閲覧いただきありがとうございます!
東京都内の不妊治療クリニックで胚培養士をしています、フクワライ(embryology2901)という者です。
今回は、胚培養士にはどのようになるのかについて解説したいと思います。
私が胚培養士になった経緯
まず最初に私が胚培養士になった経緯についてお話します。(以前のブログでもお話してるので、興味のある方はそちらのブログも閲覧いただければと思います!)
私が胚培養士を知ったのは大学3年生の頃でした。
私が通っていた大学の学部は臨床検査技師になるか研究者になるか・・・というような進路の人が多かったです。
私も例に漏れず、臨床検査技師として病院で働くか、研究者として大学に所属するかの選択に迷っていました。
私が所属していた研究室は動物の卵子・精子・胚を扱うような分野だったので、その経験が生かせればいいなーとか考えていました。
そこでインターネットで人の配偶子を扱う職業はあるのかな?と調べたのが始まりでした。
胚培養士になるには臨床検査技師免許があるといい、そして今の経験を人の役に立たせることができる!と思い胚培養士を目指すことにしました。
その後胚培養士の求人を見漁り、いくつかの病院に面接に行き(ほとんどに落ち)、最終的に内定を頂くことができました。
胚培養士になるための条件
まず資格的な条件からお話します。
胚培養士になるのに資格は必要ありません。
ただ多くの病院で以下のような条件が課されています。
① 臨床検査技師資格または看護師資格を持っている者
② 畜産・農学・⽣物系など理系⼤学を卒業している者
上記のいずれかを満たしている人が新卒で募集されています。
この条件は、胚培養士の資格を発行している学会の受験要項に沿ったものになります。(学会は日本卵子学会と日本臨床エンブリオロジスト学会があります。詳細を知りたい人は調べてみてください。)
ただこの資格は今後国家資格として認定していこうという動きがありますので、条件が変化する可能性があります。
恐らく日本卵子学会で今後のアナウンスがされると思いますので、胚培養士を目指す方は定期的にチェックするのをお勧めします。
次に資格以外の面での条件です。
要は向き不向きのお話になってしまうのですが、以下の条件に当てはまる方は胚培養士になるかどうか考える必要があると思います。
・細かい作業が苦手
→胚や卵子は200μm弱の大きさです。これを顕微鏡で見ながら細いガラス管で吸い吐きしながら操作します。そのため必然的に細かい作業が必須になります。
細かい作業も練習すれば慣れるので、練習に耐えられる方であれば全然大丈夫だと思います。
逆に細かい作業をするのが辛い、苦手で練習も耐えられない、顕微鏡覗いていられない・・・みたいな方は胚培養士になると辛い道のりが待っていると思います。
・緊張やプレッシャーに極端に弱い
→胚培養士の仕事は患者さんから取った卵子や胚、精子を扱う仕事です。
この細胞は患者さんが多くの労力・金額をかけて胚培養士に預けてくれているものです。また先述したように細胞の大きさは小さいです。
例えば卵子を机の上に落してしまったら、それを回収するのはほぼ困難ですし患者さんにどう説明しよう・・・ってことになります。
そんなことが起きないよう、常に細心の注意を払って細胞を扱いますし、常に細胞を失くしてしまうかもしれないというプレッシャーにさらされます。
この緊張感・プレッシャーに弱く体調を崩してしまったりしそうな方は、正直胚培養士としてやっていけないかも・・・と思ってしまいます。
(しっかり技術を身に着ければ細胞を失くすことも無くなりますので、練習を十分に行うことは重要ですね!)
・患者さんの気持ちに寄り添えない
これはどの業界でも同じかと思いますが、サービスを提供する方(医療系では患者さん)の気持ちに寄り添えない方は成長していかないかなと思います。
特に不妊治療は精神的に辛いタイミングが多いです(妊娠できない、流産してしまった、妊娠した子に染色体異常があり中絶するか迷う・・・など)。
胚培養士は患者さんと直接話すタイミングが少ないと思いますが、そんな時に患者さんを支えられない方は胚培養士に向いてないかなと思います。
就職先の探し方
胚培養士の就職先は病院・クリニックか企業かと思いますが、病院・クリニックの求人が多いです。
探し方としては、
①不妊治療病院・クリニックのホームページを検索して直接探す
②日本卵子学会・日本臨床エンブリオロジスト学会に出ている求人から探す
③就活用サイトから探す
のいずれかかなと思います。
①のメリットは、②③に求人を出していない病院の求人を見つけることができる点です。規模が小さい病院や大々的に求人をしなくても人が集まる病院は②③に求人を出していない場合があるので、もし気になる病院があるなら個別に調べるのがお勧めです。
①のデメリットとして、調べるのに時間がかかる、調べきれないという点が挙げられます。
②に挙げた2学会は各病院から申請があれば求人を掲載しています。病院の場所や雇用条件などが一覧になってまとまっていますので効率的に探すことができますが、申請の無い求人を見つけることはできない点に注意する必要があります。
③は「胚培養士JOB」というサイトが有名です。
こちらも②と同様に申請のあった求人を掲載していますが、病院以外にも企業の求人もある点が他と異なるかと思います。また就職祝い金などがあったり、病院とのやり取りを一部任せることができたりする場合があります。
胚培養士になるために必要なこと、やっておいた方がいいこと
必ずこれをやれ!ということは正直ありません。
ただ胚培養士になってから役立つだろうこととしては、
・生物系(特に精子・卵子・胚の発生や遺伝子制御)・不妊治療・生殖医療系の書籍を読んで知識を付ける
・(医療系の学部出身じゃない人は特に)医療の知識を付ける
(医療倫理、人体の構造、ホルモン内分泌など)
・顕微鏡の扱いに慣れる(両眼視ができるようになる)
・マイクロピペット、滅菌機(オートクレーブ)等の扱い方を知る
あとは就職前の時間を楽しむことですかね・・・
最後に
今回は胚培養士のなり方、なるために必要なことを解説しました。
胚培養士を目指す方の一助となれれば幸いです。
もし胚培養士や不妊症・不妊治療について知りたい事がありましたらメッセージ等いただければ解説させていただきますのでよろしくお願いします!
不妊や不妊治療に対して悩み・疑問・不安がある方は是非お話頂ければと思いますので、機会があれば下記のサービスもご利用ください。