SNSは必要だとわかっている
「SNSって、やったほうがいいんですよね…」
今回ご相談いただいたのは、帆布バッグをメインに展開されているブランドさん。
楽天やAmazonなどモールでの販売実績もあり、特に母の日や敬老の日などのイベント月には月商100万円を超えることもあるそうです。
ただ、
実際には「自社ECの売上はまだまだ」「そもそもどうやって集客すればいいか分からない」というモヤモヤが続いていたとのことでした。
過去にInstagram投稿の経験もあるものの、
「場当たり的な発信で、続けられるサイクルが作れなかった」
「そもそも何を軸に発信したらいいかがわからない」
という状態だったそうです。
そして、何より印象的だったのはこんな言葉でした。
「このまま我流でやっていくと、遠回りになってしまう気がして…」
「誰かと一緒に、自分たちらしさを整理したいと思ったんです」
その感覚、とてもよくわかります。
SNSって、「やらなきゃ」と分かっていながら、
いざ向き合おうとすると“どこから手をつければいいか分からない”。
でも実はそれ、決して“苦手”なんじゃなくて、ちゃんと向き合おうとしている証拠なんです。
このあと僕たちは、一緒に「発信の設計図」をつくりながら、
投稿の軸や言葉選びを少しずつ整えていくことになりました。
一緒にやったこと①:投稿の「設計」をつくる
SNSがうまく続かない理由の一つに、
「何をどう発信したらいいかが分からない」があります。
そこで最初に取り組んだのは、発信の土台をつくることでした。
投稿の“型”がないと、毎回「今日は何書こう…」から始まってしまい、
やがて投稿が止まってしまうことが多いからです。
今回はまず、「仮のコンセプト」を一緒に言葉にするところからスタートしました。
・どんな人に使ってほしいか
・自分たちは何を大切にしているのか
・なぜこの商品を届けたいと思っているのか
そうした会話の中から少しずつ言葉を引き出していき、
“らしさ”の種を見つけていきました。
そして、SNSでの投稿内容は、「モノ」「コト」「ヒト」の3つの軸で考えてみることに。
投稿に慣れていないご様子だったので、
一緒に「こういうテーマなら書きやすいかも」という案出しも行いました。
例えば、
モノ視点:10年愛用してくれている〇〇さん。帆布素材は使うほどに馴染んでいく素材で、10年使うとこんな風合いに育ちます
コト視点:スーパーに買い物に行ったとき、両手が塞がらずに助かった。そんな日常の情景が目に浮かぶようなシーンを
ヒト視点:染めやモノづくりへのこだわりの理由。なぜこの染め方を選んでいるのか。どこでモノづくりを学んできたのか
「SNSって、何を書いたらいいか本当に悩むんです」
そんな方には、まず“考える土台”と“投稿のパターン”があるだけで、
発信へのハードルがグッと下がります。
SNS発信は、続けることがいちばんの力になります。
だからこそ、「自分にとって無理なく続けられるやり方」を一緒に見つけることが何より大事だと僕は思っています。
一緒にやったこと②:「らしさ」をブランドページから発掘
SNSの投稿設計を一通り考えたあと、
もうひとつ一緒に向き合ったのが、「ウチのらしさ」って何なのか?という部分でした。
そのヒントになったのが、実はすでに存在していたんです。
相談者さんの自社サイトにある、「ブランドについて」のページ。
そこには、商品づくりに込めた想いや、お客様とのやりとりの中で生まれたエピソードが、
とても丁寧に、あたたかく綴られていました。
「なかなか、お茶会とかそういう場に持って歩ける鞄が見つからなかった」
「普段も落ち着いた服装が多いから、鞄選びに困ってた」
「もう落ち着く年齢だから、年相応の、自分だけの鞄が欲しかった」
これを読んで僕が思ったのは、
「もうすでに、“ウチのらしさ”は言語化されているじゃないか」ということでした。
なので、こんな提案をさせてもらいました。
・このページに書いてあることを、SNSの投稿でも何度でも繰り返して伝えていきましょう
・楽天やAmazonのページにも、想いや背景を載せてみては?
・すでに書けている言葉を、「伝わる場所」に広げていくだけでいいんです
SNSの発信って、“新しいことを毎回考える”よりも、“大事なことを何度も伝える”方が、ブランドの軸が育ちます。
投稿内容に悩んでいる人ほど、
実はもう「言葉の種」は手の中にあることが多いんです。
僕はそれを一緒に見つけて、育てていく伴走者でありたいと思っています。
SNSは“売るため”じゃなく“育てるため”のツール
SNSの相談を受けていると、よく聞くのがこんな声です。
「投稿するからには、売れないと意味がない?」
「売上につながらないと、やる意味があるのかな…って」
気持ちはすごくよく分かります。
でも僕は、SNSの本質って、実は“売るため”じゃなくて、“育てるため”の場所なんじゃないかと思っています。
SNSで投稿を続けていく中で:
・自分たちが何を大切にしているかに気づける
・お客様が何に共感してくれているかが見えてくる
・「伝わる言葉」が少しずつ育ってくる
自分たちのブランドコンセプトや強みを、投稿を通して少しずつ育てていく。
フォロワーさんとのやりとりや反応の中で、「あ、これって私たちらしいね」と見えてくる。
そうやって育てた言葉や視点は、SNSの中だけじゃなく、LINEでも、モールの商品ページでも、店頭接客でも——
あらゆる場面で“伝わる軸”になっていくんです。
だからこそ僕は、SNSでは「らしさ」と「リアル」の両方が大事だと思っています。
・らしさ:自分にしか出せない強みや空気感
・リアル:暮らしの中にちゃんと存在するエピソード
どちらかだけじゃなく、この2つがそろったとき、
初めて“売らなくても伝わる”発信ができるようになる。
SNSは、単なる集客ツールじゃなく、
お客様と一緒にブランドを育てていく場所なんです。
それを理解して発信しはじめたとき、
売上だけじゃない、大きな循環が生まれ始めます。
さいごに:もし、発信にモヤモヤしていたら
SNSって、難しいですよね。
やったほうがいいのは分かってる。でも、「じゃあ何を?」ってなると止まってしまう。
僕はこれまでたくさんの投稿を試し、
ときに反応がなくて落ち込んだり、でも続けたからこそ見えてきたことがあります。
そして今、SNSは「売るための場所」じゃなくて、
“ウチのらしさ”を、フォロワーさんと一緒に育てていく場所なんだと感じています。
今回のご相談でも、すごく大きな一歩は、
「誰かと一緒に整理する時間を持ったこと」でした。
完璧なコンセプトや世界観をいきなり作らなくても大丈夫。
ぼんやりしていた想いを、言葉にすることからすべては始まります。
「SNSをちゃんとやらなきゃ…でも動けない」
そんな気持ちを抱えている方へ、僕ができるのは、発信の“伴走役”として一緒に言葉にしていきます。
もし今、モヤモヤしていたら、気軽に相談してくださいね。
ご相談はこちらからどうぞ!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。