今となっては懐かしい「密です」という言葉ですが、なぜか思い出したので数学的な密についてお話していきたいと思います。
少し唐突ですが、
a / 2^n
b / 3^m
という形をした数字を考えてみましょう。
( a は約数として 2 を持たず、b も約数として 3 を持たない整数とします。
n 、 m は自然数です。)
前者の形をした数字の集まりを A 、後者の形をした数字の集まりを B としておきます。
では、これら A 、B は (実) 数直線上でどのぐらい密になっているでしょうか?
これを見るために、何か実数 c というのを一つ取っておきます。
( 具体的な数字が無いと考えづらい方は c = 1952/715 ( = 2.73006993007... ) という数字を頭に思い描いていて下さい。)
すると、任意の n に対して
(こちらも考えづらい方は n = 70 をどうぞ。)
a / 2^n ≦ c < ( a + 1 ) / 2^n
となる整数 a を見つけることが出来ます。
(上の数字だと 3.2230977e+21 = 3.2230977×10^21 とのことです。)
この時の a / 2^n は c と高々 1 / 2^n しか離れておらず、n はいくらでも大きくなるためこの距離はいくらでも小さくすることが出来ます。
つまり、
任意の実数に対していくらでも近い A の要素を発見できる。
という状況になっています。
これは B も同様です。
このような状況を稠密と呼びます。
ここで満員電車を想像してみてください。
密ですよね。
満員電車の車両 2 両分の乗員を一両の車両へ、お互いの肩が触れないように搭乗させることは可能でしょうか?
上の A 、 B という集合は丁度、数直線という一台の列車の上にお互い触れ合わないような搭乗をしているのが背理法で確認することが出来ます。
数学の世界での密というのはそこまで不快ではなさそうだな
というお話でした。