コラム25 リーダーシップ

記事
コラム
 私は循環器内科医ですが救急疾患が多い科です。緊急で患者さんの治療をしていくにあたって数多くのコメディカルとともに医療を展開していきます。そこで求められるのがリーダーシップです。あらかじめ断っておきますが、リーダー(医者)は偉くもなんともないです。ただ、チームの中でリーダーという指示出し系統の役割を担わなければならないだけです。しかし、これが意外と難しいものです。医者は誰でもリーダーシップがあるわけではありません。頭では分かっていても自分の考えがコメディカルに伝わらないと、コメディカルもうまく動けず、医療の質が落ちます。誰にどのタイミングでどのような指示を出すのかは非常に大事ですが、これが結構難しいのです。声が小さくて自信がなさそうな雰囲気だけでもうまく行かないこともありますし、逆に自分が偉いと勘違いして横柄な態度や威圧的な態度をとってしまうのもダメです。
 どうすればうまくいくのか考えてみました。まず、第一に自分一人では何もできないことを理解することです。極端に言えば、点滴の指示を出しても実際に看護師が投与してくれなければ治療はできません。循環器内科がよく行うカテーテル治療も様々な職種がうまく連携しないと緊急では行えず、医者はリーダーとして全ての職種に配慮しながら患者さんとも向き合っていかなければならないと思います。かなりのアンテナ力が求められるので、鍛錬が必要です。次に来るのがリーダーシップです。医療行為は基本的には医師が判断して行うものであり、コメディカルは医師の指示の元でしか医療行為を行えない場合がほとんどです。言い換えると医師が変な指示を出してしまうとコメディカルは非常に迷惑なのです。看護師は看護の、放射線技師は放射線の、臨床工学技士は機械関係のスペシャリストです。循環器内科医師はコメディカルにそれぞれのスペシャリティーをうまく発揮してもらい、カテーテル治療などの医療行為を成立させなければいけないのですが、それにもやはり日頃の経験と訓練が必要です。人間関係の構築という面も含めて実はここが一番重要で難しいスキルだと考えています。
 コメディカルの皆さん、医者の拙い指示出しなどで疲弊してしまうこともあるかも知れません。すみません。結構指示を出すって難しいけど努力しています。 循環器内科の皆さん。これからもカテ室リーダーとしての役割がうまく演じられるようにお互い努力していきましょう。ではでは。 

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す