個人に役立つキャリア理論のご紹介

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 こんにちは、キャリアコンサルタントのマック渡邊です。

 今日は、2級キャリアコンサルティング技能士でもあり、国家資格キャリアコンサルタントでもある私が、41年の会社人生の中で起きた何度かの「予期せぬ転機」を、自分の成長に変えることができた経験を持つ者として、みなさんに「個人に役立つキャリア理論のご紹介」と題して、個人のキャリア形成に役立つキャリア理論を2つご紹介したいと思います。

(1)我々を取り巻く社会の変化

 我々を取り巻く社会は、コロナ禍の影響も相まって大きく変化してきています。
● 日本の構造的な変化
 ・終身雇用制度の崩壊(企業はもはや人材を育成する余裕がなくなっている)
 ・少子高齢化の加速(労働人口の減少)
 ・AIデクノロジーの急速な進展(専門性の陳腐化、働き方が激変する可能性)
● 人生100年時代と働き方改革
 ・長寿化、年金受給開始年齢の延期にともなう定年延長など働く期間の長期化
 ・中高年のリカレント教育(学び直し)とリスキリングの必要性
 ・子育てや介護と仕事の両立など(ワークライフバランス)
● 新型コロナウイルスの流行による社会の劇的な変化
 ・リモートワーク、ハイブリッドワークの普及
 ・働き方の多様化(ダブルワーク、副業、兼業など)
 ・DX化加速(ペーパーレス化やオンライン会議の促進)
 ・常識が激変(通勤、出張・転勤、ハンコ、名刺、現金)

 つまり、新たな環境変化を読み取りながら、「キャリア、生き方を節目・節目で絶えず柔軟に見直し自ら再設計する」ことが必要な時代になってきたといえます。

日本国政府としても、厚生労働省を中心に、
 ・企業へのセルフキャリアドックの導入推進
 ・キャリアコンサルタント(キャリコン)10万人養成計画
 ・ジョブカードの活用推進
 ・教育現場へのキャリコン派遣によるキャリア教育
といった施策を通じて、個人個人のキャリア形成を後押ししています。

 我々、キャリアコンサルタントは、キャリアコンサルティングを行う専門家として、守秘義務を持って相談者に寄り添います。

 厚労省によれば、「キャリアコンサルティングとは、労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」と定義されていまが、私は、「すべての人の自立・自律したキャリア・生き方を支援する」ことだと考えています。

 キャリアコンサルタントは、平成28年4月より、職業能力開発促進法に規定された「国家資格(名称独占資格)」であり、全国に7万人超がいます。また、国家検定として、「2級キャリアコンサルティング技能士(熟練レベル:全国で1万人程度)」、「1級キャリアコンサルティング技能士(指導者レベル:全国で1000人程度)」の資格もあります。

(2)個人のキャリア形成に役立つキャリア理論(その1): キャリアアンカー

 まず、組織心理学者として世界的に高名なマサチューセッツ工科大学名誉教授であったエドガー H. シャイン博士の研究成果の1つである、「キャリアアンカー」をご紹介します。

 キャリアアンカーとは、「仕事をする上でこれだけは譲れないという価値観や欲求であり、業務経験を重ねることで熟成する自己概念で、環境が変化しても基本的には変わらないもの。」とされており、だいたい社会人経験10年あたりで固まってくるといわれています。

① 自分は何が得意か(コンピタンス)
② 自分は何をやりたいのか(動機)
③ 何をするとき自分に意味や価値を感じるのか(価値観)
が重なる部分がキャリアアンカーです。

 シャイン博士の長年の研究により、キャリアアンカーには下記に挙げる8つのカテゴリーがあり、ほとんどの社会人はどれかに当てはまるとされています。個人の仕事に対する考え方を知るための一つの指標とも言え、キャリア指向質問票に答えることや、第三者との対話(キャリアアンカーインタビュー)によって判別できまず。

①専門・職能別コンピタンス
②全般管理コンピタンス
③自律・独立
④保障・安定
⑤起業家的創造性
⑥奉仕・社会貢献
⑦純粋な挑戦
⑧生活様式

 ぜひ、ご自分のキャリアアンカーを探してみてください。 
そして、自身のキャリアアンカーがわかったら、次に何をすべきでしょうか。

1. 自分自身についてさらに深く学ぶための方法を学ぼう
継続して自分自身を観察する機会を設け、観察したことの意味合いを考え出し、自己洞察を高めていくことが大切
2.自分の現在の職務を分析しよう
現在の職務が自分のキャリア上の欲求を満たしているか、キャリアアンカーと一致しているか、自分の才能を生かせているか、自問自答してみる
3.将来の計画を考えよう
将来をもっと充実したものにするために、これからの職務はキャリアアンカーと一致しているか、そうでないならどのような調整が必要か、自分の職務を設計しなおすことが必要か、考える
4.自分のキャリアアンカーや欲求を周りと共有しよう
個人の欲求と組織の要望のマッチングを図るために、自分のキャリアアンカーや欲求を上司や家族にも伝え、自分の仕事の将来に援助的に動いてもらう
5.自分自身でキャリアを積極的に管理するようになろう
会社や上司は個人個人に何がベストかを考えてはくれない、自分の手で選択できる領域がどこにあるのか見極めて、その領域をきちんと管理することが重要

(3) 個人のキャリア形成に役立つキャリア理論(その2):プランドハップンスタンスセオリー

 次に、教育心理学者で、スタンフォード大学大学院の名誉教授でもあったジョン・D・クランボルツ教授が提唱した、プランドハップンスタンスセオリーをご紹介します。プランドハップンスタンスセオリーは、「計画的偶発性理論」と訳され、「変化の激しい時代では、キャリアというものは偶然の要素によって左右されるものが多く、偶然に対してポジティブなスタンスでいる方がキャリアアップにつながる」という考え方です。

 偶然の出来事をチャンスや好機に変えるためには、下記の「5つの行動指針(スキル)」が重要だとされています。

1. 好奇心(Curiosity): 新しい学びの機会を模索せよ。
2. 持続性(Persistence): 失敗に負けずに努力し続けよ。
3. 柔軟性(Flexibility): 姿勢や状況を変えよ。
4. 楽観性(Optimism): 新しい機会は必ずやってきて、それを自分のものとすることができると考えよ。
5. 冒険心(Risk Taking): 結果がどうなるか見えない場合でも行動を起こせ。

 つまり、いろいろ経験をすることで視野や人脈がひろがり、新しい自分が見つかったり、スキルが磨かれるということです。ブランドハップンスタンスセオリーを企業が活用して人材を育てる例としては、下記の例が挙げられます。

1.制度として従業員のジョブローテーションを導入
環境の変化によって個人のキャリアに変化が引き起こされることが多い。通常の業務が延々と続いていてはそういった機会はなかなか巡ってこない。定期的に働く環境を変えてやることで、予期せぬキャリア形成の機会を提供することにつながる。

2.新しい人材の起用(チャレンジさせてみる)
新しいプロジェクトを始める際に、新しい従業員を起用してみる。企業側が主体的に従業員に新しい機会を提供する。 新しく起用した従業員が想像していなかった能力を発揮し、高い成果をあげるという可能性もある。

3.他部署や他社との交流の機会を企業側で積極的に設ける
キャリア形成に影響を与える要因には新しい人との出会いによることも多い。 他部署や他社との交流の機会を積極的に設け、偶然の出会いの機会を増やす。 予期せぬ人物との出会いが、従業員のキャリアに大きく影響するということは往々にしてあり得る。

 以上、皆さんもこういったキャリア理論を参考に、ご自分のキャリアや生き方を見直してみませんか?
 我々キャリアコンサルタントは、そういう方々に寄り添い、「キャリア、生き方を節目・節目で絶えず柔軟に見直し自ら再設計する」お手伝いをさせていただきます。
 キャリアコンサルタントにお気軽に相談ください。

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