子どもの頃の体験はまるで神経が記憶しているかのように、条件反射みたく今のふるまいに影響していきます。
臨床心理士・公認心理師のかすがです。
今日もお仕事や日常のあれこれ、本当にお疲れ様です。
人と話した後に、こんな風に感じることはありませんか?
「本当は言いたいことがあったけれど、どうせ言っても分かってもらえないや」
そうやって諦めて口をつぐみ、自分の本当の気持ちをそっと胸の奥にしまい込んでしまう。
今回は、アサーション(自分も相手も大切にする表現)の第一人者である心理学者・平木典子先生の知見を借りながら、「どうせ分かってもらえない」という孤独感から少しだけ抜け出し、心が軽くなる「心の整理術」について一緒にながめてみましょう。
なぜ「どうせ分かってもらえない」と思ってしまうのか?(孤独の正体)
「本当は聞いてほしいけれど、どうせ理解されないから言わない」
そうやって自分の殻に閉じこもってしまうのは、あなたが冷たいからでも、コミュニケーションをサボっているからでもありません。「もうこれ以上、自分の心を傷つけたくない」という、自分を守るための大切な防衛反応なのです。
根っこにある「分かってもらえなかった」過去の記憶
特に子どもの頃、せっかく勇気を出して話したのに、大人に「そんなことより」「あなたが悪いでしょ」と否定された経験があると、心は深く傷つきます。
このときに生まれた「分かってもらえなかった孤独感」は、大人になっても心の奥底に残り続けます。その結果、「話してもどうせ傷つくだけだ」と心が学習してしまい、挨拶や用件といった“絶対に傷つかない安全な会話”しか口にしなくなっていくのです。
また、「自分の気持ちを100%正しく伝えなきゃいけない」という完璧主義や、HSP(繊細さん)気質をお持ちの方ほど、他人の反応を敏感に察知してしまい、口をつぐむ傾向が強くなります。
自分の意見をいう段になると体がフリーズしてしまう人もけっこういます。
100%理解されなくていい。そう思えたら楽になる理由。
心理学の世界では、大人の心へと整っていくプロセスのひとつに「せっかく話しても、わかってもらえない場合もあると受け止める作業」があると考えられています。
日常の人間関係において、自分の気持ちを100%完璧に理解してもらうことは、実は誰にとってもほとんど不可能です。
「あきらめる」というと投げ出すように聞こえるかもしれません。しかし、仏教や心理学における「あきらめる」の語源は、事情を「明らめる(明確にする)」ことです。
「100%分かってもらうのは無理かもしれないけれど、60%くらい伝われば十分かな」
「この人は分かってくれなくても、世の中の別のどこかには分かってくれる人もいるよね」
そうやって、「完璧に理解されること」を一度手放してみる(あきらめる)ことで、「分かってもらえなかったらどうしよう」というプレッシャーから心を解放してあげることができます。
「口をつぐむ前」にできる3つの心の整理術
では、孤独を感じて心がモヤモヤしたとき、具体的にどうすればいいのでしょうか。自分一人でもできる簡単な「心の整理術」を3つご紹介します。
1. 感情を紙に書き出す(ジャーナリング)
誰かに話す前に、まずはノートやスマホのメモ帳に、今の気持ちをありのままに書き出してみましょう。「ムカついた」「悲しかった」など、まとまっていなくて構いません。視覚化することで、脳の認知リソースが解放され、ストレスが軽減します。
2. 感情と事実を分ける
「あの人は私のことを嫌っている(感情・思い込み)」と「あの人は挨拶を返さなかった(事実)」を分けて考えます。事実だけを切り取ることで、過剰な不安や孤独感を和らげることができます。
3. 「誰に」なら話せるか考える(心の安全地帯)
身近な家族や友人には話しにくいことでも、まったく利害関係のない第三者になら話せることもあります。「この人なら否定せずに聞いてくれる」という安全地帯を見つけておくことが、メンタルケアにおいては非常に重要です。
それでも、一人で抱えきれないときは
この記事では、「こうすれば絶対に分かってもらえます!」という魔法のような解決策はお伝えしません。なぜなら、人間関係や心のあり方に「これをやれば100点満点」という唯一の答えはないからです。
もし今、周りの誰にも本音が言えず、一人きりの孤独感の中にいるのなら、無理に身近な人に理解されようと頑張らなくてもいいでしょう。
「まとまらない気持ちを、まとまらないまま誰かに話してみたい」と思ったときは、臨床心理士である私を頼ってください。
忙しいあなたにこそ、電話相談サービスは開かれています。
専門家としての客観的な視点を持ちつつ、あなたを絶対に否定しない「心の安全地帯」をご用意してお待ちしております🍀
👉
📖 あわせて読みたい(おすすめの関連記事)
「他人の目や言葉が気になって疲れてしまう」という方は、こちらの記事もあわせてお読みください。
👉
明日からのあなたの時間が、少しでも穏やかでありますように。
「心がモヤッとしたときにまた読み返したいな」と思った方は、画面を閉じる前に【お気に入り♡】や【フォロー】をポチッと押しておいてくださいね。
それでは、また。