人生すごろくをやった時、泣いてくれた人がいた

人生すごろくをやった時、泣いてくれた人がいた

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こんにちは! 
キャリアコンサルタントのきむにぃ(木村尚文)です。

僕は今、農園や公園などいろいろな場所で、すごろくゲームを使ったキャリア支援の活動をしています。

なんですごろく?って思う人がいると思いますが、今日は、そんな活動の話と、その中で出会った忘れられない涙の話を書きたいと思います。


■「金の糸」というすごろくゲーム

僕が使っているのは、「金の糸」というすごろくゲームです。

これは日本キャリア開発協会(JCDA)というキャリアコンサルタントの団体が出しているツールで、もともとは京都産業大学の学生さんのアイデアから生まれたものだそうです。

ルールはシンプルです。

サイコロを振って、コマを進める。
止まったマスには、質問が書いてあります。
「小学校の頃、好きだった教科は?」
「中学校の頃、夢中になっていたことは?」
そんな質問が書いてあるので、参加者全員それぞれがそのエピソードについて語ります。
他の人は温かく聴く。
そして小学校、中学校、高校、大学と盤面は進んでいきます。

普通のすごろくと違うのは、競わないことで、コマはひとつだけしか使いません。
参加者みんなで一緒に進めていきます。
そういうゲームです。


■なぜ、すごろくなのか

「キャリア支援なら、普通に面談すればいいんじゃないの?」 そう思う方もいるかもしれません。

でも、ここに大事なポイントがあるんです。

キャリアの相談って、ハードルが高いんですよね。

「キャリアコンサルタントに相談する」となると、多くの人は身構えます。 「そんな大げさな悩みじゃないし」
「何を話せばいいか分からないし」
「そもそも相談って、転職する人がするものでしょ?」

まあ、僕自身も会社員時代に誰かにキャリアの相談をしていたかというと、していませんでした。 だから、このハードルの高さはよく分かります。

でも、すごろくゲームだったらどうでしょう?

「ちょっとゲームやってみませんか?」 これなら、身構えずに参加できます。

そして、ゲームを進めるうちに、自然と自分の過去を語ることになる。
気づいたら、キャリアを振り返る時間になっている。

実はキャリアを考える上で一番大事なことのひとつが、自分の過去を振り返ることなんです。
自分が何に夢中になって、何を大事にして、どんな時に喜びを感じてきたのか。
その中に、自分らしいキャリアを考えるヒントが必ず埋まっています。

金の糸は、それをゲーム感覚でできる。
僕はこのツールを知った時、「これは面白い」と思って、自分なりに勉強したり、いろんな場所に体験しに行ったりしました。

そうしているうちに、この金の糸の活動を熱心にやっている仲間と知り合うことができて、気づいたら一緒に活動するようになっていました。
本当にありがたい縁だったなと思います。


■あるイベントで出会った、忘れられない涙

ここからが、今日一番書きたかった話です。

僕たちは、自治体のイベントで金の糸をやらせてもらうことがあります。
ある時のイベントで、ご高齢の参加者の方がいらっしゃいました。

最初、その方は完全に戸惑っていました。
「これ、何なの?」 「一体、何をさせられるんだ?」 そんな感じで、正直、まったく前のめりではありませんでした。

僕はその方と二人で、すごろくを始めました。
最初は僕がサイコロを振って、質問を読んで、お互いに話していたんですが、途中から様子が変わってきたんです。

その方が、自分でサイコロを振るようになりました。
そして、マスに止まると、僕が何か聞く前に、自分から語り始めるようになったんです。

小学校の頃のこと。
若い頃のこと。
その中には、少しつらかった経験もありました。
それでも、その方は自分の言葉で、自分の人生を、どんどん語っていきました。

僕はただ、じっくりと聴かせていただきました。

そして、すべてのマスを終えた時。

その方は、涙を流されたんです。

「話を聴いてくれて、ありがとうございました」
そう言って、ぽろぽろと涙をこぼされました。

僕は、たまらない気持ちになりました。
この仕事をやっていて本当に良かったと、心の底から思った瞬間でした。


■人は、語ることで、自分の人生を受け取る

この経験から、僕は大事なことを教わりました。

人は、自分の過去を自分の言葉で語り、それを誰かに否定されることなく、ただまっすぐに聴いてもらえた時、初めて「自分が歩んできた道は、これでよかったんだ」と受け取れるのかもしれない、ということです。

年齢は関係ありません。
場所も関係ありません。
転職を考えているかどうかも、関係ありません。

自分の人生を、自分の言葉で語る。
それをちゃんと聴いてくれる人がいる。

たったそれだけのことが、人の心をこんなにも動かすんです。

あの日の涙と、語り終えた後のスッキリとしたお顔は、今も僕がこの仕事を続ける原動力のひとつになっています。


■この活動が、賞をいただきました

この金の糸の活動が、日本キャリア開発協会の「金の糸アワード」において、活動部門の優秀賞をいただきました。(ポートフォリオにアップしています)

正直に言うと、この活動は一緒にやっている仲間たちの力によるところが大きくて、僕はその輪に入れてもらっている立場です。
それでも、この受賞は素直にめちゃくちゃ嬉しかったですね。

これからも、キャリアカウンセリングをもっと身近に感じてもらえるように、活動の幅を広げていきたいと思っています。


■あなたの人生の物語も、聴かせてください

最後に、これを読んでくださっているあなたに、ひとつ問いかけたいことがあります。

最近、自分の過去をじっくり振り返って、誰かに語ったことはありますか?

たぶん、ほとんどの方が「ない」と答えると思います。
日々の仕事や生活に追われていると、自分の人生を振り返る時間なんて、なかなか持てないですよね。

でも、もし機会があったら、ぜひ一度、自分の物語を誰かに語ってみてください。
それは家族でも、友人でも、僕たちのようなキャリアコンサルタントでも構いません。

語ってみると、気づくことがあります。
「ああ、自分はこんなことを大事にして生きてきたんだな」
「あの経験があったから、今の自分があるんだな」

その気づきが、これからの人生を歩く力になります。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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