お盆に思い出す、人と人をつなぐ大切さ  — 終末期病棟での経験 —

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コラム
 お盆になると、蘇る記憶があります。

 退院された人の初盆参りを毎年していた事。

 それは、もう二度と会えない人たちと、そのご家族と、深いつながりを感じる経験でした。

 お盆の季節になると、私には毎年思い出す風景があります。それは、終末期病棟で働いていた頃のこと。

 当時の病棟では、平均すると毎日1人の方が人生の最後を迎えていました。 その方々の“初盆”に、毎年病棟のスタッフでお参りに伺うのが習慣でした。

 お参りに行く前には、ご家族へ必ず電話をしていました。その時に知るのは、いろんな“その後”です。

 変わらず同じ場所で暮らしているご家族 引っ越しをして新しい生活を始めているご家族 連絡がつかなくなってしまったご家族 時には「なぜ?」と疑われることも

 でも、連絡がつき、声を交わし、実際にお会いできたとき、多くのご家族は笑顔で迎えてくださり、喜んでくださいました。「覚えていてくれて嬉しい」と。

 その言葉は、こちらの胸にも深く響きました。そして、当時の事をお話しながら、何かプレゼントになるような話が無いかと思っていた事を思い出します。

 この経験から強く感じたのは、

「人とつながり続けること」、そして「言葉で想いを伝えること」の大切さです。

 たとえ一度しか会っていなくても、たとえもう会えないかもしれなくても、

 声をかけること、心を寄せることは、相手にとっても、自分にとっても大きな意味を持ちます。

 今はAIの時代。

 情報は簡単に届き、声も映像もすぐに送れる便利な世の中です。

 けれど、私がお盆のたびに思い出すあの瞬間は、AIには代わることができない、人の温度を持ったつながりです。

 相手の声のトーンから感情を感じ取ること。 沈黙の間に流れる思いを察すること。 言葉にならない想いを受け止めること。

 これらは、人間だからこそできること。そして、この先の時代でもきっと、失ってはいけない力です。

 だからこそ、もし心のどこかで「連絡したいな」と思う人がいるなら、ぜひ一度、声をかけてみませんか?

 短いメッセージでも、たった一言の電話でも構いません。「元気にしてる?」「ふと思い出して」 そんな何気ない言葉が、相手にとってはかけがえのない温もりになります。

 先日当時の看護部長さんから連絡がありましたが、びっくりしたのと同時に、とても嬉しかったです。

 これは人にしか出来ない事ですし、

 そんな思いを届ける事が出来るように、

 今日できる事は今日しか出来ない事

として、選択して行こうと思ったお盆でした。
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