こんにちは。
脱公務員キャリアコンサルタントのしーもです。
今回は、40代半ば以降の公務員が直面しやすい“キャリアの折り返し”の悩みにフォーカスします。
昇進したのにモヤモヤが晴れない。
このままでいいのか──そう思い始めたあなたへ。
心理学とキャリア理論の視点から、少しだけ立ち止まって考えてみませんか?
■ 昇進しても、なぜか満たされない…管理職のリアルな葛藤
40代半ばにもなると、管理職に昇任する方も多くなってきます。
係長から課長補佐、そして課長職へ。
肩書きが変わり、組織内での立場も上がっていく。
けれど、そこでふと立ち止まってしまう人も少なくありません。
◉ 管理職になって…収入が下がる⁈
意外に思われるかもしれませんが、管理職になって「年収が下がる」人もいます。
たとえば…
課長補佐級では残業単価も高く、業務の忙しさもあって月20〜30時間程度の時間外勤務が常態化している人も少なくありません
しかし管理職になると、時間外手当はなし
管理職手当やボーナス反映があっても、トータルでは年収がマイナスになることも…
そういった残業の多い人を全て肯定するわけではありませんが、やむを得ずそうなっている人が多いのも確かです。
しかも管理職になったことで、
議会対応、委員会出席
議員との質疑応答
管理職動員による休日イベント対応
内部外部への調整業務の増加
と、むしろ負担が増える場合も…
昨今、YouTubeなどで、地方議会の実態がようやく世間に知られるようになってきましたが、、何を聴かれるか予測不能な議員さんの質問に備えるのは想像以上に大変な労力ですよね。
業務に直接関係することで答えるのは当然なのですが、実態は必ずしもそうではなく、時としてとんでもない議論が行われていることは公務員の方なら皆さんご存じでしょう。
それでも、聴かれたことに適切?に答えられないと、執行部側が悪いみたいな雰囲気になって、落ち込んだり、管理職なんて向いてない、嫌だな、と思ってしまうのも無理はありません。
管理職になることは、立場が変わることによるマネジメントやその他の面でメリットもあるかもしれませんが、それ以上に失っている感覚を強く感じる人が多いというのも事実でしょう。
■ 公務員の“働き方”に疑問を抱き始める
このタイミングで、もともと心のどこかにあった“違和感”が、
よりはっきりと形を持って感じられるようになる人も出てくるでしょう。
「肩書きは変わったけど、自分の働き方に納得しているのか…」
「このまま定年まで走り続けるとして、それに意味を見いだせるか…」
■ レヴィンソンが語った「中年の危機」
アメリカの心理学者ダニエル・J・レヴィンソンは、人生を4つの発達段階(①児童期・青年期、②成人前期、③中年期、④老年期)に分けて説明した「ライフサイクル理論」で知られています。
その中で彼は、成人前期から中年期へ移行する**40~45歳を「人生半ばの過渡期」**とし、
この時期に起こる心理的な揺れや葛藤を「中年の危機」と定義し、次のように説明しています。
・自分の生活のほとんどあらゆる面に疑問を抱き、もうこれまでのようにはやっていけないと感じる
・新しい道を切り開くか、これまでの道を修正するのに数年を要する
・本当の自分らしさの模索、葛藤を通じて真の自己との折り合いをつける時期
・真の自己を生きることを通じて「個性」の確立が始まる
なお、40~45歳の時期にこの過渡期を経験しなかった場合は、50歳の過渡期で中年の危機を経験することになると説明しています。
また、レヴィンソンは、4つの発達段階を四季に例えて、移ろい変化していくものであると言っており、
中年期は四季で言うと「秋」、40~50代はここからキャリアの終盤に向かい、「冬」である老年期をより良きものにするため、これまで培ってきたものと、これからのことに折り合いをつけていく時期でもある訳ですね。
■ スーパーのキャリア発達理論では“維持期”へ
また、ドナルド・スーパーのキャリア発達理論においても、
**40代半ば以降は「維持期」**に該当します。
この時期の課題は、
・自らの限界を受容する
・働き続ける上での新たな問題を明らかにする
・本質的な行動に焦点を当てる
・獲得した地位や利益を保持する
とされています。
限界を受容する、というのは諦めろと言っているのではなく、今の自分を正しく認識するという風に理解した方がいいでしょう。
限界を知ることで、自分の強みや得意なことに集中できるという面もありますね。
例えば、本質的な行動に焦点を当てるという意味では、
自分自身の役割として、これまで培った経験や知識を伝えるメンターとしての役割にうまく切り替えることができれば、この時期の課題に適応しているとも言えるでしょう。
■ 「動けない」こともまた、苦しさの一因に
一方で、この時期になると、現実的な制約も強くなってきます。
年齢的に転職は厳しい
公務員という職種の特殊性もあり、他業界への転職が難しい
家族や住宅ローンなど、生活基盤を崩しにくい
30代以上に他業種へのキャリアチェンジが容易ではない現実を突きつけられると、そのことでより苦しい気持ちになる人もいるでしょう
■ まずは立ち止まって、深呼吸
自分だけが悩みを抱えているのではありません。
公務員だから悩んでいるわけでもありません。
誰しも同じような悩みを抱えて生きているのです。
少し立ち止まって、ゆっくり考える時間を持つことも必要です。
今、若い世代の人たちが管理職になりたがらない、という傾向もあります。
その理由は、責任を持ちたくないなどもあるとは思いますが、
今の管理職の人がみんなしんどそうにしている姿を見せてしまっていることもあると思います。
あんな風になりたくない、そう思わせているとしたら、悲しいですね。
下の人から、あんな風になりたくないと思われる仕事をしている訳ですから。
一度しかない人生、そんな思われ方をする時間を過ごしているのはもったいないと思います。
例えば、様々なSNSの世界を見ても、同じく公務員としての自分のあり方に疑問を抱いている人は数多くいらっしゃいます。
また、そういった疑問から行動を起こして、転職した人、転職せずに思考を切り替えて行動した人、様々な成功例が溢れています。
まずは、そういった情報に触れてみるところから始めてみてはいかがでしょうか。
「とはいえ、情報に触れるだけでは不安が拭えない…」
そんなときは、ひとりで抱えずに話してみてください。
キャリアコンサルタントは、選択肢を押しつける存在ではありません。
安易に解決策を提示する存在でもありません。
あなたの本音を一緒に整理し、不安やモヤモヤの根っこにあるものを一緒に見つけ、『どうしたいか』に寄り添いながら進むお手伝いをする、そんな伴走者です。
中年の危機は、終わりの始まりではなく、
「本当のあなたを生きる」ための通過点かもしれません。
一歩踏み出すその前に
深呼吸して、自分と向き合う時間を持ってみませんか?