昨晩の振り返り
ニューヨーク地区の製造業景況指数は予想外に落ち込んだが、それによるドル売りは瞬間的なものにとどまった。新規受注や出荷は振るわなかったものの、半年先の見通しに悲観的な見方は出ておらず、雇用面がやや改善を見せたことがドル売りを和らげた。
注目されていたニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁からは「1月の政策対応については現時点で判断するのは時期尚早」との発言があった。早期利下げを示唆するかと思われていただけに、この内容を好感してドルは深夜にかけて上昇したが、勢いには乏しいまま朝方を迎えている。
ドル円は日銀の利上げに対する思惑から円高方向への売り込みが進んでおり、12月17日10時30分時点で155円10銭付近を推移。154円台での自律反発がどのように維持されるかが注目される。
今夜の注目ポイント
18時:ユーロ圏・イギリスのPMI速報値
両国とも製造業は景気の分水嶺である50を超えられるかどうか、余裕のない状況にある。特にイギリスはサービス業PMIも前回51.3と低く、今回50を割り込む可能性がある。
各国とも経済を牽引するのはサービス業のウェイトが大きいため、予想外の悪化があればポンド売りが先行し、ドル買い・円買いの動きが起こりそうだ。その際、通貨の信用面からドルの方が買われやすいことを踏まえておきたい。
22時30分:アメリカ11月雇用統計
今週最も注目度の高い指標。非農業部門雇用者数は前月比+5万人の予想だが、予想と結果の乖離が大きくなりやすい。
直近約2ヶ月間は政府機関閉鎖の影響で民間調査が参考にされてきた。ADP社の雇用者数は前月比割れ、チャレンジャー社の人員削減数は前年比175.3%増と約2年半ぶりの大幅悪化を示している。求人件数は700万件を維持しているが、そもそも700万件台が旺盛かというと疑問が残る。
FRBの利下げも「予防的」との位置付けであることから、雇用者数が予想以上に増加した場合のドル買いはやや急な角度で見られそうだ。変動幅としても、下落時より上昇時の方が伸びる可能性がある。
一方、失業率の悪化については不法移民の排除が進む中での一時的な現象と捉えられる可能性がある。
リスクの取り方について: 雇用者数が前月比で減少するネガティブインパクトでは攻めすぎず、10万人を超えるなどのポジティブインパクトでは大いに攻めるなど、リスクの取り方に差をつけるのは有効かもしれない。
23時45分:アメリカPMI
製造業・サービス業ともに50を超えてくるかが焦点。雇用統計での変動がやや落ち着く時間帯に公表されるため、相場の加速要因となることが期待される。
注目はサービス業。ブラックフライデーから続く年末商戦がどう影響するか。アメリカは対日本では円安ドル高だが、イギリスやユーロ圏など他国から見るとドル安が進んでいる。日本がインバウンド効果を得たように、アメリカでも日本人以外のインバウンド効果が見込める状況にある。
PMIが上向けばFRBの利下げ期待が後退し、ドル買い・円売りの材料となる。ただし今夜のPMIは総じて経済活動が若干縮小する見込み。年末商戦という武器を持ちながら景況感が苦戦する場合、想定外の幅と角度でドル円が下落する事態には警戒が必要だ。
本日のサポート&レジスタンス
レベル価格第2レジスタンス156円52銭第1レジスタンス155円91銭現在値155円10銭付近第1サポート154円76銭第2サポート154円22銭
154円台に差し込んでからの反発は見られるが、上値の切り下がりが徐々に相場を悲観的にさせている。本日すでに第1サポートの154円76銭を試しており、反発に乏しければ第2サポートの154円22銭をも割り込む動きが出るかもしれない。
155円台は月初から支えられてきた水準だけに、154円76銭を割れた段階での値固めは考えにくい。下方向へ動き出した際の勢いには相当な警戒が必要だ。
反対に上昇した場合は、昨日にも増して156円台への到達が困難そう。鍵を握るのは第1レジスタンスの155円91銭であり、到達できないような場面ではそこからの下落が改めて警戒される。
まとめ
総じて弱さが感じられる相場環境にある。相場の崩れに対しては今まで以上に敏感さを備えておきたい。瞬間的な乱高下に惑わされず、指標結果を素直に受け止めたトレードを心がけよう。