魅力的なキャラクターを作るには? その1

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コラム

「魅力的なキャラクターをどうやって作るのか?」
これは小説において、大変重要な課題です。
ライトノベルでも、シリーズ化した作品でも、
魅力的なキャラクターがあってこそ人気が出るわけです。

どうやって作るか……。
はて。
そのhowtoを考えてみたけれど、
そういえば私は作家ではない。
編集者である。

作り方はわからん!
……というのが正直なところ。
しかし、「どんなキャラクターが魅力的なのか」はわかります。
読んでいて、「薄っぺらいキャラだな」という小説もわかります。

ここでは、「どんなキャラクターが魅力的なのか」
掘り下げていきましょう。

その前に「薄っぺらいキャラクターとは何か」について、
話しておきます。
「薄っぺらい」とは、「まるで生きている感じがしない」
「実在している気がしない」「物語をなぞるためだけに存在している」
「型どおりな感じ」がするキャラクターです。

魅力的なキャラクターと薄っぺらいキャラクターとの決定的な違い
それは、「生」な感じがするかどうか
「生きている」感じがするかどうか……
なのではないかと思います。

では、どうすれば生きている感じになるのか。
それは「より人間らしく」書くことです。

どうすれば人間らしくなるのか。
それは、人間の「機微」「心の奥の声」「真理」
といったものを描けているかどうか
なのではないかと思います。

例えば、「主人公は陽気な人」、とキャラ設定したとします。
しかし、いつもいつも、その人は陽気でしょうか?
違いますよね。
たまには陰気になることもあると思います。
それに、実はもともとは陽気なタイプではなかったかもしれません。
過去に何かあって、陽気になろう、と頑張っているのかもしれません。
だいたいは陽気だけど、ある人の前では陰気に見えるかもしれません。

例えばあるキャラクターを「優しくて誠実でまっすぐな人」と設定します。
その人物は、生まれてから死ぬまでずっと、
「優しくて誠実でまっすぐ」でしょうか?
そのキャラクターに重大な問題が降りかかった時は?
「優しくて誠実でまっすぐ」な部分が、一生のうちで一度も
揺らがないのだとしたら、それはあまり人間っぽくないですよね。

むしろ、その人の「誠実でいられなかった」部分というのが見たい気がします。
まっすぐな人の、まっすぐでない部分、つまり、人間の「光」の部分だけではなく、「闇」の部分も知りたいと思ってしまいます。
そしてそれは人間であるからには、少なからずみんな持っているものだと思います。

……というように、人間って実は曖昧で奥深くて、繊細な生き物なんだよ、
ということがしっかり描けると、キャラクターも「生きて」きますし、
物語もぐっと深みが出てくると思います。

「キャラクターを魅力的に描くためには、人間観察が欠かせません」
とはよく言われますが、ただ表面的に人間観察をしていても、
小説にはいかせません。
「人間」というものを、深く深く考察する……というのが必要になってくるのです。

次回、もうちょっと「キャラクターを魅力的に描く」
ことについて、掘り下げて書いていきたいと思います。
めずらしく、続く……(笑)。



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