Excelで介護支援記録管理システムを作ってみる~10日目(つづき)
前回投稿の続きです。
動静記録を作成するさい必要な複数条件でのデータ抽出の準備が整いましたので、仕上げとして、動静記録書シートに抽出したデータを表示させてみます。
ここから先は前々回の「Excelで介護支援記録管理システムを作ってみる~9日目」で行ったやり方と同一です。
INDEX関数とSMALL関数を組み合わせ作成した配列数式を使う方法なのですが、Microsoft365やExcel2021以降をお使いの方はFILTER関数を使ってみてください。
この数式は、別シート上に作成した動静記録検索テーブルの[CK4]列の値、すなわち条件一致フラグの値が"1"であるデータを参照し、時系列順に表示させるものです。
下の画像のとおり、抽出させる条件として、利用者名を"柴田 徹子"、期間を"2024/5/10"~"2024/5/15"、実施内容は設定なしの条件設定としました。
データ表示部となる右下表のまず1行目、「日付」のセルにエラーを表示させないIFERROR関数でくるんだ数式を入力します。この数式に関する詳細を知りたい方は、少し以前の「Excelで...4日目」のブログをご覧ください。
数式を入力したら、配列数式となるようCtrlキーとShiftキーを押しながらEnterキーを押して確定します。すると、該当データの日付が表示されます。
同様に、利用者名、時刻、実施内容、実施記録、担当者の各列についても、動静記録検索テーブルの[CK4]列の値が"1"であるデータの当該項目が表示されるよう、配列数式を入力していきます。
1行目に各数式を入力後、すべて正しく表示されていることを確認したら、オートフィルを使って下の全ての行にコピーします。すると下の画像どおり、条件設定どおりの記録が抽出され、表示されました。
但し「実施記録」の列を見ると、内容がすべて表示されていないため、セルの書式設定で折り返して全体が表示されるようにしなくてはなりません。
下の画像がそれを行った画像です。
さらに、ここから抽出条件を変えてみると、新たな抽出結果がすぐ表示されはするものの、「実施記録」部分のテキスト量に合わせた行の高さの自動調整は行われません。
このため、手間はかかりますが、「実施記録」列を選び、ホームメニューの中の「書式」→「行の高さの自動調整」をクリックし、行の高さの調整を行う必要があります。
下の画像は抽出条件として、利用者名を"柴田 徹子"、期間を"2024/5/11"~"2024/5/24"、実施内容は"体調確認・処置"に変えた後、行の高さを調整し表示させた結果です。
日誌同様、記録データを抜き出した後にひと手間かけなくてはならい問題はありますが、動静記録についても作成できました。
細かなことはまだいろいろありますが、一応ここまでで介護支援記録管理システムが完成したことにしたいと思います。
利用者の情報、職員の情報はシステム内に一元化はされてはいませんが、パーワークエリで情報がリンクされていることで実質的に統合された形になっています。
記録データを大勢の職員で入力していくような施設には向きませんが、定員30人程度の施設で、同時的に入力する職員も数人に限られているのなら、それなりに使えなくもありません。
効率性の面では、Excelに慣れていれば誰でもシンプルに操作できるかと思われますが、データ入力を開始する前に必ずリンクテーブルを更新しておく必要性や、データ入力後、日誌や動静記録を出力したいときは、その前に各検索用のテーブルを更新しておく必要があることなど、留意しなければならない点がいろいろあります。
必要な操作を忘れると、情報やデータの漏れが生じるリスクがあるため、システムとしてはやや不安定と言わねばなりません。
VBAを加えればリスクは多少回避できますが、Excelを言わば"素"の状態で使うため、この不安定さを理解しながら確実に使いこなすことが重要になると思います。
私がAccessで開発した介護支援記録管理システムには不安定さはほとんどありません。データベース操作を目的とする専門ソフトで開発したのですから、当然と言えば当然で、差は歴然としています。
これまで私が行ってきた方法ではなく、ExcelのVBAを使って安定的なデータベースシステムの構築を目指す方向も勿論ありますが、ExcelのVBAを学ぶ必要があるなら、AccessのVBAを学んでリレーショナルデータベースシステム(RDBMS)を構築する方向を目指したほうが絶対有益で、出来上がりのクオリティも高くなるでしょう。
業務の中で大量のデータを扱うデータベース(テーブル)を作り、それらを操作するような仕事が生じたときは、これまでのExcelではなく、Accessでまずデータベースを作るところから始めてみると、きっと新しい世界が開けていくと思います。
VBAを知らなくてもAccessは大いに使えます。
シリーズとしてのブログは今回で終了とします。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。