場所は埼玉県のどこか。
その小さめのハイツにはもともと友人一家が暮らしていて、私もよく遊びに行かせてもらっていました。
娘も生まれて東京のマンションが手狭になり、もう少し広い部屋をと探していた私に友人が「おいで」と誘ってくれたのです。
彼女の部屋のお隣がちょうど空室になっていて、もうすぐリフォームも終わるということでした。
駅からも近く80平米9万はありがたいお話でした。
でもそのお部屋、不動産屋さんに連絡したのですが一歩遅くて他の方の入居が決まってしまいました。
がっかりする私に友人が教えてくれたのは、友人の真上の部屋がもうすぐ空室になるという情報でした。
それが心理的瑕疵付き、いわゆる事故物件でした。
その事件は私が契約しそこなった1ヶ月ほど前に遡ります。
入居していたのは仲の良いご夫婦でしたが旦那さんが酒癖が悪く、毎週土曜日にお酒を飲んでは暴れていたそうです。
それは真下の友人宅にもよく響いていたとのこと。
そんな土曜日、旦那さんが奥さんを殴り、転倒した時の当たりどころが悪くて奥さんが亡くなってしまったのです。
旦那さんは警察に逮捕され、無人となりました。
もちろん契約解除になり、しばらくの間は親族の方が後片付けに来ていたそうです。
その部屋がをリフォームして貸し出したいとのことでした。
お家賃も少し安くしていただけるとのことで、入居を決めたのです。
*旦那さんは「過失致死」として有罪になったそうです。