「魅力的なキャラクターをどうやって作るのか?」
これは小説において、大変重要な課題です。
ライトノベルでも、シリーズ化した作品でも、
魅力的なキャラクターがあってこそ人気が出るわけです。
どうやって作るか……。
はて。
そのhowtoを考えてみたけれど、
そういえば私は作家ではない。
編集者である。
作り方はわからん!
……というのが正直なところ。
しかし、「どんなキャラクターが魅力的なのか」はわかります。
読んでいて、「薄っぺらいキャラだな」という小説もわかります。
ここでは、「どんなキャラクターが魅力的なのか」を
掘り下げていきましょう。
その前に「薄っぺらいキャラクターとは何か」について、
話しておきます。
「薄っぺらい」とは、「まるで生きている感じがしない」
「実在している気がしない」「物語をなぞるためだけに存在している」
「型どおりな感じ」がするキャラクターです。
魅力的なキャラクターと薄っぺらいキャラクターとの決定的な違い。
それは、「生」な感じがするかどうか、
「生きている」感じがするかどうか……
なのではないかと思います。
では、どうすれば生きている感じになるのか。
それは「より人間らしく」書くことです。
どうすれば人間らしくなるのか。
それは、人間の「機微」「心の奥の声」「真理」
といったものを描けているかどうか、
なのではないかと思います。
例えば、「主人公は陽気な人」、とキャラ設定したとします。
しかし、いつもいつも、その人は陽気でしょうか?
違いますよね。
たまには陰気になることもあると思います。
それに、実はもともとは陽気なタイプではなかったかもしれません。
過去に何かあって、陽気になろう、と頑張っているのかもしれません。
だいたいは陽気だけど、ある人の前では陰気に見えるかもしれません。
例えばあるキャラクターを「優しくて誠実でまっすぐな人」と設定します。
その人物は、生まれてから死ぬまでずっと、
「優しくて誠実でまっすぐ」でしょうか?
そのキャラクターに重大な問題が降りかかった時は?
「優しくて誠実でまっすぐ」な部分が、一生のうちで一度も
揺らがないのだとしたら、それはあまり人間っぽくないですよね。
むしろ、その人の「誠実でいられなかった」部分というのが見たい気がします。
まっすぐな人の、まっすぐでない部分、つまり、人間の「光」の部分だけではなく、「闇」の部分も知りたいと思ってしまいます。
そしてそれは人間であるからには、少なからずみんな持っているものだと思います。
……というように、人間って実は曖昧で奥深くて、繊細な生き物なんだよ、
ということがしっかり描けると、キャラクターも「生きて」きますし、
物語もぐっと深みが出てくると思います。
「キャラクターを魅力的に描くためには、人間観察が欠かせません」
とはよく言われますが、ただ表面的に人間観察をしていても、
小説にはいかせません。
「人間」というものを、深く深く考察する……というのが必要になってくるのです。
次回、もうちょっと「キャラクターを魅力的に描く」
ことについて、掘り下げて書いていきたいと思います。
めずらしく、続く……(笑)。