バスが減ると役所の電話が鳴る不思議⁈

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こんにちは。
脱公務員キャリアコンサルタントのしーもです。

役所時代、公共交通に関する仕事に5年間従事しました。

それまで道路や下水道、公園、都市計画といった部署を経験してきて、まちの骨格を作る仕事をすることが多かったですが、交通政策というものがイメージ出来ていなかったため、異動が決まったときは少々ネガティブな印象を持ったのを記憶しています。

交通政策=交通量調査?くらいしかイメージできていなかったからです。
交通量を調べて、なにかやるのかな?苦手な数字ばっかりは嫌だな、と。

実際にはそういう感じの仕事では無かった訳ですが…
キャリアコンサルティング的に言うと、仕事理解不足が大いにありました。

市バスは無いけれど…

私の勤務していた自治体には市バスというものはありませんでした。
まあ政令市くらいでもないと、市バスなんて自前で走らせているところは少ないかと思います。

なので、市内には民間のバス会社さんの路線バスが様々なルートで運行していました。

バスが減ると市役所に苦情が⁈

謎だったのは、バス会社さんがバスを減便したりすると、市役所に苦情が入ることです。

バス会社さんも、利用者が少ないから仕方なく減便したりするわけですが、それに対する抗議の電話が市役所に入るのです。

「なんで減らすんだ!」
と謎の苦情

いや、市が走らせているバスじゃないんですけども…

「市がしっかりしないからバス会社が減らすんだ!」
と更に謎めいた呪いの言葉を吐かれます

とはいえ、せっかくお電話いただいたのを無下にできないので、
いつもご利用されていたのにご不便になったんですね…
と共感だけ示すと、、、

「そうだ!月に1度病院に行くのに欠かせないバスだったのにどうしてくれるんだ!」
と自分がいかにバスを利用していないかを堂々と宣言するありさま。

(心の声)
あのねぇ、、月に1回しか使わなくて、どうしてバス会社が残してくれると思ってたの??
あなたが乗ってない時も毎日毎日バス会社さんは来る日も来る日も走らせてくれていたんだよ。
せめて、
「普段あまり乗ってなくて申し訳なかったね、だけど、無くなると困るから、何とかなりませんか?」
ってどうして言えないのかなぁ…
1年で12回しか乗らないのに、どうしてそんな偉そうに上から目線でしか言えないのかな…しかもお門違いの役所に電話して文句言うなんて、どうかしてるよ

と言いたいのをグッと我慢して、
それはお困りですねぇ…
ですが、バス会社さんも利用者が少なくて経営が厳しいみたいですしね。
もっと利用者が増えてくれたら考えてくださるかもですけどねぇ。

「これからますます高齢者も増えるんだから利用者は増えるだろ!そんなこともわからないのか!」

はぁ…

(心の声)
高齢者が増えるのは確かにその通り!
でもねぇ、それってつまりあなたみたいな月に1回とか、週に1回とか、利用頻度の低い客が増えるってことですよね??
バス会社にとって最もありがたいお客様は毎日使ってくれる通勤・通学客ですよ。
そんなたまにしか乗らない人ばかり増えても困るんですよ。
ましてこの先、通勤・通学客が減って、高齢者が増える人口予測になってるわけだし、単純に収益が落ちることが確実でしょう。
だから減らすしかないんですよ。
そんなこともわからないのかなぁ、ってこっちのセリフだよ

とまあ、こんな感じで悩ましい電話を何度も受けることになる訳です。

昔はもっと走っていた

その減便される路線だって、20年前は倍以上の便数で走っていたこともあったりするんですね。

だけど、みな車社会にどっぷり浸かって自家用車で移動したりで、バスを利用してこなかった。

だから徐々に便数が減ってきてしまった。

20年後には1時間に1便あるかなしかのような路線になってしまった。

で、人が20年老いて、いざ車を手放す時期になり、公共交通を利用しようと思っても、便数が少ないと文句を言う…

この辺は、郊外のショッピングセンターにみんなが行くようになってしまって地域の商店街が廃れてしまった現象と少し似ているかもしれませんね。

年齢とともに車が使えなくなって、ショッピングセンターに行けなくなって、いざ地元の商店街で買い物を済ませようと思ったら、どこもかしこもお店が無いという…

そして役所に文句を言う、と。

また、不便なバスなど使わない、といつまでも自家用車を手放さず、ブレーキとアクセルを踏み間違えて事故を起こして…
最悪の人生の末路を迎えてしまう、なんてことにもなりますね。

もちろんバスなども全く走っておらず、車が無ければ生活できない地方があるのも確かですが、
少なくとも私の勤務していた自治体では、本人のちょっとした意識の持ちよう次第で車を利用せずとも生活できるのに、それまで見向きもしてこなかった自分のことは棚に上げて、不便だ不便だと、バス会社に言うならまだしも、役所に言いに来る人が結構いました。

議会でも追及されるバス減便問題

減便で不便になると、市議会でも取り上げられたり、市の見解を問う質問が出たりします。

私、いつも思ってました。
「市民の足であるバスが減便することについて市はどう考えているのだ?」
と言ってる議員自身が、

誰一人市役所に来るのにバス乗ってないやん!と
自分たちも使いもしてないものを減らすなとは、どの口が言うてんねん!と

たまに、市議会議員や市民団体がバス会社の営業所に対して減便しないように要望書を持って行ったりすることがあるんですが、
ほぼ確実に、車に乗って行かれるんですよ。

そんなのでまともに話聞いてもらえるわけないじゃないですか。

目の前で、自分達のお客さんではないことを盛大にアピールしておいて、バスの減便されたら市民が困るんです、って言われても、バス会社さんからしたら、だったらもっと乗ってくださいよ、ってなりますよね。

バス会社の担当さんから聞いたこともあります。
「先日、住民の方々が要望書をお持ちいただいたので、お話を伺いました。そこで、お話くださっていた方に、いつもどの系統のバスをどれくらいご利用いただいているんですか?と伺うと、、口ごもられて、まともに返ってきませんでした。」
と。

ダメだこりゃ…⤵

市民の足を守るのは役所の仕事⁈

ここまで書いておきながら、それでも市民の足を守るのは役所の仕事であることは間違いありません。

補助金を出してバス路線を維持するときもあるでしょう(是非はありますが…)

コミュニティバスを走らせて路線バスではケア出来ない部分を補うこともあるでしょう

市民に公共交通機関の重要性を啓発するのも必要でしょう

ただ、なんでもかんでもやればいいというわけでもありません。
誰も乗りもしないバスを血税使って延々と走らせているのはやっぱりよろしくないです。

役所だけの努力ではどうにもならないのも事実です。

バス会社にも力を貸してもらわないといけないし、
なにより一番大事なのは利用者である市民が自らの責任であることを自覚することが大事です。

乗らないなら無くなる、この当然の原理原則をきちんと受け止めることです。

無くなってもそれは、乗らなかった自分達自身の責任なのだから、お門違いな苦情を入れたり、誰かを責めていい話ではありません。

駅前のパン屋さんが無くなっても役所に苦情は入らないけども、
民間のバスが減便したり、廃止になると、役所には苦情が入る

やはり、公共交通というのはそれだけ公共性が高いということですね。

いや、この調子だと、そのうち「駅前のパン屋が無くなってどうしてくれるんだ!」と役所に電話が入るのも時間の問題か??
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