の積み重ねです。
短期の収益をあえて手放す勇気が、長期的なブランド価値を守り、結果的に継続的な売上を生みます。
仕事を選ぶことは顧客を選ぶこと。
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