こんにちは!
キャリアコンサルタントのきむにぃ(木村尚文)です。
「木村さん、この時間、別に必要なくないですか?」
僕は1on1の時間にこんなことを言われた経験があります。
■ある日、会社で「1on1」が始まった
僕が管理職になったくらいのタイミングで、ちょうど会社で「1on1」という制度がスタートしました。
「これからの組織には1on1が必要だ」
「部下の主体性を引き出すために、しっかり対話する場を持とう」
そういう号令とともに、ある日突然、僕の予定表に「1on1」という枠が並ぶようになりました。
ところが、会社からは「制度ですので、2週間に1度以上は必ずやってください」と言われただけで、具体的にどうやるかの指示はありませんでした。
どう話せばいいんだ?
何を聴けばいいんだ?
そんな状態で、僕は完全に我流で1on1を始めました。
たぶん、当時の管理職のほとんどが、僕と同じ状態だったと思います。
■我流で始めた1on1
何を話せばいいか分からないから、業務の進捗確認をする。
気まずい沈黙が流れたら、自分の経験談をしゃべる。
部下が悩みを話してくれたら、すぐにアドバイスする。
「ちゃんとした上司」を演じようと、必死だったんですよね。
部下に「頼れる管理職」と思われたくて、自分なりには頑張っていたつもりでした。
でも、その頑張りは、自分の不安をごまかすためのものだったんです。
沈黙が怖いから喋る。
役に立てていない感覚が怖いからアドバイスする。
それでも僕は、自分なりに頑張ってやっているつもりでいました。
部下のために時間を作っているんだから、悪いことじゃないだろうと。
■この時間、必要なくないですか?
公私ともに仲の良い部下がおりまして、その部下との1on1において、以下のようなことを言われました。
「木村さん、この時間、別に必要なくないですか?」
その時は僕も「そうだよな、ははは」みたいな対応をして、終わったんですが、その後、1on1を考えて内省した時に「必要ない時間」にしちゃダメなんだよなと非常に強く思いました。
■1on1は、部下のための時間
内省し、自分なりにたくさん勉強もし、部下のフィードバックも受けながら、たどり着いたシンプルな結論は、「1on1は、部下のための時間だ」ということでした。
それまでの僕の1on1は、結局、自分のための時間だったんですよね。
「ちゃんとやっている管理職」と思われたい自分。
「役に立つアドバイスをした」という満足感を得たい自分。
気まずい沈黙を埋めたい自分。
でも、これを部下のための時間に変えると、
僕が話す時間を減らして、部下が話す時間を増やす。
アドバイスを急がず、まず聴く。
沈黙が流れても、それを「部下が考えている時間」として尊重する。
これを意識し始めてから、部下の反応が少しずつ変わっていきました。
「実は、ちょっと困っていることがあって」
「最近、考えていることなんですけど」
部下が、自分から話を切り出してくれるようになっていきました。
■1on1は、マネジメントの「鏡」
僕は1on1という時間が、自分のマネジメントの姿勢を映す鏡だとも思っています。
普段の業務の中では、自分が部下にどう向き合っているか、なかなか客観視できません。
報告を受け、指示を出し、トラブルに対応し、毎日が細切れに流れていく。
その忙しさの中で、「自分は部下とちゃんと向き合えているか」を立ち止まって考える時間は、ほぼないんですよね。
でも、1on1の時間に入ると、自分の姿勢がそのまま表に出てきます。
部下が安心して本音を話してくれているか。
自分は、相手に関心を持って聴けているか。
それとも、つい指導や解決に走ってしまっているか。
1on1がうまくいかない時、それは1on1だけの問題じゃないと思います。
普段のマネジメント全体の姿勢が、1on1という凝縮された時間に、そのまま表れているだけなんですよね。
逆に言うと、1on1のあり方を整えることは、マネジメント全体を整えることに直結します。
ここを丁寧に磨いていくと、日常のマネジメントの質も、少しずつ変わっていきます。
■同じ場所で苦しんでいる管理職の方へ
独立して、いろんな管理職の方々の話を聴いていると、強く感じることがあります。
ほとんどの管理職の方が、僕と同じく独学で1on1をやっています。
会社から「1on1をやれ」と言われたけど、やり方は丸投げ。
本を読んだり、たまに研修を受けたりしながら、現場で手探りでやっている。
そして、多くの方がこう言うんです。
「1on1が業務報告会になってしまう」
「沈黙が怖くて、つい自分ばかりアドバイスをしてしまう」
「部下の本音が引き出せているのか分からない」
ひとりで試行錯誤すること自体は、悪いことじゃありません。
でも、もし伴走してくれる人がいたら、僕はあそこまで遠回りしなくて済んだだろうな、と今でも思います。
「この時間、必要なくないですか?」と部下に言わせてしまう前に、もっと早く気づけたかもしれない。
そう思うからこそ、今、同じ場所で苦しんでいる管理職の方々の力になりたいと考えています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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